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54.氷に閉ざされた村※ちょこっと残虐シーンあり
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私は心の中で吹雪が止むのを願っただけで、天候を操るような大きな力があるはずはない。でも、偶然では片付けられないような出来事が続くのはなぜなのだろう。
そのおかげでこうして先に進むことができたのは不思議な現象のおかげにほかならない。
何故。どうして。
疑問ばかりが浮かび上がっていく。
「……私の予想が正しければ、その力は非常に稀なものだ」
私の不安に気がついたのか、アデルバート様がぽつりと呟く。
「春の姫、と言う名を聞いたことがあるか?」
「春の姫……?」
そういえば、蘇生魔法もどきを見た魔法騎士がそんな事を言っていた気がするわ。アデルバート様ならご存知だと。
「名前だけなら、聞いたことはあります」
「……そうか。春の姫は、春を司る女神の加護を受けた者を指すのだ」
春の女神の加護。はっきり言って、ピンとこない。
私にそんな力があるとも考えられないし、第一、不思議な現象が起こり始めたのは、この公爵領にきてからだもの。
「……だとしたら、本当に奇跡だな」
「え?」
小さな声で、アデルバート様がなにか呟いたけれど、私は聞き取れなかった。
「黒焔公爵様!リーテの村が見えました!」
その時、先導の騎士が声を上げた。
確かに、白で埋め尽くされた丘の向こうに、村落らしきものが見えてきた。
「スネーストルムの気配は?」
「ここからでは、何とも……」
「奴らは、どこに潜んでいるかわからん。下手に村に入るより、このあたりから様子を伺ったほうがいいだろう」
「はっ!」
アデルバート様の指示で、騎士たちが馬を降り、一斉に動き始める。
私は、リーテというその村の方に意識を集中した。
聖女ならば、誰でも『天眼』という魔法を教えられる。これは光属性魔法の初歩中の初歩で、私でも使える魔法だった。
天眼は、離れた場所の様子を見ることが出来るので、こういう場合には重宝する。
すうっと、私の頭の中に村の風景が映り込んできた。
「アデルバート様……あの村……」
「どうした?」
私は、今見たものが信じられず、アデルバート様にすがりついた。
私の様子がおかしいことにアデルバート様は気がついたようで、しっかりと支えて下さる。
「全てが……氷で埋め尽くされ……、沢山の人が……氷柱で貫かれて……」
「何だと?!」
アデルバート様の表情が、一気に険しくなった。
「氷、ということは、間違いなくスネーストルムの奴等の仕業。武器を持たない者達の命を奪うとは……」
アデルバート様がぎり、と歯を食いしばる。それは間違いなく、最恐将軍と謳われる方の顔だった。
そのおかげでこうして先に進むことができたのは不思議な現象のおかげにほかならない。
何故。どうして。
疑問ばかりが浮かび上がっていく。
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私の不安に気がついたのか、アデルバート様がぽつりと呟く。
「春の姫、と言う名を聞いたことがあるか?」
「春の姫……?」
そういえば、蘇生魔法もどきを見た魔法騎士がそんな事を言っていた気がするわ。アデルバート様ならご存知だと。
「名前だけなら、聞いたことはあります」
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確かに、白で埋め尽くされた丘の向こうに、村落らしきものが見えてきた。
「スネーストルムの気配は?」
「ここからでは、何とも……」
「奴らは、どこに潜んでいるかわからん。下手に村に入るより、このあたりから様子を伺ったほうがいいだろう」
「はっ!」
アデルバート様の指示で、騎士たちが馬を降り、一斉に動き始める。
私は、リーテというその村の方に意識を集中した。
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すうっと、私の頭の中に村の風景が映り込んできた。
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