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第三十二話 ニーナ
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領主邸を出る頃には、夜が明けていた。……長い夜だった。
フェリニ領主は何も言わずに私たちを見送り、ミハイルさんも何も言わなかった。それからすぐに宿を取った。呪印を怖がるのでニーナさんの前では手当てができないし、そんな彼女の家でミハイルさんを休ませるのも気が引けた。
傷を手当てしている途中でミハイルさんは眠ってしまい、それから丸一日経って、翌日の朝になってもまだ目覚めなかった。思わず何度か呼吸を確認してしまった。でも呼吸は穏やかで、それに顔色も、街に来る前より良くなってきた。ちゃんと眠れて良かったのかもしれない。
丸一日ずっと傍についていたけれど、その様子を見てほっとしたら、ニーナさんに馬を預けたままなのを思い出した。ミハイルさんが起きた時に何か食べるものも要るだろうし、帰る用意もしておいた方がいいだろうと思い、外に出る。
街についたとき空に鎮座していた雲は、とっくにどこかに行ってしまったらしい。お屋敷を出たときと同じ、底抜けに青い空の下で見るフェリニの街は、来たときよりもずっと素敵だ。
水路の水は煌めいているし、木造りの家々は、木ならではの温かみがある。ニーナさんもそうだったけど、窓辺に緑を出している家が多い。枯れているものや萎れているものが多かったけど、多分、しばらくすれば花が溢れるようになるだろう。
道は過剰に舗装されすぎておらず、けれどところどころ石畳みになっている。石の色合いで模様になっていて、目が楽しい。いい匂いに釣られてふらりと立ち寄った店に、おいしそうなパンが並んでいたので、リエーフさんから預かっていたお金でいくつか買う。おまけでジャムをつけてもらった。できたてだそうだ。
赤い色と、酸味のある匂いは、ベリーっぽい感じがする。
「実は昨日の朝まで何もやる気にならず、ずっと店を閉めていたんだよ」
運がいいねと、お店のおばさんが笑う。
「夢でも見ていたみたいだ。いいときに来たね、お嬢ちゃん。ゆっくりしていっておくれよ」
ありがとう、とお礼を言って店を出る。昨日の朝というと、領主邸を出た朝だ。街から死霊が消えたからかな。だとしたら良かった。
結局、あの魔法陣が何だったのか、誰が作ったものなのかわからない。
わからないし、死霊そのものは完全に消えたわけじゃないんだろう。謎は残るし、不安も完全に消えたわけじゃない。でも、来たばかりのこの街とは明らかに違う。散歩しているだけでも心が躍るくらい素敵な街だ。
……一人じゃなかったら、もっと良かったんだけどな、なんて。だけど一緒にいたって、どうせ何も喋らないんだろうけど。それでも、隣にいたら違っただろうな。
あまり寄り道していると、目を覚ましてしまうかもしれない。そうしたら心配掛けてしまうかもしれないので、ニーナさんの家まで早足に歩く。そして、扉をノックすると、ニーナさんが顔をのぞかせた。
長い栗色の髪を緩く編んで、白いワンピースが目に眩しい。そして恐ろしく似合っている。
「おはようございます。あの、馬を預かってもらったままだったと思って」
「ミハイルは?」
開口一番それというのがブレないな。
「まだ眠っています」
「そう。あなた、一人で馬を扱えるの?」
「あ……」
ミハイルさんの馬は大人しいし、引いていくくらいはできるんじゃないかと。軽く考えていたけれど、素人の私が扱っても大人しい保証はない。もし暴れ出したりしたら、全く馬の知識のない私ではどうもできない。
「いいわ。連れていってあげる。……あなたと話したいこともあるし」
そう言ってニーナさんが出てきて、家の裏からミハイルさんの馬を連れてくる。そのまま宿に向かって歩き出したニーナさんの後を追う。
「馬たちが脅えなくなった。最近この街がおかしかったのが死霊のせいだったなんて思わなかったわ」
「私もです。きっとミハイルさんも思っていなかったですよ」
「でしょうね。でもこうなると運命を感じるわ」
ニーナさんが目を輝かせる。乙女だなぁ……、死霊にもミハイルさんにもあんなに脅えていたのに、それはもういいんだ。私からすると不思議な思考回路をしている。
「あの、話ってなんですか?」
家を出る前、そんなことを言っていた気がして、聞いてみる。あまり大きな街ではない。もう宿についてしまう。
「そうそう。ねぇ、ミオ」
「はい」
「あなたって別に、ミハイルとそういう関係ではないでしょう?」
「は、はい?」
そういう関係とは、どういう関係か。意味をはかりかねて、返事を戸惑う。
「そういう……とは」
「花嫁っていっても、パートナー的な役割っていうか、そういう感じなんじゃない? 『ミハイルさん』だなんて呼び方もよそよそしいし、ちょっと近付いただけで慌ててるし。それに地下室で彼、契約って言ってたわ。率直に言うと、あなたたち、別に恋愛関係じゃないわよね?」
うっ……、見事にばれている。その通りすぎて何も言い返せずにいると、彼女は私にずい、と詰め寄って、さらに続けた。
「だったらわたしがいてもいいんじゃないの?」
「は、はい?」
「あなたは、死霊使いとしてのあの人の傍にいればいいじゃない。それ以外はわたしにくれてもいいでしょう? これで利害が一致するでしょう? 何か問題ある?」
私の倫理観的には大問題なんだけど。
それ以外って、なんだ、どういうことだ。大体においてだ。
「……本人に聞いてくださいよ、そんなの」
「その前にあなたの意向を聞いてるのよ。いいわよね?」
さらにずいずい詰めよってくるニーナさんになんと言っていいのか。考えている間にも、急かすようにじっと見られて。
「……ほっ……、保留で……!」
どうにかそれだけ答えると。
「保留にするな。良いわけあるか馬鹿」
不機嫌な声に心臓が飛び出しかけた。
こちらに向かって歩いてきたミハイルさんが、ニーナさんから馬の手綱を引ったくる。
「……ニーナ、お前には感謝していることもないではない。だがその借りもこれで返せただろう。もう俺に関わらないでくれ」
「答えてよ。その子はいいの? 好きなら危険に巻きこんだりしないわよね」
「俺が巻き込みたくなくても、こいつが自分から危険に突っ込んでいくんだから仕方ないだろう」
「仕方ない……、ならやっぱり、別に好きなわけではないんでしょ?」
「……そう見えるのか?」
「だって二人の間に甘い空気が一切ないもの!」
ビシッとこちらを指差してニーナさんが叫ぶ。
「人前で出すかそんなもの」
「人前じゃなくても別にないじゃないですか」
誤解されそうなことを言うので思わず突っ込むと、後ろから撃たれたような顔でミハイルさんが私を見る。いや、どうして私が二人の痴話喧嘩のダシにされなきゃいけないのだ。
というわけで多少イライラしていたのだけど。
「いいんだな!?」
それ以上にイライラした様子で怒鳴られる。
何がという前に、抱き上げられてそのまま横座りで馬に乗せられる。
「帰るぞ。俺の花嫁」
誰の声だか一瞬わからないくらい、聞いたこともないほど優しくて……少し甘い響きの声に。びっくりして仰ぎ見た私の、額にかかる髪を、彼の手が掬い上げて。
唇が触れる。
「――――ッッ!!??」
わけのわからない呻き声が漏れた。
「……おでこならまだ勝てそうね」
「うるさい。嫌われたくないんだ」
「うそでしょ……、あなたホントに変わったわ。子供みたい。かっこわる」
二人の会話が、耳には入ってくるけど、ひどく遠くで聞こえている気がする。何が起きたのかわからないまま、両手で額を押さえながら、気がついたら声が出ていた。
「保留は取り消します……だめです……」
蚊の泣くような声だったけど、二人の視線を感じる。
「わかったわ、ミオ」
腕の隙間から見下ろす。ニーナさんがふわりと笑って私を見上げる。何かを振り切ったような、美しく、力強い笑みだった。
「二度と貴方たちの前に現れないであげる」
馬が走り出す。風がニーナさんの髪を巻き上げる。
緑の中に翻る、栗色の髪。彼女が纏った白いワンピース。その鮮やかな色彩の中で、頭の中には黒だけが焼き付いてずっと離れない。
フェリニ領主は何も言わずに私たちを見送り、ミハイルさんも何も言わなかった。それからすぐに宿を取った。呪印を怖がるのでニーナさんの前では手当てができないし、そんな彼女の家でミハイルさんを休ませるのも気が引けた。
傷を手当てしている途中でミハイルさんは眠ってしまい、それから丸一日経って、翌日の朝になってもまだ目覚めなかった。思わず何度か呼吸を確認してしまった。でも呼吸は穏やかで、それに顔色も、街に来る前より良くなってきた。ちゃんと眠れて良かったのかもしれない。
丸一日ずっと傍についていたけれど、その様子を見てほっとしたら、ニーナさんに馬を預けたままなのを思い出した。ミハイルさんが起きた時に何か食べるものも要るだろうし、帰る用意もしておいた方がいいだろうと思い、外に出る。
街についたとき空に鎮座していた雲は、とっくにどこかに行ってしまったらしい。お屋敷を出たときと同じ、底抜けに青い空の下で見るフェリニの街は、来たときよりもずっと素敵だ。
水路の水は煌めいているし、木造りの家々は、木ならではの温かみがある。ニーナさんもそうだったけど、窓辺に緑を出している家が多い。枯れているものや萎れているものが多かったけど、多分、しばらくすれば花が溢れるようになるだろう。
道は過剰に舗装されすぎておらず、けれどところどころ石畳みになっている。石の色合いで模様になっていて、目が楽しい。いい匂いに釣られてふらりと立ち寄った店に、おいしそうなパンが並んでいたので、リエーフさんから預かっていたお金でいくつか買う。おまけでジャムをつけてもらった。できたてだそうだ。
赤い色と、酸味のある匂いは、ベリーっぽい感じがする。
「実は昨日の朝まで何もやる気にならず、ずっと店を閉めていたんだよ」
運がいいねと、お店のおばさんが笑う。
「夢でも見ていたみたいだ。いいときに来たね、お嬢ちゃん。ゆっくりしていっておくれよ」
ありがとう、とお礼を言って店を出る。昨日の朝というと、領主邸を出た朝だ。街から死霊が消えたからかな。だとしたら良かった。
結局、あの魔法陣が何だったのか、誰が作ったものなのかわからない。
わからないし、死霊そのものは完全に消えたわけじゃないんだろう。謎は残るし、不安も完全に消えたわけじゃない。でも、来たばかりのこの街とは明らかに違う。散歩しているだけでも心が躍るくらい素敵な街だ。
……一人じゃなかったら、もっと良かったんだけどな、なんて。だけど一緒にいたって、どうせ何も喋らないんだろうけど。それでも、隣にいたら違っただろうな。
あまり寄り道していると、目を覚ましてしまうかもしれない。そうしたら心配掛けてしまうかもしれないので、ニーナさんの家まで早足に歩く。そして、扉をノックすると、ニーナさんが顔をのぞかせた。
長い栗色の髪を緩く編んで、白いワンピースが目に眩しい。そして恐ろしく似合っている。
「おはようございます。あの、馬を預かってもらったままだったと思って」
「ミハイルは?」
開口一番それというのがブレないな。
「まだ眠っています」
「そう。あなた、一人で馬を扱えるの?」
「あ……」
ミハイルさんの馬は大人しいし、引いていくくらいはできるんじゃないかと。軽く考えていたけれど、素人の私が扱っても大人しい保証はない。もし暴れ出したりしたら、全く馬の知識のない私ではどうもできない。
「いいわ。連れていってあげる。……あなたと話したいこともあるし」
そう言ってニーナさんが出てきて、家の裏からミハイルさんの馬を連れてくる。そのまま宿に向かって歩き出したニーナさんの後を追う。
「馬たちが脅えなくなった。最近この街がおかしかったのが死霊のせいだったなんて思わなかったわ」
「私もです。きっとミハイルさんも思っていなかったですよ」
「でしょうね。でもこうなると運命を感じるわ」
ニーナさんが目を輝かせる。乙女だなぁ……、死霊にもミハイルさんにもあんなに脅えていたのに、それはもういいんだ。私からすると不思議な思考回路をしている。
「あの、話ってなんですか?」
家を出る前、そんなことを言っていた気がして、聞いてみる。あまり大きな街ではない。もう宿についてしまう。
「そうそう。ねぇ、ミオ」
「はい」
「あなたって別に、ミハイルとそういう関係ではないでしょう?」
「は、はい?」
そういう関係とは、どういう関係か。意味をはかりかねて、返事を戸惑う。
「そういう……とは」
「花嫁っていっても、パートナー的な役割っていうか、そういう感じなんじゃない? 『ミハイルさん』だなんて呼び方もよそよそしいし、ちょっと近付いただけで慌ててるし。それに地下室で彼、契約って言ってたわ。率直に言うと、あなたたち、別に恋愛関係じゃないわよね?」
うっ……、見事にばれている。その通りすぎて何も言い返せずにいると、彼女は私にずい、と詰め寄って、さらに続けた。
「だったらわたしがいてもいいんじゃないの?」
「は、はい?」
「あなたは、死霊使いとしてのあの人の傍にいればいいじゃない。それ以外はわたしにくれてもいいでしょう? これで利害が一致するでしょう? 何か問題ある?」
私の倫理観的には大問題なんだけど。
それ以外って、なんだ、どういうことだ。大体においてだ。
「……本人に聞いてくださいよ、そんなの」
「その前にあなたの意向を聞いてるのよ。いいわよね?」
さらにずいずい詰めよってくるニーナさんになんと言っていいのか。考えている間にも、急かすようにじっと見られて。
「……ほっ……、保留で……!」
どうにかそれだけ答えると。
「保留にするな。良いわけあるか馬鹿」
不機嫌な声に心臓が飛び出しかけた。
こちらに向かって歩いてきたミハイルさんが、ニーナさんから馬の手綱を引ったくる。
「……ニーナ、お前には感謝していることもないではない。だがその借りもこれで返せただろう。もう俺に関わらないでくれ」
「答えてよ。その子はいいの? 好きなら危険に巻きこんだりしないわよね」
「俺が巻き込みたくなくても、こいつが自分から危険に突っ込んでいくんだから仕方ないだろう」
「仕方ない……、ならやっぱり、別に好きなわけではないんでしょ?」
「……そう見えるのか?」
「だって二人の間に甘い空気が一切ないもの!」
ビシッとこちらを指差してニーナさんが叫ぶ。
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「人前じゃなくても別にないじゃないですか」
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というわけで多少イライラしていたのだけど。
「いいんだな!?」
それ以上にイライラした様子で怒鳴られる。
何がという前に、抱き上げられてそのまま横座りで馬に乗せられる。
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誰の声だか一瞬わからないくらい、聞いたこともないほど優しくて……少し甘い響きの声に。びっくりして仰ぎ見た私の、額にかかる髪を、彼の手が掬い上げて。
唇が触れる。
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「うるさい。嫌われたくないんだ」
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二人の会話が、耳には入ってくるけど、ひどく遠くで聞こえている気がする。何が起きたのかわからないまま、両手で額を押さえながら、気がついたら声が出ていた。
「保留は取り消します……だめです……」
蚊の泣くような声だったけど、二人の視線を感じる。
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腕の隙間から見下ろす。ニーナさんがふわりと笑って私を見上げる。何かを振り切ったような、美しく、力強い笑みだった。
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