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第二十八話 再会
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無我夢中で走って、どこをどう走ったのかもわからない。
「大丈夫か?」
声をかけられて、それでようやく我に返る。ずっと走り続けていたつもりだったけれど、気が付いたら座り込んでいた。ここは――ミハイルさんの部屋。
「そうだ、ミハイルさん、怪我……」
肩を負傷していたのを思い出して声を上げる。その頃にはもう、彼は自分で止血を始めていた。せめて手伝おうとしたのだが、手が震えてうまく動かせそうにない。それに気づいたのか、ミハイルさんは止血の手を止めないまま「いい」と短く突っぱねた。
「今から幽霊除けの結界を作る。俺の部屋はとくに幽霊に干渉されにくくなっているから、お前はここにいろ」
「ここに……一人で、ですか?」
「二人でいてもどうしようもないだろうが」
それはそうだ。頭ではわかっている。ここに二人でいたって助けは来ないだろうし、傷の手当すら満足にできないこんな状態では、一緒に行っても邪魔になるだけ。でもだからって。
「無理です……!」
まだ足が震えている。怖くて壁に近寄れない。強がることさえ忘れて、私は首を横に振った。ミハイルさんは怒るか諭すかすると思っていたけれど、意外にも「そうか」と言っただけだった。そして、床に座りこんだままの私の隣に腰を下ろした。
「……良かった。実は俺も一人で行くのは怖かった」
「ミハイルさん……」
驚いて名を呼ぶと、彼はふっと力無く笑った。
「参ったな。お前が強がってくれないと、俺も強がれないじゃないか」
ふと見れば、ミハイルさんの手も震えている。
それを見て――私もやっと、落ち着けた。ゆっくりと、何度か深呼吸する。
「こんな状況で平気でいられる人なんて、いません」
「それはそうかもな」
ククッとミハイルさんが笑う。それを見て私も笑った。無理にでも笑っていないと気持ちが折れる。でも不思議なもので、そうして笑い合っているうちに震えは止まった。
「どうするつもりなんですか」
ミハイルさんが私をここに残して、何をしようとしていたのか。きっと無策で飛び出すつもりではなかったはずだ。
「この異変の原因を突き止めなければ。とりあえずリエーフを探そうと思う。それに、さっきは咄嗟に逃げてしまったが、あの幽霊は扉に封じないと駄目だ」
「足手まといですよね。私」
「そうだな。だが俺一人だったら、何とかしようとすらしなかった気がする。だから……その、なんだ。お前がいて良かったと思う」
顔を上げると、闇色の瞳が私をまっすぐに見下ろしていた。
「今更だが礼を言う。お前が来なければ、俺は多分……ずっと、何もしないままだった」
そんな風に、急に改まられると、調子が狂う。それに、本当にそれで良かったのかもわからない。
「で、でも。私のせいで、したくないことまでさせてるんじゃないかと」
「さあ、どうだろうな。だが何もしなければしたいことも見つからない。だからやはりお前には感謝している。なのに、済まないな。こんなことに巻き込んで……」
「そんな……、私は、何も。今だって、何もできないし……」
「……今も。あんなに疎ましかったこの力も、結局お前がいるからあって良かったと初めて思った。せめてもの詫びだ。お前のことは俺が守る。必ず」
「ミハイル……さん」
何か……言わなきゃと思うのに。どうしよう。どうして。顔が熱くて、言葉が何も……出て来ない。
「……あーーーーーーーーーーーーっもういい加減にしろーーーーーーーーーーーっ!!」
――とそのとき、突然部屋の奥で大声がして、私もミハイルさんも飛び上がろうかというくらいに驚いた。しかしその声に聞き覚えがあることに気づいて、立ち上がる。
「ライサ!?」
「ライサ、無事だったのね!」
「無事に見える!? 突然幽霊たちが暴れ出して自分もおかしくなるんじゃないかって怯えながら必死に逃げてここに隠れて出ていくこともできなくて震えてたら、突然この状況で余裕ぶっかましてイチャつき出すアンタたちが現れて出ていくタイミングを失くしたこのあたしが無事に見えるのね!?」
「良かった!!」
ぎゅっとライサの小さな体を抱きしめる。
「ちょっと、子供扱いしないで! あたしはアンタよりずっと年上……!」
そう言ってもがくライサの声は、だけど尻すぼみしていく。その体が震え始めるのはすぐだった。
「……怖かった……怖かったよぉ……っ!!」
無理もない。こんな状況で、よく一人で耐えたものだと思う。それにライサも幽霊だ。
自分もあんな風に我を忘れてしまうのではないかと、それも恐ろしかっただろう。
だが、ミハイルさんはライサの肩を掴むと説明を求めて口を開いた。
「ライサ……酷なことを言うようだが、何があったか教えてくれ」
「教えたところで、アンタにこの状況をどうにかできるの? もう終わりよ、この屋敷も、あたしたちも。あたしたちなんか放っておいて早く逃げればいいじゃないの」
「そうしたいのは山々だがな、屋敷は俺を逃がす気はないらしい。ミオも巻き込んでしまった……おかげで屋敷と共に滅びることもできなくなった」
「……それはそうね。ミオにはあたしも借りがあるわ」
手にしたぬいぐるみを抱きしめて、ライサがうなずく。その顔にもう涙はないし、体ももう震えていない。
「でもね、あたしにもよくわからない。アンタたちが出かけたから、あたしはここでいつものように本を読んでた。でも外でものすごい音や、叫び声がして。お兄様が心配になって部屋を出たの。そしたら……屋敷の幽霊たちが、……殺しあっていた。あたしたちは互いに触れられないはずなのに、爪を立てて、噛みついて、首を絞めて……あちこち血だらけで。あたしたちに血なんて流れてないはずなのに!」
一度は落ち着いたライサだったけれど、喋りながらまた興奮したように両手で頭を抱えて叫ぶ。そんなところを見てしまったら、私だってそうなる。とても落ち着いてなんかいられそうにない。
「……よく話してくれた。リエーフがどこにいるかわからないか?」
「見ていないわ。お兄様を探そうとしたけれど、ここに逃げ込むので精一杯だった。正気の幽霊には誰にも会っていない。……だから」
ライサはそこで言葉を止めると、覚悟を決めるように深呼吸した。そうして口を開きかけた彼女の頭を、ミハイルさんが軽くこづく。
「……お前が正気なら、他にも正気の幽霊がいるかもしれない。探してみよう」
頷いて、私とライサもミハイルさんの後に続く。
ライサと一緒にならここで待てるかもしれない。そうも思ったけれど、ミハイルさんもライサもそれを口にしなかったのは……、ライサも正気を失い、私を襲わないとは限らないからだ。
私、見たくない。あんな風に、人を襲うライサなんて。
それに、ミハイルさんが戦って傷つくのも……見たくない。
祈るように手を組むと、仄かに指輪が光った気がした。
「あれ、今指輪が……」
「どうしたの?」
ライサが不思議そうにのぞき込む頃には、もう光は収まっていた。見間違いだったのだろうか。
「とりあえず、周囲に気配はないようだが……」
扉を開けて、周りを伺うミハイルさんがそう口にする。その声を塗って、何かがぶつかるような音が聞こえる。
「この音……中庭から?」
「エドアルト兄さまだわ!」
感覚でわかるのだろうか。ライサがそう叫んで、宙を滑って行く。
「待てライサ! 一人で先に行くな!」
ミハイルさんが制止するも、ライサには聞こえなかったらしい。私たちと会って落ち着いたからか、エドアルトさんが心配だからか、一人壁を抜けて行ってしまう。壁を通れない私たちには追い付けない。
「中庭に行くぞ。はぐれるなよ」
そう言って、ミハイルさんが私の手を握る。その手は冷たかったけど、大きくて、……心強いし安心する。私が頷くと、ミハイルさんは中庭に向かって駆け出した。
「大丈夫か?」
声をかけられて、それでようやく我に返る。ずっと走り続けていたつもりだったけれど、気が付いたら座り込んでいた。ここは――ミハイルさんの部屋。
「そうだ、ミハイルさん、怪我……」
肩を負傷していたのを思い出して声を上げる。その頃にはもう、彼は自分で止血を始めていた。せめて手伝おうとしたのだが、手が震えてうまく動かせそうにない。それに気づいたのか、ミハイルさんは止血の手を止めないまま「いい」と短く突っぱねた。
「今から幽霊除けの結界を作る。俺の部屋はとくに幽霊に干渉されにくくなっているから、お前はここにいろ」
「ここに……一人で、ですか?」
「二人でいてもどうしようもないだろうが」
それはそうだ。頭ではわかっている。ここに二人でいたって助けは来ないだろうし、傷の手当すら満足にできないこんな状態では、一緒に行っても邪魔になるだけ。でもだからって。
「無理です……!」
まだ足が震えている。怖くて壁に近寄れない。強がることさえ忘れて、私は首を横に振った。ミハイルさんは怒るか諭すかすると思っていたけれど、意外にも「そうか」と言っただけだった。そして、床に座りこんだままの私の隣に腰を下ろした。
「……良かった。実は俺も一人で行くのは怖かった」
「ミハイルさん……」
驚いて名を呼ぶと、彼はふっと力無く笑った。
「参ったな。お前が強がってくれないと、俺も強がれないじゃないか」
ふと見れば、ミハイルさんの手も震えている。
それを見て――私もやっと、落ち着けた。ゆっくりと、何度か深呼吸する。
「こんな状況で平気でいられる人なんて、いません」
「それはそうかもな」
ククッとミハイルさんが笑う。それを見て私も笑った。無理にでも笑っていないと気持ちが折れる。でも不思議なもので、そうして笑い合っているうちに震えは止まった。
「どうするつもりなんですか」
ミハイルさんが私をここに残して、何をしようとしていたのか。きっと無策で飛び出すつもりではなかったはずだ。
「この異変の原因を突き止めなければ。とりあえずリエーフを探そうと思う。それに、さっきは咄嗟に逃げてしまったが、あの幽霊は扉に封じないと駄目だ」
「足手まといですよね。私」
「そうだな。だが俺一人だったら、何とかしようとすらしなかった気がする。だから……その、なんだ。お前がいて良かったと思う」
顔を上げると、闇色の瞳が私をまっすぐに見下ろしていた。
「今更だが礼を言う。お前が来なければ、俺は多分……ずっと、何もしないままだった」
そんな風に、急に改まられると、調子が狂う。それに、本当にそれで良かったのかもわからない。
「で、でも。私のせいで、したくないことまでさせてるんじゃないかと」
「さあ、どうだろうな。だが何もしなければしたいことも見つからない。だからやはりお前には感謝している。なのに、済まないな。こんなことに巻き込んで……」
「そんな……、私は、何も。今だって、何もできないし……」
「……今も。あんなに疎ましかったこの力も、結局お前がいるからあって良かったと初めて思った。せめてもの詫びだ。お前のことは俺が守る。必ず」
「ミハイル……さん」
何か……言わなきゃと思うのに。どうしよう。どうして。顔が熱くて、言葉が何も……出て来ない。
「……あーーーーーーーーーーーーっもういい加減にしろーーーーーーーーーーーっ!!」
――とそのとき、突然部屋の奥で大声がして、私もミハイルさんも飛び上がろうかというくらいに驚いた。しかしその声に聞き覚えがあることに気づいて、立ち上がる。
「ライサ!?」
「ライサ、無事だったのね!」
「無事に見える!? 突然幽霊たちが暴れ出して自分もおかしくなるんじゃないかって怯えながら必死に逃げてここに隠れて出ていくこともできなくて震えてたら、突然この状況で余裕ぶっかましてイチャつき出すアンタたちが現れて出ていくタイミングを失くしたこのあたしが無事に見えるのね!?」
「良かった!!」
ぎゅっとライサの小さな体を抱きしめる。
「ちょっと、子供扱いしないで! あたしはアンタよりずっと年上……!」
そう言ってもがくライサの声は、だけど尻すぼみしていく。その体が震え始めるのはすぐだった。
「……怖かった……怖かったよぉ……っ!!」
無理もない。こんな状況で、よく一人で耐えたものだと思う。それにライサも幽霊だ。
自分もあんな風に我を忘れてしまうのではないかと、それも恐ろしかっただろう。
だが、ミハイルさんはライサの肩を掴むと説明を求めて口を開いた。
「ライサ……酷なことを言うようだが、何があったか教えてくれ」
「教えたところで、アンタにこの状況をどうにかできるの? もう終わりよ、この屋敷も、あたしたちも。あたしたちなんか放っておいて早く逃げればいいじゃないの」
「そうしたいのは山々だがな、屋敷は俺を逃がす気はないらしい。ミオも巻き込んでしまった……おかげで屋敷と共に滅びることもできなくなった」
「……それはそうね。ミオにはあたしも借りがあるわ」
手にしたぬいぐるみを抱きしめて、ライサがうなずく。その顔にもう涙はないし、体ももう震えていない。
「でもね、あたしにもよくわからない。アンタたちが出かけたから、あたしはここでいつものように本を読んでた。でも外でものすごい音や、叫び声がして。お兄様が心配になって部屋を出たの。そしたら……屋敷の幽霊たちが、……殺しあっていた。あたしたちは互いに触れられないはずなのに、爪を立てて、噛みついて、首を絞めて……あちこち血だらけで。あたしたちに血なんて流れてないはずなのに!」
一度は落ち着いたライサだったけれど、喋りながらまた興奮したように両手で頭を抱えて叫ぶ。そんなところを見てしまったら、私だってそうなる。とても落ち着いてなんかいられそうにない。
「……よく話してくれた。リエーフがどこにいるかわからないか?」
「見ていないわ。お兄様を探そうとしたけれど、ここに逃げ込むので精一杯だった。正気の幽霊には誰にも会っていない。……だから」
ライサはそこで言葉を止めると、覚悟を決めるように深呼吸した。そうして口を開きかけた彼女の頭を、ミハイルさんが軽くこづく。
「……お前が正気なら、他にも正気の幽霊がいるかもしれない。探してみよう」
頷いて、私とライサもミハイルさんの後に続く。
ライサと一緒にならここで待てるかもしれない。そうも思ったけれど、ミハイルさんもライサもそれを口にしなかったのは……、ライサも正気を失い、私を襲わないとは限らないからだ。
私、見たくない。あんな風に、人を襲うライサなんて。
それに、ミハイルさんが戦って傷つくのも……見たくない。
祈るように手を組むと、仄かに指輪が光った気がした。
「あれ、今指輪が……」
「どうしたの?」
ライサが不思議そうにのぞき込む頃には、もう光は収まっていた。見間違いだったのだろうか。
「とりあえず、周囲に気配はないようだが……」
扉を開けて、周りを伺うミハイルさんがそう口にする。その声を塗って、何かがぶつかるような音が聞こえる。
「この音……中庭から?」
「エドアルト兄さまだわ!」
感覚でわかるのだろうか。ライサがそう叫んで、宙を滑って行く。
「待てライサ! 一人で先に行くな!」
ミハイルさんが制止するも、ライサには聞こえなかったらしい。私たちと会って落ち着いたからか、エドアルトさんが心配だからか、一人壁を抜けて行ってしまう。壁を通れない私たちには追い付けない。
「中庭に行くぞ。はぐれるなよ」
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