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ギルド
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そろそろ街に戻ろうとしたところで気付いた。
あれ?ドロップ品確認してないのでは?と。
倒した時に通知があったような気がするのだが、倒せた喜びで全く気付いていなかった。
「ミル、ドロップ品見た?」
「あっ、見てなかったの!」
「おいおい、敵を倒したらドロップ品確認するのは基本だろ…?」
面目ない。
リアの言ってることも確かなのだ。
とりあえず、メニューの項目を探し、【アイテムボックス】というところを見ることにした。
そこには確かに、スライムがドロップした『スライムの粘液』の他に、様々なものが入っていた。
狼の爪の他、皮膚や肉が入っていた。
だが、その中には頭が入っており、何に使うのかは全くわからなかった。
ちなみに個数は爪が6、皮膚が7、肉が14、頭が1個だった。
頭の個数が少ないのは、狼には頭が1個しか無いからだろう。
私が頭を持っていると言うなら、ミルにはドロップしていないような気がする。
「ミルは何がドロップした?」
「爪が3で、皮膚が9、お肉が11なの」
「んー、リリの覗いてたけど肉が多くドロップしてるな!何でだろうなぁ」
「いや、リアからドロップしたものなの!不快感とか感じないの?」
「不思議なことに一切感じないんだよなぁ。あれ、暴走してただけだし。何か狼の皮?みたいなの纏ってる感じだったから、あたしにまではほとんどダメージ行ってないしなー」
そんなことは寝耳に水である。
皮を纏っていた…?中までは響いていない、と。
不思議なものである。リアが狼化のスキルを持っていたから、あれはリアだと思っていた。
というか、さっきよりさらに視線を感じる。
ぐさっ、と、視線が刺さるような感じだ。さすがに勘違いでは無い気がする。
「早く戻ろう」
そうぽつりと零してしまうと、2人は意味がわかっていない様子だったが、頷いてくれた。
私はこの居心地の悪い空間から一刻も早く抜け出したいのである。
すこしばかし急いだからか、すぐに街についた。
入るところには門があり、門兵さんがいた。
門に近付いていくと、
「待て」
と声がかかった。そりゃそうだ。
自由に入っていいよーみたいなスタンスなら、門兵さんはいないのだ。
だが、門兵さんが発したのは予想外の言葉だった。
「なぜお前が妖精を引き連れている?妖精は人の街に滅多に現れない、希少な種族だぞ」
えっ。その言葉を聞いた途端に私は固まった。
妖精は希少種族…?人の街に現れない?
いやいや、最初から一緒だったんですけど。
なぜ草原に行く時は声がかからなかったのだろうか。
ミルは心当たりがあるようで、あわあわとしていた。
「おい、聞いているんだ。これは重要なことだ。早く答えろ」
「高圧的な態度だな。なんかむかつく」
そう、リアがぽつりと言った。
ミルはその門兵さんの言葉で我に帰ったようだ。
「別に、何でもいいの。リリとは運命を感じたから、テイムモンスターとして一緒にいるの!人の街に現れないのは、人間は危ない人達だから、どうしてもって言う時以外では行かないように里で言い伝えられてたからなの。」
「妖精様からお言葉を頂けるとは…感激だ。
…ん?なぜ人間は危ない奴だと認定されているのだ?」
「そこまでは、私にはわからないの。おかぁさんからそう言われただけだから。
あの、街に入りたいんだけど入っていいの?」
「あぁ、構わない。この者が妖精様達を無理やり従えるようなプレイヤーでないことはわかったからな。
あと、これは重要なことだから上に報告させてもらう。いいな?」
「私はいいの。だけど、リリとリアに迷惑かけないでほしいの」
「それはもちろんだ」
そういって、門兵さんは門を開けてくれた。
まさか、ミルが妖精だったから止められていたなんて。ミルとは、最初から一緒にいたから、珍しい、だなんて思いもしなかった。
だが、珍しい種族だったと思えば合点は行く。
街中で妖精を見なかったのは妖精が珍しかったから。
おそらく、ミルが異様に強いのも珍しい種族だったからなのか?
それはわからない。
「ほんと、なんだあの門兵。
高圧的に一々癪に障る言動ばっかしやがって」
「まぁまぁ、落ち着くの。確かにちょっといらっとは来たけど…門兵さんってあんな人ばかりなのかな?」
「そんなことはないと思うけど。まぁ、あんな人ばかりだとは信じたくないね」
「そういや、ドロップ品ってどこで売れるんだろうな。やっぱり、あの大きな建物のギルドか?」
大きな建物なんてあったのか。
初めて知った。確かに、最初にこの世界に降り立った場所から見えるのだが、視野が狭かったらしい。
全く気付かなかった。
「そうっぽいの。早く行ってみるの!」
ミルに連れられて、私達はギルドへと急ぐ。
街の中心にあるようで、そんなに時間はかからなかった。
中へ入ると、人でごった返ししていた。
そんな中でも、特に長蛇の列が出来ているところをちらっと見てみる。
受付カウンターは、たくさんあるのだが、その中でも特に美人な受付嬢が受付しているところだった。
よく見ると並んでいるのは男が9割ほどいた。
この世界でも男が美人に惹かれるのは同じか。
空いているところを探してみる。
たくさん受付カウンターがあるのだ。空いているところはあるはず。
案の定、空いているところがあった。
空いているどころではない。1人も並んでいなかった。
受付をしているところは妙に顔が厳つい男の人だった。
やっぱり、外見で人を判断する人が多いようだ。
私達はその受付カウンターに行く。
「すいません、ギルドってどうやって利用するんですか?」
「あぁ?人が来るとは珍しい。1ヶ月間誰も来やしなかったのに…嬉しいものだな。
それで、ギルドの使い方か?まず、ギルドに登録しなくちゃダメだな。登録してないと利用すら出来ねぇ」
「じゃあ、登録をお願いするの!」
「おー、妖精とは珍しい。登録だな。ちょっと待ってろ。なぁ嬢ちゃん、あんたはテイマーか?」
「はい、そうです。」
「じゃ、こいつらはあんたがテイムしたやつらか、全部で3人、わかった」
「なんかさっきのやつとは違って優しそうな気配がするんだぞ」
と、リアが小声で行ってきた。
何にもないように言っていた、1ヶ月間誰も来なかったって、だいぶキツいものだぞ。
よく受付やめなかったな。
「はい、取ってきたぞ。
この紙に書いてあるものに答えて、魔力を流せば登録完了だ。」
この紙に書いてあるものはよくあるものだ。
名前、職業、種族を書けばいいだけだった。
これならすぐに終わる。
私達はさっと書き終わり、魔力を流した。
普通なら魔力の扱い方がわからないものだが、なぜだか身体でわかった。
ゲーム補正だろうか。
「はい、どうぞ」
「どれどれ…あぁ、完了だな。
このカードに今のレベルやギルドランクが出るから、なくすなよ。なくしたら再発行に時間がかかる」
そういって、厳ついおっちゃんは、よくあるカードキーを渡してきた。
「あぁ、あと、プレイヤーだから3000リネ渡しておく。考えて使えよ」
この世界の通貨であろうリネをもらった。
最初にお金を持っていなかったのはギルドに登録すれば貰えたからなのか。
「ミル、リア。カードはアイテムボックスに入れたほうがいいと思う」
「あぁ、そうだな。アイテムボックスに入れとこう」
私もアイテムボックスにカードをしまうと、厳ついおっちゃんにお礼を告げて『買取窓口』と書いてあるところに行った。
「すみません、買取をお願いしたいんですけど」
「はい、買取ですね!この机に素材を置いてください」
対応してくれたのは癒し系の女性だった。
言われた通りに素材を置く。
「ミルも置きな」
「うん!」
ミルも、机に素材を置いた。
結構な量だ。大半を占めているのはスライムの粘液か。
粘液って言うくらいだからそのまま出てくるのではと思っていたが、瓶に詰まって出てきた。
よかった。液体のまま出てきたら洒落にならない。
「はい、全部纏めて12000リネですね!あそこのフィールドボスの素材は珍しいのでだいぶ高くなっています。お受け取りください」
そういって女性から12000リネ受け取った。
これでギルドに来た要件は終わった。
あれ?ドロップ品確認してないのでは?と。
倒した時に通知があったような気がするのだが、倒せた喜びで全く気付いていなかった。
「ミル、ドロップ品見た?」
「あっ、見てなかったの!」
「おいおい、敵を倒したらドロップ品確認するのは基本だろ…?」
面目ない。
リアの言ってることも確かなのだ。
とりあえず、メニューの項目を探し、【アイテムボックス】というところを見ることにした。
そこには確かに、スライムがドロップした『スライムの粘液』の他に、様々なものが入っていた。
狼の爪の他、皮膚や肉が入っていた。
だが、その中には頭が入っており、何に使うのかは全くわからなかった。
ちなみに個数は爪が6、皮膚が7、肉が14、頭が1個だった。
頭の個数が少ないのは、狼には頭が1個しか無いからだろう。
私が頭を持っていると言うなら、ミルにはドロップしていないような気がする。
「ミルは何がドロップした?」
「爪が3で、皮膚が9、お肉が11なの」
「んー、リリの覗いてたけど肉が多くドロップしてるな!何でだろうなぁ」
「いや、リアからドロップしたものなの!不快感とか感じないの?」
「不思議なことに一切感じないんだよなぁ。あれ、暴走してただけだし。何か狼の皮?みたいなの纏ってる感じだったから、あたしにまではほとんどダメージ行ってないしなー」
そんなことは寝耳に水である。
皮を纏っていた…?中までは響いていない、と。
不思議なものである。リアが狼化のスキルを持っていたから、あれはリアだと思っていた。
というか、さっきよりさらに視線を感じる。
ぐさっ、と、視線が刺さるような感じだ。さすがに勘違いでは無い気がする。
「早く戻ろう」
そうぽつりと零してしまうと、2人は意味がわかっていない様子だったが、頷いてくれた。
私はこの居心地の悪い空間から一刻も早く抜け出したいのである。
すこしばかし急いだからか、すぐに街についた。
入るところには門があり、門兵さんがいた。
門に近付いていくと、
「待て」
と声がかかった。そりゃそうだ。
自由に入っていいよーみたいなスタンスなら、門兵さんはいないのだ。
だが、門兵さんが発したのは予想外の言葉だった。
「なぜお前が妖精を引き連れている?妖精は人の街に滅多に現れない、希少な種族だぞ」
えっ。その言葉を聞いた途端に私は固まった。
妖精は希少種族…?人の街に現れない?
いやいや、最初から一緒だったんですけど。
なぜ草原に行く時は声がかからなかったのだろうか。
ミルは心当たりがあるようで、あわあわとしていた。
「おい、聞いているんだ。これは重要なことだ。早く答えろ」
「高圧的な態度だな。なんかむかつく」
そう、リアがぽつりと言った。
ミルはその門兵さんの言葉で我に帰ったようだ。
「別に、何でもいいの。リリとは運命を感じたから、テイムモンスターとして一緒にいるの!人の街に現れないのは、人間は危ない人達だから、どうしてもって言う時以外では行かないように里で言い伝えられてたからなの。」
「妖精様からお言葉を頂けるとは…感激だ。
…ん?なぜ人間は危ない奴だと認定されているのだ?」
「そこまでは、私にはわからないの。おかぁさんからそう言われただけだから。
あの、街に入りたいんだけど入っていいの?」
「あぁ、構わない。この者が妖精様達を無理やり従えるようなプレイヤーでないことはわかったからな。
あと、これは重要なことだから上に報告させてもらう。いいな?」
「私はいいの。だけど、リリとリアに迷惑かけないでほしいの」
「それはもちろんだ」
そういって、門兵さんは門を開けてくれた。
まさか、ミルが妖精だったから止められていたなんて。ミルとは、最初から一緒にいたから、珍しい、だなんて思いもしなかった。
だが、珍しい種族だったと思えば合点は行く。
街中で妖精を見なかったのは妖精が珍しかったから。
おそらく、ミルが異様に強いのも珍しい種族だったからなのか?
それはわからない。
「ほんと、なんだあの門兵。
高圧的に一々癪に障る言動ばっかしやがって」
「まぁまぁ、落ち着くの。確かにちょっといらっとは来たけど…門兵さんってあんな人ばかりなのかな?」
「そんなことはないと思うけど。まぁ、あんな人ばかりだとは信じたくないね」
「そういや、ドロップ品ってどこで売れるんだろうな。やっぱり、あの大きな建物のギルドか?」
大きな建物なんてあったのか。
初めて知った。確かに、最初にこの世界に降り立った場所から見えるのだが、視野が狭かったらしい。
全く気付かなかった。
「そうっぽいの。早く行ってみるの!」
ミルに連れられて、私達はギルドへと急ぐ。
街の中心にあるようで、そんなに時間はかからなかった。
中へ入ると、人でごった返ししていた。
そんな中でも、特に長蛇の列が出来ているところをちらっと見てみる。
受付カウンターは、たくさんあるのだが、その中でも特に美人な受付嬢が受付しているところだった。
よく見ると並んでいるのは男が9割ほどいた。
この世界でも男が美人に惹かれるのは同じか。
空いているところを探してみる。
たくさん受付カウンターがあるのだ。空いているところはあるはず。
案の定、空いているところがあった。
空いているどころではない。1人も並んでいなかった。
受付をしているところは妙に顔が厳つい男の人だった。
やっぱり、外見で人を判断する人が多いようだ。
私達はその受付カウンターに行く。
「すいません、ギルドってどうやって利用するんですか?」
「あぁ?人が来るとは珍しい。1ヶ月間誰も来やしなかったのに…嬉しいものだな。
それで、ギルドの使い方か?まず、ギルドに登録しなくちゃダメだな。登録してないと利用すら出来ねぇ」
「じゃあ、登録をお願いするの!」
「おー、妖精とは珍しい。登録だな。ちょっと待ってろ。なぁ嬢ちゃん、あんたはテイマーか?」
「はい、そうです。」
「じゃ、こいつらはあんたがテイムしたやつらか、全部で3人、わかった」
「なんかさっきのやつとは違って優しそうな気配がするんだぞ」
と、リアが小声で行ってきた。
何にもないように言っていた、1ヶ月間誰も来なかったって、だいぶキツいものだぞ。
よく受付やめなかったな。
「はい、取ってきたぞ。
この紙に書いてあるものに答えて、魔力を流せば登録完了だ。」
この紙に書いてあるものはよくあるものだ。
名前、職業、種族を書けばいいだけだった。
これならすぐに終わる。
私達はさっと書き終わり、魔力を流した。
普通なら魔力の扱い方がわからないものだが、なぜだか身体でわかった。
ゲーム補正だろうか。
「はい、どうぞ」
「どれどれ…あぁ、完了だな。
このカードに今のレベルやギルドランクが出るから、なくすなよ。なくしたら再発行に時間がかかる」
そういって、厳ついおっちゃんは、よくあるカードキーを渡してきた。
「あぁ、あと、プレイヤーだから3000リネ渡しておく。考えて使えよ」
この世界の通貨であろうリネをもらった。
最初にお金を持っていなかったのはギルドに登録すれば貰えたからなのか。
「ミル、リア。カードはアイテムボックスに入れたほうがいいと思う」
「あぁ、そうだな。アイテムボックスに入れとこう」
私もアイテムボックスにカードをしまうと、厳ついおっちゃんにお礼を告げて『買取窓口』と書いてあるところに行った。
「すみません、買取をお願いしたいんですけど」
「はい、買取ですね!この机に素材を置いてください」
対応してくれたのは癒し系の女性だった。
言われた通りに素材を置く。
「ミルも置きな」
「うん!」
ミルも、机に素材を置いた。
結構な量だ。大半を占めているのはスライムの粘液か。
粘液って言うくらいだからそのまま出てくるのではと思っていたが、瓶に詰まって出てきた。
よかった。液体のまま出てきたら洒落にならない。
「はい、全部纏めて12000リネですね!あそこのフィールドボスの素材は珍しいのでだいぶ高くなっています。お受け取りください」
そういって女性から12000リネ受け取った。
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