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番外編
第四話 試練のお茶会(そのニ)
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「王太子殿下は、容姿・身分・能力の全てにおいて完璧なお方でしょう?ですから私達の中でも憧れの的ですのよ。それなのに、殿下は貴族令嬢を避けてらっしゃったから………」
ふふふ、と笑いながらセシル嬢は目を伏せる。
すると、同じテーブルに座っているご令嬢方が同意するように頷いた。
「王太子殿下の女性嫌いは有名ですものね」
「近づくだけで、不機嫌を隠そうともしなかったですわ」
ご令嬢方が、口々にそんな事を言い始めた。………そう言えば、ジェイド様って女性嫌いだったのですわよね。すっかり忘れていたわ。
「キャメロット公爵令嬢………そうだわ、是非エリーゼ様と呼ばせて下さいな。私のことはセシルとお呼び下さいませ?」
「………ええ、喜んで」
私はセシル様の笑顔の裏の敵意を警戒しながら、同じく笑顔で応戦する。
「まあ、嬉しい。私、他国出身の方と親しくなるのは初めてですのよ」
「セシル様は侯爵夫妻から大切に育てられておりますものね」
「完璧な淑女とは、セシル様のような方のことを言うのですわ」
………やはり、同席のご令嬢方はセシル様の取り巻きと言うことですのね。
この話の流れ、何となくこの先の展開が読めましたわ。
「あら、公爵令嬢でいらっしゃるエリーゼ様を差し置いて、私の事を完璧な淑女だなんて………皆様、それは失礼ですわ」
ご令嬢方を嗜めるようなふりをして、セシル様がまたふっ、と馬鹿にしたように鼻で笑った。
「あら、随分と楽しそうね」
後ろから声がして、私はそちらを向いた。アルテミア候爵夫人………セシル様のお母様だった。
「お母様。私、エリーゼ様とお友達になりましたのよ」
「まあ、それは良かったわね。何と言っても、属国の候爵令嬢から宗主国の王太子妃になられる方ですものねぇ」
夫人がちらりと私の方に視線を移す。
「そう言えば、実のお父上はあのコーネリアス・マロウ殿だそうですわね?」
「ええ、その通りですわ」
「貴女は、大変立派なお父上を持ったおかげで、これ以上ない幸せを手に入れられたのね」
候爵夫人が、冷たく、考えの読み取れない無機質な表情で私を見つめていた。
ふふふ、と笑いながらセシル嬢は目を伏せる。
すると、同じテーブルに座っているご令嬢方が同意するように頷いた。
「王太子殿下の女性嫌いは有名ですものね」
「近づくだけで、不機嫌を隠そうともしなかったですわ」
ご令嬢方が、口々にそんな事を言い始めた。………そう言えば、ジェイド様って女性嫌いだったのですわよね。すっかり忘れていたわ。
「キャメロット公爵令嬢………そうだわ、是非エリーゼ様と呼ばせて下さいな。私のことはセシルとお呼び下さいませ?」
「………ええ、喜んで」
私はセシル様の笑顔の裏の敵意を警戒しながら、同じく笑顔で応戦する。
「まあ、嬉しい。私、他国出身の方と親しくなるのは初めてですのよ」
「セシル様は侯爵夫妻から大切に育てられておりますものね」
「完璧な淑女とは、セシル様のような方のことを言うのですわ」
………やはり、同席のご令嬢方はセシル様の取り巻きと言うことですのね。
この話の流れ、何となくこの先の展開が読めましたわ。
「あら、公爵令嬢でいらっしゃるエリーゼ様を差し置いて、私の事を完璧な淑女だなんて………皆様、それは失礼ですわ」
ご令嬢方を嗜めるようなふりをして、セシル様がまたふっ、と馬鹿にしたように鼻で笑った。
「あら、随分と楽しそうね」
後ろから声がして、私はそちらを向いた。アルテミア候爵夫人………セシル様のお母様だった。
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夫人がちらりと私の方に視線を移す。
「そう言えば、実のお父上はあのコーネリアス・マロウ殿だそうですわね?」
「ええ、その通りですわ」
「貴女は、大変立派なお父上を持ったおかげで、これ以上ない幸せを手に入れられたのね」
候爵夫人が、冷たく、考えの読み取れない無機質な表情で私を見つめていた。
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