職業:テイマーの私はテイムモンスターの妖精とVRゲームを満喫する

らる

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四天王が1人、テン封印へ

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 ゲームとかでよく出てくる展開──四天王の封印が思い浮かんだ。
 確かに、封印ならば大丈夫……だよね?
 それが1番ここで被害を出さずに済む方法かも。
 でも、封印ってどうやるんだろう。悪魔さんに聞けばわかるかな?

 ───の前にっ!テンの攻撃が激しい!
 だけど、テンの攻撃は少し単調なのだ。何度も避け続けると分かってきた。だから、パターンが分かってきてる今、悪魔さんに聞いてみよう!
 悪魔さん!封印の方法を知りませんか!?

 ────ほう。私に助けを乞うとな?わかっておるではないか。仕方ない、あれに至る資格を持っておるのだからサービスしてやろう。
 封印は自身の魔力──MP──を込めて行うものだ。まぁ、私も前々から四天王の封印には興味があった。協力してやろう。

 わかった。私はなにをすればいい?

 ────【終焉へ導ク者アンハッピーエンド】を使え。あれの代償はできる限り取り除く。そうだな、大体残りHPが12くらいになると思うが。頼んだぞ。タイミングは任せる。

 悪魔さんって知恵袋じゃん。
 あー、あれを使うのね。でもさぁ、出来る限り代償を取り除いて12……代償ってやっぱり重いんだね?
 まぁいいや。ちゃっちゃかやっちゃお。

 テンがこっちの間合いに入り込んだ瞬間──直感が働く。今使えと、そう訴えるかのように。

「──【終焉へ導ク者アンハッピーエンド】」

「あ…やめて…お願い、殺さないで…何でも、何でもするから、改心するから…だから、お願い…………うぅ、そうだ!この子達を盾に……!」

「「えっ!?」」

 テンは瞬間移動──おそらくだけど、を使ってミル達を呼び寄せる。

「ミル、リア!?あ…!止まって!お願い…!」

「「あっ…!」」

 その瞬間、倒されたことを示すエフェクトが辺りに現れる。

 え……こんなの、おかしい…おかしいよ!なんで、なんで…!うぅ……だったら封印なんてしなければよかった…こんなのでも、封印はきちんと成功している…ミル達のことを、守りたいと思ったのに、守れなかった………

 悪魔さんが言っていた通りに、私のHPは12だけ残った。だけど…ミル達がいなければ、HPが残ったってなんの意味もない。

 だったら、死に戻ろうか。
 私は大槌を微妙に壁から離し、こちらに倒れ込むようにする。
 その隙に自分自身は大槌が倒れ込む先に寝転び、頭が潰されるように位置を調整した。

 …ちょっと怖いから、目を瞑ろう。
 私はぎゅっと目を瞑る。
 しばらくすると大槌はこっちに倒れ込んできて、私の残りHPは呆気なく散った。



 死に戻ると、嬉しいことにそこにいた。
 だけど、リアがそこにいない…やっぱり、テイムモンスターは死んでも生き返らない…?でも、ミルはそこにいた。これはどういうことだ?
 テイムモンスターが死んでも生き返らないなら、ミルも生き返ってないはず。

 ……もしかして、1番最初のテイムモンスターだから?だとしたら納得は出来る。

 の前に、伝えなければ。

「おかえり」

「ただいま、なの!あのね、リリ…リアは…?」

「…わからない、だけど、ここにいないことを考えると、もう生き返らないのかもしれない…」

 そのことを告げると、ミルは私に抱きついてきた。
 そしてそのまま、顔を隠すように泣き始めた。

「なんで…なんでなの…?私は生き返ったのに、リアは生き返らないなんて…だったら、私が死んだ方がよかった…!短い時間だったけど、とっても楽しかった!このまま3人で一緒にいられたらいいと思ってた!なのに…リアがいなきゃ、寂しいよ…初めて友達が出来たって嬉しかったのに!うぅ…だから、お願い…冗談だよって、出てきてほしい!また、3人で一緒にいたいよ…」

 私が死んだ方がよかった…その言葉は違う、2人が生き残ってほしかった。そう伝えたいのだけれど。

 私もつられて泣き出してしまう。
 今回ばかしは怒りより、悲しみの方が勝ってる…
 しばらく2人で泣き続けると、涙が収まってくる。

 そこで、私は気になっていたことをミルに聞いてみる。

「ミル達を連れて行った人って誰か覚えてる…?」

「…うん。元はと言えばこの人が原因だもん。絶対に、絶対に許さない…フィアちゃん…優しい人だと思ったのに…」

 …え?フィアなの…?
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