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216.アリッサの選択
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「………やはり、気が付いていましたか」
アリッサ、いやアリッサの姿を借りた女神は、納得したように呟いた。
「話し方や、話の内容に違和感があったのです。気分を害されたのなら謝罪致します」
アンネリーゼは少し畏まった表情を浮かべた。
「いえ、謝罪しなければならないのは私のほうです。……あなたを試すような真似をしてしまいましたね」
女神は心底すまなそうに目を伏せた。
「女神様とは何度か、直接お話をさせていただいたのに、今回は何故アリッサ様の姿で………?それとも、わたくしが出会ったアリッサ様は全て、女神様が………?」
「いいえ、それは違います」
アンネリーゼがアリッサの正体に感づき始めてからずっと考えていたことを口にすると、女神はゆっくりとした動作でそれを否定した。
「あなたがアリッサに出会えたのは、それをアリッサが強く望んだからです」
「アリッサ様が、わたくしに………?」
女神はにこりと微笑み、頷いた。
「あなたとアリッサは、とても似ています。見た目や性格は違いますが……魔力や魂の本質、とでもいうのでしょうか」
「魂の本質、ですか……?」
耳慣れないその言葉に、アンネリーゼは首を傾げた。
「まあ、似た者同士ということです。アリッサは、自分のせいで沢山の人間が不幸になったこと、そしてジークヴァルトに死ぬよりも苦しい運命を背負わせることになってしまったことをずっと責めていました。本来であれば魂は一定の期間を過ぎると生まれ変わり、再び地上に降りて新たな生を受けます。でもアリッサは………」
女神は悲しそうに表情を歪めた。
「自分にはそんな資格はないからと、生まれ変わることを拒絶し、私の元で共に地上を見守ることを選択しました。………おそらく、ジークヴァルトを見守っていたかったのでしょうね」
その言葉を聞いて、アンネリーゼは心の奥がちくりと痛むのを感じた。
アリッサは、そこまで深くジークヴァルトを愛していたのだ。その気持ちが報われることがないと分かっていても、愛する人の行く末をただ見守ることしか出来ないと分かっていても、その道を選ぶほどに。
「………後ろめたさを感じているのですか?」
アリッサの姿をした女神に問われ、アンネリーゼは言葉に詰まった。
何度も葛藤して、自分の醜い嫉妬心や迷いに決着をつけたはずなのに、改めてアリッサのことを考えるとまた迷いが生じる。
アリッサに対する申し訳なさ、そして同時に感じる優越感。そしてその感情に対して芽生える罪悪感。
アンネリーゼはきゅっと唇を引き結ぶと、俯いた。
アリッサ、いやアリッサの姿を借りた女神は、納得したように呟いた。
「話し方や、話の内容に違和感があったのです。気分を害されたのなら謝罪致します」
アンネリーゼは少し畏まった表情を浮かべた。
「いえ、謝罪しなければならないのは私のほうです。……あなたを試すような真似をしてしまいましたね」
女神は心底すまなそうに目を伏せた。
「女神様とは何度か、直接お話をさせていただいたのに、今回は何故アリッサ様の姿で………?それとも、わたくしが出会ったアリッサ様は全て、女神様が………?」
「いいえ、それは違います」
アンネリーゼがアリッサの正体に感づき始めてからずっと考えていたことを口にすると、女神はゆっくりとした動作でそれを否定した。
「あなたがアリッサに出会えたのは、それをアリッサが強く望んだからです」
「アリッサ様が、わたくしに………?」
女神はにこりと微笑み、頷いた。
「あなたとアリッサは、とても似ています。見た目や性格は違いますが……魔力や魂の本質、とでもいうのでしょうか」
「魂の本質、ですか……?」
耳慣れないその言葉に、アンネリーゼは首を傾げた。
「まあ、似た者同士ということです。アリッサは、自分のせいで沢山の人間が不幸になったこと、そしてジークヴァルトに死ぬよりも苦しい運命を背負わせることになってしまったことをずっと責めていました。本来であれば魂は一定の期間を過ぎると生まれ変わり、再び地上に降りて新たな生を受けます。でもアリッサは………」
女神は悲しそうに表情を歪めた。
「自分にはそんな資格はないからと、生まれ変わることを拒絶し、私の元で共に地上を見守ることを選択しました。………おそらく、ジークヴァルトを見守っていたかったのでしょうね」
その言葉を聞いて、アンネリーゼは心の奥がちくりと痛むのを感じた。
アリッサは、そこまで深くジークヴァルトを愛していたのだ。その気持ちが報われることがないと分かっていても、愛する人の行く末をただ見守ることしか出来ないと分かっていても、その道を選ぶほどに。
「………後ろめたさを感じているのですか?」
アリッサの姿をした女神に問われ、アンネリーゼは言葉に詰まった。
何度も葛藤して、自分の醜い嫉妬心や迷いに決着をつけたはずなのに、改めてアリッサのことを考えるとまた迷いが生じる。
アリッサに対する申し訳なさ、そして同時に感じる優越感。そしてその感情に対して芽生える罪悪感。
アンネリーゼはきゅっと唇を引き結ぶと、俯いた。
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