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1章
剣戟の果てに
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ルメールは銃を向けて撃とうとするも私の剣の方が速い。とっさに銃身で剣を受けて弾き、構えるも遅い。ルメールは両足に負傷を増やした。冒険者ルメールは膝をつき、息も荒くなっている。超至近戦である白刃戦において銃は通用しない。彼は左腕と両足にダメージを受け、とても戦える状況ではなくなった。私としては殺人に手を染めたくはない。甘い考えであるかもしれないが、人間である以上はその一線は越えるべきではないと本能が知らせている。
「強いな……だが、俺は銃がなくてもまだまだやれるぞ。我が剣撃無双を食らうがいい。」
目の前にいる満身創痍のはずの彼は、次の瞬間には背後にいた。私の足からは鮮血が流れる。ルメールの持つ剣は、私の血を啜るかのように赤い輝きを放っていた。剣筋が全く見えなかった。ここまでしてなぜ動くことが出来るんだ。彼はその手に持つ剣をこちらに向ける。
「俺はこれだけなんだ。これだけで生きてきた。俺のこの剣が、肉体が朽ち果てたくらいで折れるわけがないだろう。さあ剣を取れ、続きだ。」
赤い剣は私の懐に飛び込むべく構える。私は両手で剣を握った、掌は汗ばむ。よく見るんだ、よく観察すれば何かが分かるはずだ。何も分からなかった。ダメだった、気づいた時には傷を負わされていた。このまま受けに徹していれば消耗を強いられるのは私だ。ならば攻めて攻めて攻めきらねばならない。
お互いに銀の弾丸を残してはいるが宝の持ち腐れ。両者の負傷は甚大、このような身体で用いれば反動で使用者も只では済まない。次の瞬間であった、冒険者ルメールは倒れ、地に伏した。体力に限界が来ており、先の負傷により血を流しすぎたようだ。倒れている彼は、腕を震わせながら辛うじて動く。掌から転がるのは白い球、煙玉だ。たちまちその一帯は煙に包まれて、煙が晴れる頃には彼はいなくなっていた。依頼の内容は、討伐または確保である。仕方ない、一旦報告に戻ろう。
冒険者支援機関の建物の前までやってきた。はじめは、私が命をかけることになるのは迷宮の中だけであると思っていた。まさか迷宮の外で命のやり取りをすることになるとは想定外。冒険者達をそこまで駆り立てるモノは一体何なのであろう。ここ都市ヴァロンに、ここの迷宮に一体何があるというんだろう。迷宮の謎を解き明かすためただ純粋に打ち込めばよいものとばかり思っていたのだが。しかし眠たいな、今私はどこにいるんだっけ、ああこの階段に腰掛ければ気持ちよく眠れそうだああ木の階段もこうなれば気持ち良いベッドそのものだなどうやら私は気を失ったようだ。
幾らもの時間が経ったであろう。私の目の前に広がるのは天井であった。
「あ、おいコロンや、ようやっと目が覚めたみたいだよ。」
アンナの宿元締めのアンナの声がする。ということはここはアンナの宿なのか。いやこの部屋は見覚えがある。ここは私の部屋だ。
「良かった、目を覚まされたのですね。アンナさんがあなたを見つけてくれたのですよ。無事で何よりです。」
私はコロンに初心者の迷宮での一部始終を報告した。
「なるほど、仔細分かりました。まず依頼の件ですが報酬は支払わせていただきます。確かに目的は達成できずの結果ですが、撃退は成功し、事態の収拾には至りました。ですのでご安心ください。そして冒険者ルメールですか。その冒険者は待ち伏せによる奇襲を実行するため迷宮を占拠したのではないかと言うのですね?」
コロンは難しい顔をしている
「ということは狙われていたのは……。あぁ、いえいえ。何でもないです。此度の件ありがとうございました。暫くは傷を癒していただけたらと思います。」
「強いな……だが、俺は銃がなくてもまだまだやれるぞ。我が剣撃無双を食らうがいい。」
目の前にいる満身創痍のはずの彼は、次の瞬間には背後にいた。私の足からは鮮血が流れる。ルメールの持つ剣は、私の血を啜るかのように赤い輝きを放っていた。剣筋が全く見えなかった。ここまでしてなぜ動くことが出来るんだ。彼はその手に持つ剣をこちらに向ける。
「俺はこれだけなんだ。これだけで生きてきた。俺のこの剣が、肉体が朽ち果てたくらいで折れるわけがないだろう。さあ剣を取れ、続きだ。」
赤い剣は私の懐に飛び込むべく構える。私は両手で剣を握った、掌は汗ばむ。よく見るんだ、よく観察すれば何かが分かるはずだ。何も分からなかった。ダメだった、気づいた時には傷を負わされていた。このまま受けに徹していれば消耗を強いられるのは私だ。ならば攻めて攻めて攻めきらねばならない。
お互いに銀の弾丸を残してはいるが宝の持ち腐れ。両者の負傷は甚大、このような身体で用いれば反動で使用者も只では済まない。次の瞬間であった、冒険者ルメールは倒れ、地に伏した。体力に限界が来ており、先の負傷により血を流しすぎたようだ。倒れている彼は、腕を震わせながら辛うじて動く。掌から転がるのは白い球、煙玉だ。たちまちその一帯は煙に包まれて、煙が晴れる頃には彼はいなくなっていた。依頼の内容は、討伐または確保である。仕方ない、一旦報告に戻ろう。
冒険者支援機関の建物の前までやってきた。はじめは、私が命をかけることになるのは迷宮の中だけであると思っていた。まさか迷宮の外で命のやり取りをすることになるとは想定外。冒険者達をそこまで駆り立てるモノは一体何なのであろう。ここ都市ヴァロンに、ここの迷宮に一体何があるというんだろう。迷宮の謎を解き明かすためただ純粋に打ち込めばよいものとばかり思っていたのだが。しかし眠たいな、今私はどこにいるんだっけ、ああこの階段に腰掛ければ気持ちよく眠れそうだああ木の階段もこうなれば気持ち良いベッドそのものだなどうやら私は気を失ったようだ。
幾らもの時間が経ったであろう。私の目の前に広がるのは天井であった。
「あ、おいコロンや、ようやっと目が覚めたみたいだよ。」
アンナの宿元締めのアンナの声がする。ということはここはアンナの宿なのか。いやこの部屋は見覚えがある。ここは私の部屋だ。
「良かった、目を覚まされたのですね。アンナさんがあなたを見つけてくれたのですよ。無事で何よりです。」
私はコロンに初心者の迷宮での一部始終を報告した。
「なるほど、仔細分かりました。まず依頼の件ですが報酬は支払わせていただきます。確かに目的は達成できずの結果ですが、撃退は成功し、事態の収拾には至りました。ですのでご安心ください。そして冒険者ルメールですか。その冒険者は待ち伏せによる奇襲を実行するため迷宮を占拠したのではないかと言うのですね?」
コロンは難しい顔をしている
「ということは狙われていたのは……。あぁ、いえいえ。何でもないです。此度の件ありがとうございました。暫くは傷を癒していただけたらと思います。」
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