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遺跡の探索
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「最近見付かった遺跡の探索か……」
私達は今日も、冒険者ギルドで仕事を探してた。その中に、遺跡の探索の依頼を、アーストンが見付ける。
<遺跡の探索>も冒険者の仕事の一つなんだけど、実はあまり人気のないものだった。
かつてはいかにも<冒険>って感じで人気があったとも言われつつ、実際に行ってみると、いわゆる<お宝>と言われるものなんかは滅多に見付からず、研究者にとっては垂涎物な書物などはたまに発見されるものの、正直、冒険者自身にとっては胸躍る経験ができるものでもないんだ。
そんなわけで今ではすっかり<新米冒険者が経験を積むための仕事>的な扱いで、ベテラン冒険者からは見向きもされないんだよね。それよりはやっぱり、傭兵とか、凶暴な獣の退治とか、盗賊が多く現れる地域を通る商隊の護衛とか、その辺りの、<武勇伝になりそうな勇ましい仕事>の方が人気なんだよ。
そうして名前を売って、軍隊とかから誘いを受けて任官ってのが、今の定番かな。それだったら、貧しい村の生まれだったりしても、一気にそれなりの地位につけたりするし。
あと、自分の国の軍隊に志願する場合は、あんまり待遇良くなくても文句言えないけど、それなりに名の知れた冒険者として軍の方から誘いを受ける場合には、いくつかの軍隊から誘われた時にはその中から選べるし、待遇についてもある程度は交渉できたりするからね。
だけど、私達の場合は、冒険者として名を売ることが目的じゃない。旅をして様々な国を巡っていろいろな経験をすること自体が目的なんだ。そのついでで、私のことを調べるっていうね。
だから、遺跡の探索はそれこそ望むところ。大体は大した発見もないものの、ごくたまに貴重な書物が見付かって、研究者とかに感謝されることもある。
北の大国は、国を併合した時にその国の歴史とか文化とかを捨てさせるんだけど、その一方で、遺跡とかから見付かるような大昔の物については、報告はさせるものの調査そのものは禁止されたりしてないんだよね。
ただし、北の大国の基になってる国にとって都合の悪い内容とかについては、一切公表させないなんて噂もあるにはある。
だけどそんな話も私達には大して関係ないし、
「今回はこれを請けようと思うんだが、どうかな?」
アーストンがそう尋ねて、ジルが、
「異議なし」
って応えると、カインとセリスも、
「異議な~し!」
だって。当然私も、
「それでいい」
と応える。
こうして私達は、遺跡の探索へと向かったのだった。
私達は今日も、冒険者ギルドで仕事を探してた。その中に、遺跡の探索の依頼を、アーストンが見付ける。
<遺跡の探索>も冒険者の仕事の一つなんだけど、実はあまり人気のないものだった。
かつてはいかにも<冒険>って感じで人気があったとも言われつつ、実際に行ってみると、いわゆる<お宝>と言われるものなんかは滅多に見付からず、研究者にとっては垂涎物な書物などはたまに発見されるものの、正直、冒険者自身にとっては胸躍る経験ができるものでもないんだ。
そんなわけで今ではすっかり<新米冒険者が経験を積むための仕事>的な扱いで、ベテラン冒険者からは見向きもされないんだよね。それよりはやっぱり、傭兵とか、凶暴な獣の退治とか、盗賊が多く現れる地域を通る商隊の護衛とか、その辺りの、<武勇伝になりそうな勇ましい仕事>の方が人気なんだよ。
そうして名前を売って、軍隊とかから誘いを受けて任官ってのが、今の定番かな。それだったら、貧しい村の生まれだったりしても、一気にそれなりの地位につけたりするし。
あと、自分の国の軍隊に志願する場合は、あんまり待遇良くなくても文句言えないけど、それなりに名の知れた冒険者として軍の方から誘いを受ける場合には、いくつかの軍隊から誘われた時にはその中から選べるし、待遇についてもある程度は交渉できたりするからね。
だけど、私達の場合は、冒険者として名を売ることが目的じゃない。旅をして様々な国を巡っていろいろな経験をすること自体が目的なんだ。そのついでで、私のことを調べるっていうね。
だから、遺跡の探索はそれこそ望むところ。大体は大した発見もないものの、ごくたまに貴重な書物が見付かって、研究者とかに感謝されることもある。
北の大国は、国を併合した時にその国の歴史とか文化とかを捨てさせるんだけど、その一方で、遺跡とかから見付かるような大昔の物については、報告はさせるものの調査そのものは禁止されたりしてないんだよね。
ただし、北の大国の基になってる国にとって都合の悪い内容とかについては、一切公表させないなんて噂もあるにはある。
だけどそんな話も私達には大して関係ないし、
「今回はこれを請けようと思うんだが、どうかな?」
アーストンがそう尋ねて、ジルが、
「異議なし」
って応えると、カインとセリスも、
「異議な~し!」
だって。当然私も、
「それでいい」
と応える。
こうして私達は、遺跡の探索へと向かったのだった。
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