21 / 28
蘇生の手がかりはあるのだろうか
しおりを挟む
とりあえずすぐに返信して待ち合わせ場所を決める。
私からは1時間後に待ち合わせようと伝えたので少し時間に余裕があるんだよね。
…どうしようかな。
リアを蘇生させる方法でも探すかな?
そう、諦めたことではあるんだけど…おかしいんだよね。
テイムモンスターを主力として戦うのがテイマー使役職。それがその主力を1回、たった1回失っただけで完全に消え去ると言うのは────あまりにも前衛とのパワーバランスが崩壊する。
だったら、それを埋めるなにかがあるはず───それが、蘇生だと思うんだ。
少しでも。1%でも可能性があるのならば………私はそれに賭けてみようと思うんだ。
『また、3人で一緒にいたいよ…』
その言葉が、私の胸に刺さった。
さっきミルはこう言っていた。初めて友達が出来て嬉しかったって。つまり、友達は未だにいなかった…それは、ミルの故郷と関係があるんだろうね。
ふっ、と息が漏れる。
その瞬間、急に雨が降り始め、大きな水溜まりをあっという間に作ってゆく。
そう。それはまるで、今の私の心のよう──
その水溜まりに写った私の顔は、今にも泣きそうで、それでいて諦めているような顔だった。
…おかしいな。こんな顔、してる自覚はないんだけどな──
ミルが今近くにいなくてよかったと、心の底から思う。
そう、今は別行動中なのだ。
…さてと、1度ギルドに行って素材を売ってくるかな。ミルも呼び戻して。しんみりした空気じゃ、せっかくのVRゲームも楽しめないもの!
◆◇◆
相変わらずギルドは混んでいる。
はぁ。ここでも男ってやーねー。明らかに美人の人のところばっか並んで。
美人な受付嬢なんて顔が少し引きつってるよ。
多分、人手不足だから採用された新人さんなんだろうな……かわいそうに。
前に受付してもらったいかついおっちゃんに並んでいる人は1人もいなかった。
だからそこに並ぶ。
ミルはギルドに興味津々だ。
「ふわぁ…すごいの!すごいの…!」
つい笑みが漏れてしまう。
「…それで?なんの用事だ?」
「忘れてた…ギルドランクを上げに来たんだけど」
そう。ギルドランクも上げとこうかなって。
「そうか。じゃあ訓練場に来い」
「…なんで?訓練場…?」
「あー、ギルドランク上げるのは戦いが必要なんだよ。採取特化で戦いはダメって言うのも困りもんだからなぁ。今はそんなに欲しいのもねぇし。」
「そうなんだ!ねぇねぇ、私も戦っていいの?」
「いーや、テイムモンスターは駄目だな。本人の力で戦わねぇと意味がないだろ?」
ニヤッと笑うおっちゃん。
…まぁ今は私のほうがミルより強いし。
でも1時間で終わらなそうだなぁ。
少しメッセいれとこ。逃げられたら困るし。
ふぇー、地下にあるんだ。
まぁ地下のほうがいいよねぇ。ロマンがあって。
…へぇ!?
エレベーターってあるんだ!?
この世界にまであるなんて…すごいね!
っと。着いたみたいだねぇ。
「ギルドランク上げの希望者だ。頼んだぞ」
…ざわざわしてる。
「あのダイスさんが!?」
「マジか!?最近仕事ねぇんだよなーって落ち込んでたのに!?」
……おっちゃんどれだけ人気ないの?かわいそ…
◇◆◇
まず1回戦は"リース・エンネーファ"って人だ。
立候補制で誰が担当するか決めるらしい。
ちなみにこの人は弱い方だそうだ。
ギルドランクはG・F・E・D・C-・C・B-・B・B+・A-・A・A+・Sとかなーり細かく分かれている。めんどくさそ。
でもそれによって受けれる依頼の幅も変わるらしいし受けといたほうが得だよね。後々に関わってきそうだし。
とりあえず今できる所まで行きたいな。
ちなみに相手は衝撃を肩代わりしてくれる装備を付けていて、その耐久値──どれだけ肩代わりしてくれるのか──を破壊すればいいんだって。
それと、ふつーに装備を付けていいらしい。
それはいいね。だけど、最初は短剣かなぁ。
大槌使ったら耐久値貫通しちゃうきがする。
……だから、癪だけど…フィアから買ったこの短剣。使わせてもらおうかな。
「よろしく」
「あぁ、こちらこそよろしくな」
『それでは……はじめっ!』
まず最初に相手に接近する。
あえてわかりやすいように軌道を読ませる。そうするとその通りに避けてくれるから。
リースさんは思った通りに避けてくれる…だから、そこを狙って…
「【ステップウェポン】!」
この試合、もちろんスキルは使っていいのだ。
終わった後はMPポーションがもらえる。
HPポーションは必要がない。だってこっちも肩代わりしてくれるのを付けてるから。
それは、防御力から計算されてのダメージを受ける量が違う…
だからこそ、圧倒的火力で押し通す!
「【覚醒の兆し】!」
「!?」
ふふっ、何が来るのかって警戒してる…
「スキルは、目に見えてわかりやすいもの以外もあるんだよっ!」
そのまま、リースさんに攻撃を当てる。
してやられたって顔をしてるね。
だけど、これで終わり。
「【怒りの導き】」
至近距離で放たれる雷は、リースさんを集中攻撃する。
雷を特定の1人に集中させることも出来るのだ。
『終了!勝者リリ!敗者キース!!』
わっと辺りに歓声が広がる。
…疲れたなぁ。けど、まだあるんだよね…
もう次から大槌使おっか…
私からは1時間後に待ち合わせようと伝えたので少し時間に余裕があるんだよね。
…どうしようかな。
リアを蘇生させる方法でも探すかな?
そう、諦めたことではあるんだけど…おかしいんだよね。
テイムモンスターを主力として戦うのがテイマー使役職。それがその主力を1回、たった1回失っただけで完全に消え去ると言うのは────あまりにも前衛とのパワーバランスが崩壊する。
だったら、それを埋めるなにかがあるはず───それが、蘇生だと思うんだ。
少しでも。1%でも可能性があるのならば………私はそれに賭けてみようと思うんだ。
『また、3人で一緒にいたいよ…』
その言葉が、私の胸に刺さった。
さっきミルはこう言っていた。初めて友達が出来て嬉しかったって。つまり、友達は未だにいなかった…それは、ミルの故郷と関係があるんだろうね。
ふっ、と息が漏れる。
その瞬間、急に雨が降り始め、大きな水溜まりをあっという間に作ってゆく。
そう。それはまるで、今の私の心のよう──
その水溜まりに写った私の顔は、今にも泣きそうで、それでいて諦めているような顔だった。
…おかしいな。こんな顔、してる自覚はないんだけどな──
ミルが今近くにいなくてよかったと、心の底から思う。
そう、今は別行動中なのだ。
…さてと、1度ギルドに行って素材を売ってくるかな。ミルも呼び戻して。しんみりした空気じゃ、せっかくのVRゲームも楽しめないもの!
◆◇◆
相変わらずギルドは混んでいる。
はぁ。ここでも男ってやーねー。明らかに美人の人のところばっか並んで。
美人な受付嬢なんて顔が少し引きつってるよ。
多分、人手不足だから採用された新人さんなんだろうな……かわいそうに。
前に受付してもらったいかついおっちゃんに並んでいる人は1人もいなかった。
だからそこに並ぶ。
ミルはギルドに興味津々だ。
「ふわぁ…すごいの!すごいの…!」
つい笑みが漏れてしまう。
「…それで?なんの用事だ?」
「忘れてた…ギルドランクを上げに来たんだけど」
そう。ギルドランクも上げとこうかなって。
「そうか。じゃあ訓練場に来い」
「…なんで?訓練場…?」
「あー、ギルドランク上げるのは戦いが必要なんだよ。採取特化で戦いはダメって言うのも困りもんだからなぁ。今はそんなに欲しいのもねぇし。」
「そうなんだ!ねぇねぇ、私も戦っていいの?」
「いーや、テイムモンスターは駄目だな。本人の力で戦わねぇと意味がないだろ?」
ニヤッと笑うおっちゃん。
…まぁ今は私のほうがミルより強いし。
でも1時間で終わらなそうだなぁ。
少しメッセいれとこ。逃げられたら困るし。
ふぇー、地下にあるんだ。
まぁ地下のほうがいいよねぇ。ロマンがあって。
…へぇ!?
エレベーターってあるんだ!?
この世界にまであるなんて…すごいね!
っと。着いたみたいだねぇ。
「ギルドランク上げの希望者だ。頼んだぞ」
…ざわざわしてる。
「あのダイスさんが!?」
「マジか!?最近仕事ねぇんだよなーって落ち込んでたのに!?」
……おっちゃんどれだけ人気ないの?かわいそ…
◇◆◇
まず1回戦は"リース・エンネーファ"って人だ。
立候補制で誰が担当するか決めるらしい。
ちなみにこの人は弱い方だそうだ。
ギルドランクはG・F・E・D・C-・C・B-・B・B+・A-・A・A+・Sとかなーり細かく分かれている。めんどくさそ。
でもそれによって受けれる依頼の幅も変わるらしいし受けといたほうが得だよね。後々に関わってきそうだし。
とりあえず今できる所まで行きたいな。
ちなみに相手は衝撃を肩代わりしてくれる装備を付けていて、その耐久値──どれだけ肩代わりしてくれるのか──を破壊すればいいんだって。
それと、ふつーに装備を付けていいらしい。
それはいいね。だけど、最初は短剣かなぁ。
大槌使ったら耐久値貫通しちゃうきがする。
……だから、癪だけど…フィアから買ったこの短剣。使わせてもらおうかな。
「よろしく」
「あぁ、こちらこそよろしくな」
『それでは……はじめっ!』
まず最初に相手に接近する。
あえてわかりやすいように軌道を読ませる。そうするとその通りに避けてくれるから。
リースさんは思った通りに避けてくれる…だから、そこを狙って…
「【ステップウェポン】!」
この試合、もちろんスキルは使っていいのだ。
終わった後はMPポーションがもらえる。
HPポーションは必要がない。だってこっちも肩代わりしてくれるのを付けてるから。
それは、防御力から計算されてのダメージを受ける量が違う…
だからこそ、圧倒的火力で押し通す!
「【覚醒の兆し】!」
「!?」
ふふっ、何が来るのかって警戒してる…
「スキルは、目に見えてわかりやすいもの以外もあるんだよっ!」
そのまま、リースさんに攻撃を当てる。
してやられたって顔をしてるね。
だけど、これで終わり。
「【怒りの導き】」
至近距離で放たれる雷は、リースさんを集中攻撃する。
雷を特定の1人に集中させることも出来るのだ。
『終了!勝者リリ!敗者キース!!』
わっと辺りに歓声が広がる。
…疲れたなぁ。けど、まだあるんだよね…
もう次から大槌使おっか…
0
あなたにおすすめの小説
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ
タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。
灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。
だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。
ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。
婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。
嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。
その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。
翌朝、追放の命が下る。
砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。
――“真実を映す者、偽りを滅ぼす”
彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。
地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
ヒロインは敗北しました
東稔 雨紗霧
ファンタジー
王子と懇ろになり、王妃になる玉の輿作戦が失敗して証拠を捏造して嵌めようとしたら公爵令嬢に逆に断罪されたルミナス。
ショックのあまり床にへたり込んでいると聞いた事の無い音と共に『ヒロインは敗北しました』と謎の文字が目の前に浮かび上がる。
どうやらこの文字、彼女にしか見えていないようで謎の現象に混乱するルミナスを置いてきぼりに断罪はどんどん進んでいき、公爵令嬢を国外追放しようとしたルミナスは逆に自分が国外追放される事になる。
「さっき、『私は優しいから処刑じゃなくて国外追放にしてあげます』って言っていたわよね?ならわたくしも優しさを出して国外追放にしてさしあげるわ」
そう言って嘲笑う公爵令嬢の頭上にさっきと同じ音と共に『国外追放ルートが解放されました』と新たな文字が現れた。
豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる