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第二章 浄化の旅
廣森朝陽による勉強会
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ティエ達は相当な早さでここまで来たようで、他の騎士が追い付くには半日はかかるらしく。ディア達には影の1人が取って返して俺の無事を伝えてくれるって言うし、本当にありがたい。沢山走らせてごめんね。あの人にも何かお礼しなきゃな。
そんなわけで時間をもて余した俺は今、朝陽にメムと番とは、という勉強会を開催してもらっています。
ちなみに全裸に大きめの布のみ(普段は野宿に使う寝床らしい)だった俺は無防備過ぎる!とプリプリ怒ったティエに前と同じくローブでくるまれて、簀巻き状態になっております。ここまでしなくても…、と小さな声で言ったらまた暗雲しょって
「スナオ、何か言ったかしら…?その可愛いお口でもう一度言ってくれる?」
とにっこり笑いながら凄まれたので賢い俺は黙っておく事にした。
イケメンの圧は本当に怖いよ…。
そのティエは今周辺のモンスターの把握に出ている。俺をここに残していくのも不安だけど、ここに危険種がいた場合最悪命の危険があるから、と渋々出ていった。ついでに、
「本来なら調べもせずに野営する方がおかしいと思うけどね」
とアンリエッタさんへの嫌味もつけ加えて
「おや。モンスターの奇襲に対応できないなんて噂の聖王国第一騎士団も大した事ないんですね」
と嫌味を返されてバチバチしてて怖かった。
どうやらあの二人…相性は最悪らしい。あと同郷のラスカーテトさんがずっと放置されててしょんぼりしてたのが哀れだった。そこは後で注意しておかないとな!
さて。気を取り直して。
朝陽に聞きたかった事を聞いてみる。
「メムは子供生めるって聞いたけど…実際どうやって作るんだ?」
「えっ、何だそれ。お兄さんとイケナイ事ヤっちゃいたい、ってお誘いか?」
「違うし!……だって、その…、し、尻に挿れたって子供出来ないだろ…?」
少なくとも俺の中で尻はただの排泄器官であって何かを育む器官ではない。
まぁ…何故だか溢れる程濡れたり、本能なのか何なのか、孕ませてって思ったりするとそこがきゅん、ってなるんだけど。
「あー、それな。俺も最初不思議だったんだけど、メムにはそういう特殊な器官があるんだってさ」
「俺は元々ここの人間じゃないのに?」
「多分この世界に来る時に体が作り替えられたんだと思うぞ。だから魂がすぐ定着しないんだ」
そもそも元の世界に魔法なんて存在しないんだから、本来魔力だってない筈の物。それを持ってて、使えるという事はその時点ですでにおかしいだろう、と言われて確かにな、と思う。
朝陽は何だか乗ってきたらしく、どこからともなく黒縁眼鏡を取り出しスチャッ、とかけると、メムとは、という所から番との正しい夜の営みと称したセックスでのイオの悦ばせ方、自分が疲れてるのに求めて来られたら主導権を握ってさっさとイかせてしまえ、と主導権の取り方まで教えてくれた。
近くで俺の護衛をしてくれてる影の1人が真っ赤な顔のまま明後日の方向を向いている。柔らかそうな若草色の髪がふわっと風に揺れてて、さっき見た瞳の色も髪と同じ綺麗なグリーン。その華奢な雰囲気は一概には言えないけど多分メムで、真っ赤な顔で素知らぬふりをしながらも耳だけは興味津々な事が伺えるから、もしかしたらその内実践するつもりなのかも知れない。俺も1人だとちょっと恥ずかしくなってきたから、こっちで一緒に聞こうよ、って言ったら高速で首を振って断られた。残念だ。
「そんで発情期が来たら子作りチャンスだ!」
朝陽先生はいつの間にか手に持った棒を教鞭代わりにフリフリしつつ熱弁する。
「発情期?」
「そう。メムには人それぞれ周期はあるけど発情期ってやつがあってな」
月1回くる人もいれば半年に1回の人もいるけど、一年以上開くことはないらしい。
発情期って、何か動物みたいで嫌だけど…でも良く考えたら元の世界でだって女の子達には危険日って物があるんだし、それと同じようなもんか?
「発情期が来たらどうなるんだ?」
「めちゃくちゃヤりたくなる!というかもうそれしか考えられなくなる!」
「えぇぇぇ…」
何それ怖い…。
「まぁでも番と出会ってるなら、発情期中番以外に触られると嫌悪感半端ないから気を付けろよ」
発情期は番を誘う誘引香が溢れる。感知出来るのは番だけなんだけど、溢れる程番への誘引香を垂れ流してる間のメムはいわば「抱いてー、孕ませてー!」と体を開け放っておねだりしている状態で、ほとんど動けなくなる。
端から見れば真っ赤な顔でへろへろになって倒れ込むなんて元の世界なら余程の体調不良か酔っぱらいか、と思われる程度。しかしこの世界ではたまに見かける光景らしく、番やパートナーを持たないメムが発情期で倒れたばかりに悪いやつに手篭めにされてしまった、という事件も時折あるらしい。昔はもっと多くて、その被害者の中には騎士団に所属していたメムもいたんだとか。それくらい発情期中のメムは弱いんだ、と言われてゾッとする。
今では発情期を抑える薬や、万が一発情期中に望まない性交をされた場合の避妊薬もあるし、性犯罪者への罰もかなり厳しく重くなっていて表向き犯罪自体かなり減っているそうだ。
ただ俺がこの世界に来てすぐ誘拐されかけたように、裏では未だに横行する犯罪でもある。
「なら治安の悪い所のメムは町歩くのも怖いなぁ」
「その為の第四騎士団です」
と、やっぱりめちゃくちゃ聞き耳を立てていたらしい影の隊員さんが言った。
■■■
第一騎士団~第八騎士団まで、のページにこっそり付け足される第四騎士団の説明
そんなわけで時間をもて余した俺は今、朝陽にメムと番とは、という勉強会を開催してもらっています。
ちなみに全裸に大きめの布のみ(普段は野宿に使う寝床らしい)だった俺は無防備過ぎる!とプリプリ怒ったティエに前と同じくローブでくるまれて、簀巻き状態になっております。ここまでしなくても…、と小さな声で言ったらまた暗雲しょって
「スナオ、何か言ったかしら…?その可愛いお口でもう一度言ってくれる?」
とにっこり笑いながら凄まれたので賢い俺は黙っておく事にした。
イケメンの圧は本当に怖いよ…。
そのティエは今周辺のモンスターの把握に出ている。俺をここに残していくのも不安だけど、ここに危険種がいた場合最悪命の危険があるから、と渋々出ていった。ついでに、
「本来なら調べもせずに野営する方がおかしいと思うけどね」
とアンリエッタさんへの嫌味もつけ加えて
「おや。モンスターの奇襲に対応できないなんて噂の聖王国第一騎士団も大した事ないんですね」
と嫌味を返されてバチバチしてて怖かった。
どうやらあの二人…相性は最悪らしい。あと同郷のラスカーテトさんがずっと放置されててしょんぼりしてたのが哀れだった。そこは後で注意しておかないとな!
さて。気を取り直して。
朝陽に聞きたかった事を聞いてみる。
「メムは子供生めるって聞いたけど…実際どうやって作るんだ?」
「えっ、何だそれ。お兄さんとイケナイ事ヤっちゃいたい、ってお誘いか?」
「違うし!……だって、その…、し、尻に挿れたって子供出来ないだろ…?」
少なくとも俺の中で尻はただの排泄器官であって何かを育む器官ではない。
まぁ…何故だか溢れる程濡れたり、本能なのか何なのか、孕ませてって思ったりするとそこがきゅん、ってなるんだけど。
「あー、それな。俺も最初不思議だったんだけど、メムにはそういう特殊な器官があるんだってさ」
「俺は元々ここの人間じゃないのに?」
「多分この世界に来る時に体が作り替えられたんだと思うぞ。だから魂がすぐ定着しないんだ」
そもそも元の世界に魔法なんて存在しないんだから、本来魔力だってない筈の物。それを持ってて、使えるという事はその時点ですでにおかしいだろう、と言われて確かにな、と思う。
朝陽は何だか乗ってきたらしく、どこからともなく黒縁眼鏡を取り出しスチャッ、とかけると、メムとは、という所から番との正しい夜の営みと称したセックスでのイオの悦ばせ方、自分が疲れてるのに求めて来られたら主導権を握ってさっさとイかせてしまえ、と主導権の取り方まで教えてくれた。
近くで俺の護衛をしてくれてる影の1人が真っ赤な顔のまま明後日の方向を向いている。柔らかそうな若草色の髪がふわっと風に揺れてて、さっき見た瞳の色も髪と同じ綺麗なグリーン。その華奢な雰囲気は一概には言えないけど多分メムで、真っ赤な顔で素知らぬふりをしながらも耳だけは興味津々な事が伺えるから、もしかしたらその内実践するつもりなのかも知れない。俺も1人だとちょっと恥ずかしくなってきたから、こっちで一緒に聞こうよ、って言ったら高速で首を振って断られた。残念だ。
「そんで発情期が来たら子作りチャンスだ!」
朝陽先生はいつの間にか手に持った棒を教鞭代わりにフリフリしつつ熱弁する。
「発情期?」
「そう。メムには人それぞれ周期はあるけど発情期ってやつがあってな」
月1回くる人もいれば半年に1回の人もいるけど、一年以上開くことはないらしい。
発情期って、何か動物みたいで嫌だけど…でも良く考えたら元の世界でだって女の子達には危険日って物があるんだし、それと同じようなもんか?
「発情期が来たらどうなるんだ?」
「めちゃくちゃヤりたくなる!というかもうそれしか考えられなくなる!」
「えぇぇぇ…」
何それ怖い…。
「まぁでも番と出会ってるなら、発情期中番以外に触られると嫌悪感半端ないから気を付けろよ」
発情期は番を誘う誘引香が溢れる。感知出来るのは番だけなんだけど、溢れる程番への誘引香を垂れ流してる間のメムはいわば「抱いてー、孕ませてー!」と体を開け放っておねだりしている状態で、ほとんど動けなくなる。
端から見れば真っ赤な顔でへろへろになって倒れ込むなんて元の世界なら余程の体調不良か酔っぱらいか、と思われる程度。しかしこの世界ではたまに見かける光景らしく、番やパートナーを持たないメムが発情期で倒れたばかりに悪いやつに手篭めにされてしまった、という事件も時折あるらしい。昔はもっと多くて、その被害者の中には騎士団に所属していたメムもいたんだとか。それくらい発情期中のメムは弱いんだ、と言われてゾッとする。
今では発情期を抑える薬や、万が一発情期中に望まない性交をされた場合の避妊薬もあるし、性犯罪者への罰もかなり厳しく重くなっていて表向き犯罪自体かなり減っているそうだ。
ただ俺がこの世界に来てすぐ誘拐されかけたように、裏では未だに横行する犯罪でもある。
「なら治安の悪い所のメムは町歩くのも怖いなぁ」
「その為の第四騎士団です」
と、やっぱりめちゃくちゃ聞き耳を立てていたらしい影の隊員さんが言った。
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第一騎士団~第八騎士団まで、のページにこっそり付け足される第四騎士団の説明
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