YOU BECAME SO…

せんのあすむ

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第二幕

正義ぶった悪意

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 映画の方は、完成まではまだもう少しかかるけど、それは編集と、確かエフェクトってのを加えるだけだから、後は監督さんや編集スタッフの仕事なだけで、俺はできることがない。一応、映画の告知イベントには駆り出されるそうで、そっちの予定は押さえられてる。

 正直、なんだかな~って感じだ。撮影は終わったんだからそっとしておいてほしいって気もするんだ。最終、完成試写会ってのと、映画公開当日の挨拶もあるらしいのが、厳しい。それも勘弁してほしいよなという本音もありつつ、でもこれも仕事か。仕事ならちゃんとやらないとな。

 なんてことを始業式の間に考えてたら、帰り際、相田が、

「ねえねえ! これって涼くんの映画のことじゃない!?」

 俺と芙美が一緒にいたところに来て、スマホの画面を見せてきた。そこには、

『人気ヒーロー系アクション俳優。共演の女子高生をお持ち帰りか!?』

 って見出しの記事が。

「え!? 何!? どういうこと!?」

 芙美が慌てて自分も同じ記事をスマホに表示させて、俺に見せてきた。読むと、俺が主演のあの映画の撮影の打ち上げん時に千裕さんを送ってってくれた俳優の人、牧内まきうちさん?が、千裕さんと一緒にホテル街にいたっていう記事で、ホテルの脇で二人が車を降りて何か笑顔でしゃべってる写真が。

 千裕さんには目線が入ってたけど、俳優の人の方はそのまんまで。

「これ、涼くんと共演してた千裕さんって人だよね?」

 芙美がそう言うくらい、知ってる人が見たら丸分かりな写真だった。

『どういうことだ、これ……?』

 俺が唖然としてると、相田が、

「でもこれ、別にホテルに出入りしてるって写真じゃないよね? それにラブホだったら自動車でそのまんま入れるのが多いって聞くし、なんでホテルの脇でわざわざ車降りて話してんの? なんか不自然じゃね?」

「確かに……有名人だったらそれこそもっと気を付けるよね……」

 芙美も言うように、俺もあの二人って現場じゃそういう感じはまったくなかった。千裕さんは、この俳優の人のことを尊敬はしてるらしいけど、この俳優さん、現場じゃ話題は奥さんと子供さんのことばっかりで、共演者やスタッフの女の人に対してもそれは同じで、ぜんぜん、他の女の人に興味持ってる感じがなかったんだ。千裕さんを車で送ってくれるってなった時も、千裕さんの事務所までで自宅に送ったわけじゃないらしいし。

 なのに記事の中では、

『ヒーローにあるまじきこの行為は、ファンの子供達の目にはどのように映るのだろうか?』

 って、すごく正義ぶった悪意に満ちた書き方がされてたんだ。

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