ミコナとかぷせるあにまるず

せんのあすむ

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ミコナに対してやってきたことそのもの

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ルリアがそうやって優しい嘘を吐くのは当然ミコナのためでもありました。彼女の前で父親を口汚く罵る母親の姿を見せたくなかったからです。

だってもう自分の死ぬのだと言われたようなものですからね。いくら強がっていても本当は怖くて怖くて仕方がないんです。いくら魂が帰ってくることがある世界だと思っても、だからって死ぬのが平気になるわけじゃありません。生きていた時と同じように人間として普通に暮らせるわけじゃないんですから。

『動くことのない依代に宿って、夢の中でお話ができるかもしれない』

というだけなんです。それさえ『必ずそうなる』という保証は何もありません。

『強い未練があれば、そして生きている人の強い想いがあればそうなれるかもしれない』

というだけでしかない。

その程度の、確実な話でも確実な話でもないんです。

しかも運よく帰ってこられたとしても、ハカセに触れることもミコナを抱きしめることもできない。

今と同じではまったくいられない。そんなの嬉しいはずがありませんよね。

今の在り方が嫌だと感じているのなら逆に幸いにも感じてしまうかもしれませんけどルリアはハカセとミコナとの<普通の暮らし><平凡な毎日>こそが幸せなんです。今の暮らしを生き方を在り方を変えたいわけじゃない。そんなことは望んでいない。

なのに無理やりそれを変えられてしまう。

それが不幸でないなら何なのでしょう?

その現実に打ちのめされ、ルリアは正気を失いそうでさえありました。それを大変な精神力で押さえつけているだけなんです。

ハカセとミコナのために。彼女にとってハカセとミコナは、それができる、そうしたいと思える相手でした。

そうじゃなかったらきっと当たり散らしていたでしょうね。

だけどルリアがそうやって自分の感情を押さえつけているのは、ハカセだけじゃなくミコナにも分かってしまっていたのでしょう。

「ママ……」

ミコナはすごく甘えてきて、しかもそれだけじゃなくて、ルリアの体を撫でてくれたりたくさんたくさん話しかけてきたんです。

だからこそルリアも自分を抑えることができたというのもあるのかもしれません。こんなにも自分を想ってくれる、労ってくれる、支えようとしてくれるミコナがいるからこそ、彼女の姿に慰められるからこそ、耐えることができたというのもあるでしょう。

そしてそれはルリアとハカセが赤ちゃんだったミコナに対してやってきたことそのものでした。ルリアやハカセがしてくれたことをミコナはしてくれていたんです。

もしそうじゃなかったらここまでしてもらえなかったかもしれません。ましてや恨まれてなんていたら。

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