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番外編
騎士団長の恋愛事情(1)
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ダンテ・コルシーニ。
キエザ王国の近衛騎士団を纏める近衛騎士団長の名である。
栗色の髪と栗色の瞳の、凛々しく精悍な顔付きに、鍛え抜かれた鋼のような体躯。
伝統あるコルシーニ伯爵家の次男という立場で、史上最年少で近衛騎士団の団長に上り詰めた彼は、悩んでいた。
「ねぇ、ダンテ。何度も言うようで悪いけれど、あなたもそろそろ、身を固めようとは思わないのですか?この母を、安心させてやろうと云う気持ちにはならないのですか?」
「………お言葉ですが、母上。その件につきましてほ、然るべき時が来たらと何度申し上げればご理解頂けるのですか。それに私は嫡子ではありませんので、無理に結婚などする必要などないでしょう?」
「そのような態度だから、あなたは男色だという噂が立つのですよ?」
「…………噂を、真に受けないで下さい………」
ダンテは朝から何度も繰り返される母親とのやり取り。
これがもうかれこれ一ヶ月も続いていた。
コルシーニ伯爵家の兄妹は、全員で五人。長兄のブルーノは既に結婚して領地経営に携わりながらコルシーニの『本業』である『王の影』の次期当主としての修行中だが、それ以外の兄妹については、未だに婚約者がいない状態だ。
コルシーニ伯爵夫人は、そのことを甚だ憂慮しているようだった。
ただ、兄妹の紅一点である妹のリディアに関しては、ダンテの部下であるテオという若い近衛騎士が想いを寄せており、何とその身一つで父であるコルシーニ伯爵に直談判をしてきた経緯があり、彼女の婚約については一旦保留となっていた。
「今すぐ結婚しろと言っているわけではないのですから…………」
「ならば私より弟達の心配をしてやって下さい」
ダンテは深く溜息をつくと、立ち上がり、恨めしそうな視線を送ってくる母に背を向けて、部屋を出た。
正直なところ、この手の話は苦手だった。
貴族の結婚というのは、煩わしいことだらけだ。
家の利益。血統。牽制。
最近でこそ、恋愛結婚により婚姻を結ぶ者も出てきたが、まだまだ少ないのが現状だった。
「陛下のように、好いた相手と一緒になれるのならば、喜んで結婚するんだが…………。世の中というのは、本当に難しく、厳しいものだな」
誰にも聞こえないような小さな声で、ダンテは一人呟いた。
騎士団長として、真面目に職務に取り組んできたダンテにも、思うところは色々ある。
ふと足を止めてう目を閉じると、ダンテは彼が密かに想いを寄せる女性のことを、思い浮かべるのだった。
キエザ王国の近衛騎士団を纏める近衛騎士団長の名である。
栗色の髪と栗色の瞳の、凛々しく精悍な顔付きに、鍛え抜かれた鋼のような体躯。
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「ねぇ、ダンテ。何度も言うようで悪いけれど、あなたもそろそろ、身を固めようとは思わないのですか?この母を、安心させてやろうと云う気持ちにはならないのですか?」
「………お言葉ですが、母上。その件につきましてほ、然るべき時が来たらと何度申し上げればご理解頂けるのですか。それに私は嫡子ではありませんので、無理に結婚などする必要などないでしょう?」
「そのような態度だから、あなたは男色だという噂が立つのですよ?」
「…………噂を、真に受けないで下さい………」
ダンテは朝から何度も繰り返される母親とのやり取り。
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「今すぐ結婚しろと言っているわけではないのですから…………」
「ならば私より弟達の心配をしてやって下さい」
ダンテは深く溜息をつくと、立ち上がり、恨めしそうな視線を送ってくる母に背を向けて、部屋を出た。
正直なところ、この手の話は苦手だった。
貴族の結婚というのは、煩わしいことだらけだ。
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最近でこそ、恋愛結婚により婚姻を結ぶ者も出てきたが、まだまだ少ないのが現状だった。
「陛下のように、好いた相手と一緒になれるのならば、喜んで結婚するんだが…………。世の中というのは、本当に難しく、厳しいものだな」
誰にも聞こえないような小さな声で、ダンテは一人呟いた。
騎士団長として、真面目に職務に取り組んできたダンテにも、思うところは色々ある。
ふと足を止めてう目を閉じると、ダンテは彼が密かに想いを寄せる女性のことを、思い浮かべるのだった。
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