22 / 195
焦燥の章
お前がそれを言う?
しおりを挟む
デリカシーないとか言われたって、お前がそれを言う?って感じた。
だってこいつ、芙美とつるんで俺をデブらせてモデルやめさせようというのを手伝ったりハゲ薬の実験に俺を利用してたりしたんだぞ。そんな奴がデリカシーとか、どういうことだよ?
とは思うものの、それについては敢えて口にしなかった。それはまた別の問題だしな。相田も、『やれやれ』って感じで頭を掻きながらも、
「ま、梁川くんがデリカシーないのは芙美も分かってるしね。分かってて好きなんだから、私がとやかく言うことじゃないか」
そう言って、
「私は自分でも惚れっぽい性格だと思うよ。相手に脈がないって思ったらすぐ冷めるしさ。でも、同時に、っていうのは、偏見だよ。そこは否定させてもらう。同時に何人もの男の子が好きになってたのは、小学校の頃まで」
って、同時に好きになってたこともあったのかよ!?
と思ったのも喉まで出かけてなんとか飲み込んで、話に耳を傾ける。
「でもその上で、小学校の頃の話をさせてもらうんだったら、なんて言うか、私が『イイ♡』と感じる部分を、それぞれちょっとずつ持ってたからかな」
「ちょっとずつ……?」
「うん。それを全部一人の男の子が持っててくれたら、それを全部持ってるのがいてくれたら、私は一人だけを好きになれたんだよね。でもさ、小学生の男の子って、ヤッパ、ガキじゃん? いいなって思うところあっても別の面じゃイマイチに感じたりしてさ、だから一人に絞れなかったんだよね」
「……そういうもんなのか…?」
「他のコのことは知らないよ。私がそうだったってだけ。だからもし、芙美が梁川くん以外に誰かのことをもし『いいな』って思ってるんだったら、それは、梁川くんにないものがその人にはあるってことじゃないの?」
「ななな…っ! 俺は別に芙美のことを言ってんじゃ……!」
そうだ、俺は別に芙美のこととして聞いたわけじゃない。なのに、なんでこいつ、ピンポイントに芙美の話してんだよ!? そしたら相田は、すっごい悪そうな顔をして、
「あんたがあたしに好きだのなんだので訊いてくる内容が芙美絡み以外なわけないじゃん。バレッバレなんだよ! このイケメンのフリしたコミュ障が!」
勝ち誇ったような態度で腕を組んで胸を張ってた。
「ぐ……っ!」
言い返してやろうと思ったのに、何も言葉にならない。完全に見透かされてる。くそお……!
自分でもどうしていいか分かんなくて拳を握りしめるしかできなくて、そんな俺に相田はまた言ったんだ。
「でもさ、私がさっき言った通りでさ、芙美があんた以外の誰かに『いいな』って思ってることがあっても、それはたぶん、テレビの向こうのアイドルとかを『いいな』って思ってるのと同じ程度の話だと思うよ」
だってこいつ、芙美とつるんで俺をデブらせてモデルやめさせようというのを手伝ったりハゲ薬の実験に俺を利用してたりしたんだぞ。そんな奴がデリカシーとか、どういうことだよ?
とは思うものの、それについては敢えて口にしなかった。それはまた別の問題だしな。相田も、『やれやれ』って感じで頭を掻きながらも、
「ま、梁川くんがデリカシーないのは芙美も分かってるしね。分かってて好きなんだから、私がとやかく言うことじゃないか」
そう言って、
「私は自分でも惚れっぽい性格だと思うよ。相手に脈がないって思ったらすぐ冷めるしさ。でも、同時に、っていうのは、偏見だよ。そこは否定させてもらう。同時に何人もの男の子が好きになってたのは、小学校の頃まで」
って、同時に好きになってたこともあったのかよ!?
と思ったのも喉まで出かけてなんとか飲み込んで、話に耳を傾ける。
「でもその上で、小学校の頃の話をさせてもらうんだったら、なんて言うか、私が『イイ♡』と感じる部分を、それぞれちょっとずつ持ってたからかな」
「ちょっとずつ……?」
「うん。それを全部一人の男の子が持っててくれたら、それを全部持ってるのがいてくれたら、私は一人だけを好きになれたんだよね。でもさ、小学生の男の子って、ヤッパ、ガキじゃん? いいなって思うところあっても別の面じゃイマイチに感じたりしてさ、だから一人に絞れなかったんだよね」
「……そういうもんなのか…?」
「他のコのことは知らないよ。私がそうだったってだけ。だからもし、芙美が梁川くん以外に誰かのことをもし『いいな』って思ってるんだったら、それは、梁川くんにないものがその人にはあるってことじゃないの?」
「ななな…っ! 俺は別に芙美のことを言ってんじゃ……!」
そうだ、俺は別に芙美のこととして聞いたわけじゃない。なのに、なんでこいつ、ピンポイントに芙美の話してんだよ!? そしたら相田は、すっごい悪そうな顔をして、
「あんたがあたしに好きだのなんだので訊いてくる内容が芙美絡み以外なわけないじゃん。バレッバレなんだよ! このイケメンのフリしたコミュ障が!」
勝ち誇ったような態度で腕を組んで胸を張ってた。
「ぐ……っ!」
言い返してやろうと思ったのに、何も言葉にならない。完全に見透かされてる。くそお……!
自分でもどうしていいか分かんなくて拳を握りしめるしかできなくて、そんな俺に相田はまた言ったんだ。
「でもさ、私がさっき言った通りでさ、芙美があんた以外の誰かに『いいな』って思ってることがあっても、それはたぶん、テレビの向こうのアイドルとかを『いいな』って思ってるのと同じ程度の話だと思うよ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザのお嬢は25人の婚約者に迫られてるけど若頭が好き!
タタミ
恋愛
関東最大の極道組織・大蛇組組長の一人娘である大蛇姫子は、18歳の誕生日に父から「今年中に必ず結婚しろ」と命じられる。
姫子の抵抗虚しく、次から次へと夫候補の婚約者(仮)が現れては姫子と見合いをしていくことに。
しかし、姫子には子どもの頃からお目付け役として世話をしてくれている組員・望月大和に淡い恋心を抱き続けていて──?
全25人の婚約者から真実の愛を見つけることはできるのか!?今、抗争より熱い戦いの幕が上がる……!!
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる