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第十四話 似た者同士
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草花の葉に残る雫がキラキラと輝いている。ようやく中庭の水まきを終えて、一息ついたところだ。
目が覚めたら朝だった。丸一日近く眠ってしまったけど、幸い熱は下がった。体はまだだるいけど、寝ているより動いている方が気が紛れる程度だったので、早速庭掃除をしている。
「ありがとう、ミオ。またここの花が咲くのを見られたら、今度こそ未練はないかな」
そう言って笑うエドアルトは、本当に嬉しそうだ。
リエーフさんが、「花にしか興味のない人」みたいなことを言っていたけど、どうやら本当みたいで、花の名前や世話の仕方など、一つ一つ細かく教えてくれた。
「前も、ミオに綺麗にしてもらったんだけど。そのあと執事に任せてたら枯れた」
「え……そうなの? リエーフさんてなんでもできそうなんだけどな」
「直したり育てたりは苦手なんだって」
リエーフさんにも苦手なことがあるって思うと、なんだか安心する。それにしても。
「……エドアルトも、私のことを知ってるのね」
「うん。でもミオのことを知ってる幽霊は、僕とレイラを覗けば、あとはアラムくらいだよ。ミオがいなくなったときに屋敷のみんなもいなくなった。よそ者が来て今は前より多くなったけど」
「アラム……?」
聞き覚えはないけれど、覚えて置こう。ということは、もう私のことを一方的に知ってる人が現れるのは、その人で最後ということか。
「私がいなくなったとき、みんなもいなくなったっていうのは?」
「それは……、話せない、ごめん」
「当主の意志で?」
「たぶん。でも、考えがあってのことだと思う」
「それは、わかっているけど……」
手にした水差しを抱えて呟く。
何か私にも、できることが欲しかった。でも私が何かすればするほど傷つけてしまう。
だからやっぱり……掃除や庭の手入れだけをしていたほうがいいんだろう。
「せめて、前にここにいた私がどんな風に過ごしていたのか知りたいな……」
「掃除してたよ」
あっさりとエドアルトが答える。
「掃除だけ?」
「うん。掃除をしに、この屋敷に来たって言ってたよ」
「それが何故、花嫁に?」
掃除に来たならまだわかる。掃除は仕事だし好きだ。この、手入れの行き届いてない屋敷を見たら、私なら掃除したいと思うだろう。
問うと、エドアルトは困ったような顔をした。
「話せないなら仕方ないけど……やっぱりちょっと信じられなくて。自分が結婚していたなんて」
「多分、ミオはちょっと勘違いしてると思うんだけど……、花嫁と言っても、愛を誓って結婚式を挙げて……とか、そういう関係ではなかったよ。ミオと伯爵は」
「だ、だよねぇ!?」
水差しを放り出して、私は思わずエドアルトに詰め寄ってしまった。
「おかしいと思った!!」
「でもやっぱり……ミオは伯爵の花嫁だと思うよ」
「だからどうしてそうなるの!?」
私の勢いに押されて、ますますエドアルトが困ったような顔をする。だが、ふと真顔になって、じっと私を見つめた。
「僕には生前妻がいたんだ。国を上げての盛大な式だった」
突然の告白に、少し驚いた。妻帯者というのも驚きだけど、国を上げてというのもすごい。そういえば、リエーフさんが「世界最強の騎士」と言っていた気がする。見た目からは想像できないけど……。
「でも、一言も口をきいたことないし、もう顔すら覚えていない」
「え?」
「家同士が決めただけのことだから。……ミオと伯爵っていつも淡々としてたけど、いつも最終的には相手の為に動いてた。昨日だってそうだ。僕はそういう二人が羨ましい」
「あ、あれは……」
見られていたのか、死霊とのやり取り。
「いつも助けられてばかりだから……フェアじゃないっていうか。それだけのことで」
「伯爵も僕らも、ミオには借りがあるからね。フェアじゃないってことはないと思う」
「だから、それを覚えてないんだもの。他人の功績で恩恵を受けてる気分なの。それに……迷惑掛けただけみたいだし」
「迷惑……か」
エドアルトが、指先を枝葉に伸ばす。その葉から零れた雫は、エドアルトさんの指を擦り抜けて地面に弾ける。
「でもミオだって迷惑なんじゃないの? 好きでこんな屋敷にいるわけじゃないでしょ」
「そんな……ことは」
ないと、はっきり断言できなかった時点で答えは知れている。そんな私を責めることなく、エドアルトさんは儚い笑みを見せた。
「僕らは普通じゃないからさ……生きてないし、結構自分本位だから、ミオに迷惑がられても実はそんなに気にならないんだけどさ。伯爵は普通の人だよ。……ちょっと死人との関わりが強いだけで」
それは普通とは言わない気がするけど。でもエドアルトの言いたいことはわかった。
わかったけど……でも。
「それは、確かに最初は困惑したけど……、私、思ったほどここにいるの嫌じゃない。みんな優しくしてくれるし。でも、だからこそ私も何かしたいの。覚えのない前の私じゃなくて、今の私がやらないと駄目な気がするの」
「……? 前のミオも、今のミオも、同じじゃないの?」
「わからないよ。覚えてないんだもの」
ずっと感じている、居心地の悪さ。
屋敷のみんなが親身にしてくれてるのは、全部記憶にない前の私がやったことのおかげで。
「……今の私には、もう何もできないのかな」
「僕は花の世話をしてもらえて嬉しいよ?」
「ありがとう。少し、元気出た。……よし、草むしりしよう」
放り出した水差しを、片付けるために拾い上げる。
ミハイルさんも、エドアルトみたいに素直に感情を伝えてくれるとわかりやすいんだけどな。けどそんなのもう別人だよね。想像して少し笑いそうになってしまった。
あの人は、何をすれば喜んでくれるのか――気が付けばずっと考えてる。
「ミオ!」
――そんなタイミングで、名を呼ばれるから。心臓が飛び出すかと思った。
「こんなところで何をしている」
「庭の手入れを……」
「馬鹿か! 昨日倒れたんだぞ!?」
初めて会ったときから思ったけど、ちょっと人のことを馬鹿馬鹿言いすぎじゃない?
「もうなんともありません」
「今は何ともなくとも――」
手を掴まれそうになって、咄嗟に避けてしまった。その拍子に、水差しに残っていた水がパシャンと跳ねる。
「……」
「……あ。すみません。わざとでは」
思い切りミハイルさんに水を掛けてしまった。睨みつけてくる視線を水差しでシャットアウトする。……自分だってさんざん人を跳ねのけてるくせに。
「……エドアルト」
「だって、ミオがもう大丈夫だって言うから」
「お前らは疎いだろうが、人は脆い。無理をさせるな」
「でも伯爵も執事も頑丈だし……」
「比べるところが間違っている」
額に手を当てて、ミハイルさんが深く溜息をつく。
「ミオ、お前もお前だ。部屋に戻って休め」
「嫌です」
「な――」
私の答えに、ミハイルさんが絶句する。
心配してくれてるのはわかっている。わかっているけど、つい言い返したくなるような言い方をする方も悪い。と思う。
「だって、嬉しかったんです。いつもいつも、みんな昔の私の話ばかりで、今の私に何も望まないじゃないですか。庭の手入れをして喜んでもらえて嬉しかったんです!」
「……ッ、そんなことは」
「そんなことあるじゃないですか。私が何かする度にいつも馬鹿だのなんだの怒るじゃないですか!」
「それは前からだ!」
「威張って言うことですか!?」
「大体……!」
ひったくるように私から水差しを奪う。視界を遮るものがなくなって、視線がぶつかる。
「大体お前だって、リエーフやエドアルトとは普通に喋る癖に俺には何も言わないだろう!」
「自分だってそうじゃないですか!」
「相変わらず可愛げのない……!」
「相変わらずっていうのやめてくれませんか!?」
「可愛げがない!」
「余計に失礼です!」
止められない売り言葉と買い言葉を続けながら――なんとなくわかってきたことがある。
「……似た者同士だよね、ミオと伯爵は」
所在なく脇にいたエドアルトが、ポソッとそんなことを言う。それは薄々私が気づき始めてきたことと同じだったのだけれど。
『似てない!』
ついつい言い返した声が綺麗にハモる。
そしてその後、私は見事に風邪をぶり返した。
目が覚めたら朝だった。丸一日近く眠ってしまったけど、幸い熱は下がった。体はまだだるいけど、寝ているより動いている方が気が紛れる程度だったので、早速庭掃除をしている。
「ありがとう、ミオ。またここの花が咲くのを見られたら、今度こそ未練はないかな」
そう言って笑うエドアルトは、本当に嬉しそうだ。
リエーフさんが、「花にしか興味のない人」みたいなことを言っていたけど、どうやら本当みたいで、花の名前や世話の仕方など、一つ一つ細かく教えてくれた。
「前も、ミオに綺麗にしてもらったんだけど。そのあと執事に任せてたら枯れた」
「え……そうなの? リエーフさんてなんでもできそうなんだけどな」
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リエーフさんにも苦手なことがあるって思うと、なんだか安心する。それにしても。
「……エドアルトも、私のことを知ってるのね」
「うん。でもミオのことを知ってる幽霊は、僕とレイラを覗けば、あとはアラムくらいだよ。ミオがいなくなったときに屋敷のみんなもいなくなった。よそ者が来て今は前より多くなったけど」
「アラム……?」
聞き覚えはないけれど、覚えて置こう。ということは、もう私のことを一方的に知ってる人が現れるのは、その人で最後ということか。
「私がいなくなったとき、みんなもいなくなったっていうのは?」
「それは……、話せない、ごめん」
「当主の意志で?」
「たぶん。でも、考えがあってのことだと思う」
「それは、わかっているけど……」
手にした水差しを抱えて呟く。
何か私にも、できることが欲しかった。でも私が何かすればするほど傷つけてしまう。
だからやっぱり……掃除や庭の手入れだけをしていたほうがいいんだろう。
「せめて、前にここにいた私がどんな風に過ごしていたのか知りたいな……」
「掃除してたよ」
あっさりとエドアルトが答える。
「掃除だけ?」
「うん。掃除をしに、この屋敷に来たって言ってたよ」
「それが何故、花嫁に?」
掃除に来たならまだわかる。掃除は仕事だし好きだ。この、手入れの行き届いてない屋敷を見たら、私なら掃除したいと思うだろう。
問うと、エドアルトは困ったような顔をした。
「話せないなら仕方ないけど……やっぱりちょっと信じられなくて。自分が結婚していたなんて」
「多分、ミオはちょっと勘違いしてると思うんだけど……、花嫁と言っても、愛を誓って結婚式を挙げて……とか、そういう関係ではなかったよ。ミオと伯爵は」
「だ、だよねぇ!?」
水差しを放り出して、私は思わずエドアルトに詰め寄ってしまった。
「おかしいと思った!!」
「でもやっぱり……ミオは伯爵の花嫁だと思うよ」
「だからどうしてそうなるの!?」
私の勢いに押されて、ますますエドアルトが困ったような顔をする。だが、ふと真顔になって、じっと私を見つめた。
「僕には生前妻がいたんだ。国を上げての盛大な式だった」
突然の告白に、少し驚いた。妻帯者というのも驚きだけど、国を上げてというのもすごい。そういえば、リエーフさんが「世界最強の騎士」と言っていた気がする。見た目からは想像できないけど……。
「でも、一言も口をきいたことないし、もう顔すら覚えていない」
「え?」
「家同士が決めただけのことだから。……ミオと伯爵っていつも淡々としてたけど、いつも最終的には相手の為に動いてた。昨日だってそうだ。僕はそういう二人が羨ましい」
「あ、あれは……」
見られていたのか、死霊とのやり取り。
「いつも助けられてばかりだから……フェアじゃないっていうか。それだけのことで」
「伯爵も僕らも、ミオには借りがあるからね。フェアじゃないってことはないと思う」
「だから、それを覚えてないんだもの。他人の功績で恩恵を受けてる気分なの。それに……迷惑掛けただけみたいだし」
「迷惑……か」
エドアルトが、指先を枝葉に伸ばす。その葉から零れた雫は、エドアルトさんの指を擦り抜けて地面に弾ける。
「でもミオだって迷惑なんじゃないの? 好きでこんな屋敷にいるわけじゃないでしょ」
「そんな……ことは」
ないと、はっきり断言できなかった時点で答えは知れている。そんな私を責めることなく、エドアルトさんは儚い笑みを見せた。
「僕らは普通じゃないからさ……生きてないし、結構自分本位だから、ミオに迷惑がられても実はそんなに気にならないんだけどさ。伯爵は普通の人だよ。……ちょっと死人との関わりが強いだけで」
それは普通とは言わない気がするけど。でもエドアルトの言いたいことはわかった。
わかったけど……でも。
「それは、確かに最初は困惑したけど……、私、思ったほどここにいるの嫌じゃない。みんな優しくしてくれるし。でも、だからこそ私も何かしたいの。覚えのない前の私じゃなくて、今の私がやらないと駄目な気がするの」
「……? 前のミオも、今のミオも、同じじゃないの?」
「わからないよ。覚えてないんだもの」
ずっと感じている、居心地の悪さ。
屋敷のみんなが親身にしてくれてるのは、全部記憶にない前の私がやったことのおかげで。
「……今の私には、もう何もできないのかな」
「僕は花の世話をしてもらえて嬉しいよ?」
「ありがとう。少し、元気出た。……よし、草むしりしよう」
放り出した水差しを、片付けるために拾い上げる。
ミハイルさんも、エドアルトみたいに素直に感情を伝えてくれるとわかりやすいんだけどな。けどそんなのもう別人だよね。想像して少し笑いそうになってしまった。
あの人は、何をすれば喜んでくれるのか――気が付けばずっと考えてる。
「ミオ!」
――そんなタイミングで、名を呼ばれるから。心臓が飛び出すかと思った。
「こんなところで何をしている」
「庭の手入れを……」
「馬鹿か! 昨日倒れたんだぞ!?」
初めて会ったときから思ったけど、ちょっと人のことを馬鹿馬鹿言いすぎじゃない?
「もうなんともありません」
「今は何ともなくとも――」
手を掴まれそうになって、咄嗟に避けてしまった。その拍子に、水差しに残っていた水がパシャンと跳ねる。
「……」
「……あ。すみません。わざとでは」
思い切りミハイルさんに水を掛けてしまった。睨みつけてくる視線を水差しでシャットアウトする。……自分だってさんざん人を跳ねのけてるくせに。
「……エドアルト」
「だって、ミオがもう大丈夫だって言うから」
「お前らは疎いだろうが、人は脆い。無理をさせるな」
「でも伯爵も執事も頑丈だし……」
「比べるところが間違っている」
額に手を当てて、ミハイルさんが深く溜息をつく。
「ミオ、お前もお前だ。部屋に戻って休め」
「嫌です」
「な――」
私の答えに、ミハイルさんが絶句する。
心配してくれてるのはわかっている。わかっているけど、つい言い返したくなるような言い方をする方も悪い。と思う。
「だって、嬉しかったんです。いつもいつも、みんな昔の私の話ばかりで、今の私に何も望まないじゃないですか。庭の手入れをして喜んでもらえて嬉しかったんです!」
「……ッ、そんなことは」
「そんなことあるじゃないですか。私が何かする度にいつも馬鹿だのなんだの怒るじゃないですか!」
「それは前からだ!」
「威張って言うことですか!?」
「大体……!」
ひったくるように私から水差しを奪う。視界を遮るものがなくなって、視線がぶつかる。
「大体お前だって、リエーフやエドアルトとは普通に喋る癖に俺には何も言わないだろう!」
「自分だってそうじゃないですか!」
「相変わらず可愛げのない……!」
「相変わらずっていうのやめてくれませんか!?」
「可愛げがない!」
「余計に失礼です!」
止められない売り言葉と買い言葉を続けながら――なんとなくわかってきたことがある。
「……似た者同士だよね、ミオと伯爵は」
所在なく脇にいたエドアルトが、ポソッとそんなことを言う。それは薄々私が気づき始めてきたことと同じだったのだけれど。
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