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焦燥の章
ボンボンキャラを演じてる
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「……」
俺は、絡んでくる北条を無視して素通りした。そんな俺に対しても、北条は、
「やれやれ、ここまで言われて歯向かってもこないとか、君にはほんとに覇気というものが感じられないね。とんだ腰抜けだよ」
とさらに煽ってくる。けど俺は、もう北条のことなんか気にしてる余裕もなかった。氷山に比べればこいつなんてほんとに雑魚だと思う。実際、こいつは、取り巻きは多いが友達はそんなにいないのが丸分かりだった。いつも取り巻きに囲まれてるから本人は気付いてないかもしれないけど、学校のほとんどの生徒が実はこいつのことはコメディアンみたいに思ってるらしいんだ。
ボンボンキャラを演じてるコメディアン。って感じで。
「北条ってさ、典型的な中身がないイケメンなんだよ。見た目はイケてても、成績だってトップレベルってわけじゃないし、人間性もアレだし、金持ちってもそれは親の金で本人が稼いだわけじゃないじゃん。将来は社長っても、どんなもんなんだか……」
相田がそう言ってた。自分でも『惚れっぽい』って言うくらいの相田がそこまで言うくらいなんだから、よっぽどだと思う。
だから、ただの高校教師だと言ってもしっかり社会人として働いてて結果も出しててっていう氷山の方がずっとすげえよ。
でも、そう思えば思うほど、俺に勝ち目がない気がして……
トイレを済ませて芙美と一緒に弁当を食うためにいつもの場所へ。ただ、俺と芙美のいつもの場所も、最近は他の生徒にも知られてしまって、何組かのカップルが弁当食ったりイチャイチャしてたりで、なんだか落ち着かない。
それでも芙美は、
「はい、涼くん、あ~ん♡」
他の奴らの存在なんか歯牙にもかけずに満面の笑顔で俺に手作り弁当を食べさせようとしてる。以前のような<地獄のハイカロリー弁当>じゃなくなっても、やっぱり美味いこいつの弁当は、<地獄のハイカロリー弁当>じゃなくなったからこそ安心して食える。
<地獄のハイカロリー弁当>を俺に食わせようとしてたのは、俺をデブらせて他の女からは見向きもされないようにして独り占めするためだったらしい芙美。
だけど俺が芙美以外の女になんて興味ないってのがようやく伝わったのか、それとも、
『若いうちにあんましデブらせると、中年以降はそれこそ生活習慣病のリスクが高まる』
と誰かに忠告された(どうやらホントにそうらしい)のか、やめてくれた。
「涼くんにはいつまでも元気でいてもらわないとヤだからね。デブってもハゲても私は平気だけど、病気になってほしいわけじゃないから」
そんな風にも言ってたんだ。
俺は、絡んでくる北条を無視して素通りした。そんな俺に対しても、北条は、
「やれやれ、ここまで言われて歯向かってもこないとか、君にはほんとに覇気というものが感じられないね。とんだ腰抜けだよ」
とさらに煽ってくる。けど俺は、もう北条のことなんか気にしてる余裕もなかった。氷山に比べればこいつなんてほんとに雑魚だと思う。実際、こいつは、取り巻きは多いが友達はそんなにいないのが丸分かりだった。いつも取り巻きに囲まれてるから本人は気付いてないかもしれないけど、学校のほとんどの生徒が実はこいつのことはコメディアンみたいに思ってるらしいんだ。
ボンボンキャラを演じてるコメディアン。って感じで。
「北条ってさ、典型的な中身がないイケメンなんだよ。見た目はイケてても、成績だってトップレベルってわけじゃないし、人間性もアレだし、金持ちってもそれは親の金で本人が稼いだわけじゃないじゃん。将来は社長っても、どんなもんなんだか……」
相田がそう言ってた。自分でも『惚れっぽい』って言うくらいの相田がそこまで言うくらいなんだから、よっぽどだと思う。
だから、ただの高校教師だと言ってもしっかり社会人として働いてて結果も出しててっていう氷山の方がずっとすげえよ。
でも、そう思えば思うほど、俺に勝ち目がない気がして……
トイレを済ませて芙美と一緒に弁当を食うためにいつもの場所へ。ただ、俺と芙美のいつもの場所も、最近は他の生徒にも知られてしまって、何組かのカップルが弁当食ったりイチャイチャしてたりで、なんだか落ち着かない。
それでも芙美は、
「はい、涼くん、あ~ん♡」
他の奴らの存在なんか歯牙にもかけずに満面の笑顔で俺に手作り弁当を食べさせようとしてる。以前のような<地獄のハイカロリー弁当>じゃなくなっても、やっぱり美味いこいつの弁当は、<地獄のハイカロリー弁当>じゃなくなったからこそ安心して食える。
<地獄のハイカロリー弁当>を俺に食わせようとしてたのは、俺をデブらせて他の女からは見向きもされないようにして独り占めするためだったらしい芙美。
だけど俺が芙美以外の女になんて興味ないってのがようやく伝わったのか、それとも、
『若いうちにあんましデブらせると、中年以降はそれこそ生活習慣病のリスクが高まる』
と誰かに忠告された(どうやらホントにそうらしい)のか、やめてくれた。
「涼くんにはいつまでも元気でいてもらわないとヤだからね。デブってもハゲても私は平気だけど、病気になってほしいわけじゃないから」
そんな風にも言ってたんだ。
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