国一番の淑女結婚事情〜政略結婚は波乱の始まり〜

玉響

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本編(アルフォンシーナ視点)

279.明かされた真実(3)

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自分はそんな大層な人間ではない。
ただ両親の教えに従い、そのとおりに行動していただけに過ぎない。
それなのにベルナルドが自分の振る舞いを見て、そんな事を感じていただなんて、思ってもみなかった。

「わたくし………そんなつもりは………」

彼を傷付けたなら申し訳ないと思いながら、謝罪の言葉を口にしようとすると、ベルナルドはゆっくりと首を振る。

「あなたがそんなつもりがないのは分かっている。私が勝手に劣等感を抱いただけだ。あなたは何も悪くない」

幾度となく、ベルナルドが使う台詞。それをきっぱりと言い放ってから、ベルナルドは小さな深呼吸をした。

「………そう。私はフェルディナンドから役割を与えられてから初めて、仕事以外の事を考えた。そしてその日以来、あなたのことが頭から離れなくなった。来る日も来る日も、あなたのことを考えていた」

またしてもベルナルドから明かされた信じられない告白に、アルフォンシーナは俯いたまま目を瞠った。

「………しかしあなたに惹きつけられたのは、当然私だけではなかった。社交界は瞬く間にあなたの話題で持ちきりになり、あなたは『国一番の淑女』と呼ばれるようになった。同時にパルヴィス伯爵家へ持ち込まれる縁談についての情報が流れてくるようになった」

社交界で『国一番の淑女』と呼ばれるようになった頃の事は、自分でもよく覚えていた。
さして力があるわけではない家柄出身であるにも関わらず、社交の場に顔を出すだけで持て囃され、かなりとまどっていた頃だ。

「………あなたが誰かの妻になる、と考えただけで、どうにかなりそうだった。慌てて私もパルヴィス伯爵に、あなたとの結婚を申し込んだんだ」
「え…………?」

アルフォンシーナは思わず、顔を上げた。
ベルナルドが結婚の申し込みをしていたなど、完全に初耳だった。
両親共に何も言っていなかったし、王命により縁談が纏まった時だって、両親も、そしてベルナルド本人もそんな事は一言も言っていなかった。

「それは…………、本当ですか………?」

半信半疑で尋ねると、ベルナルドは大きく頷いた。

「………ああ。パルヴィス伯爵邸を訪ね、ご両親に直談判したよ。あなたを妻に迎えたい、とね」

ややゆっくりとした口調でそう呟いた後、ベルナルドの表情が突然、苦々しいものに変わった。
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