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南へ
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ボーデンとナフィの無事を確認して、私達は本格的に冒険者として旅に出ることになった。一つ所に落ち着くと逆にボロが出ると思ったからだ。
本当は、私一人で姿を消したかった。いっそまったく人間のこない山の頂上とかに行って溶けない雪の下にでも埋もれてしまえばもう二度と見付からないかもしれないと思ったし。
だけど、トーマとライアーネがそれを許してくれなかった。
「せめて俺達が生きてる間だけでも一緒にいてくれよ」
「そうよ。私、ププ…プリムラのことは友達だと思ってるんだから…!」
だから結局、二人が生きてる間は一緒にいることになった。
でも、この時、私はそう言ってもらえて嬉しかったのかもしれない。迷惑を掛けるのがイヤ、人間と関わるのもイヤ、って思ってても、二人と別れる選択を自分からはできなかった。たぶん、二人が『もう一緒にはいられない』って言ってくれるのを期待してた気もする。いっそそう言ってもらえた方が諦められるから。
そうか…私、二人のことがやっぱり好きなんだな……
シェリーナも、すごく私に懐いてくれてる。決して疲れないから私がずっと抱いてるからかもしれないけど。
「とにかく、プリムラが王子様に王女様のメッセージを届けられたのか、それを確かめようぜ」
「うん。確かめられないかもしれないけど、確かめられなくて当然だと思うけど、目的があれば気力も湧くよ」
トーマとライアーネが私を見てそう言ってくれた。
「ありがとう……」
本当は、病気でもう長く生きられない王女様が、想いを寄せていた王子様に宛ててしたためたラブレターだった私がその役目を果たせたのかどうかを確かめるというのが私達の目的だった。
今回のことは、それを改めて確認したことになった。
ボーデン商会ではたくさんの本の中から手掛かりを探す形だったのが、今度はいろんなところに行ってそこに伝わる伝説とか伝承とか昔話を聞いて回る形になる。
「取り敢えずは、南に向かって歩いてみるかな」
「北の方の大国から離れてゆっくりしたいしね」
南の方の国々は、暖かいところが多くて楽天的でのどかなのが多いと私も聞いていた。正直言って、私は自分がそういう国にいた記憶と言うかそういう感覚自体がないからたぶん南の方の国にいた訳じゃないとは思うんだけど、まあ、暖かいところに羽を伸ばしに行く感じなのかな。
そこでいろんなことを見ていろんな経験を積んで、それからまた少しずつ北上していくってことで。
南へと向かうキャラバンの護衛としての仕事もちょうど見つかって、私達はそのキャラバンに同行する形で南へと向かったのだった。
本当は、私一人で姿を消したかった。いっそまったく人間のこない山の頂上とかに行って溶けない雪の下にでも埋もれてしまえばもう二度と見付からないかもしれないと思ったし。
だけど、トーマとライアーネがそれを許してくれなかった。
「せめて俺達が生きてる間だけでも一緒にいてくれよ」
「そうよ。私、ププ…プリムラのことは友達だと思ってるんだから…!」
だから結局、二人が生きてる間は一緒にいることになった。
でも、この時、私はそう言ってもらえて嬉しかったのかもしれない。迷惑を掛けるのがイヤ、人間と関わるのもイヤ、って思ってても、二人と別れる選択を自分からはできなかった。たぶん、二人が『もう一緒にはいられない』って言ってくれるのを期待してた気もする。いっそそう言ってもらえた方が諦められるから。
そうか…私、二人のことがやっぱり好きなんだな……
シェリーナも、すごく私に懐いてくれてる。決して疲れないから私がずっと抱いてるからかもしれないけど。
「とにかく、プリムラが王子様に王女様のメッセージを届けられたのか、それを確かめようぜ」
「うん。確かめられないかもしれないけど、確かめられなくて当然だと思うけど、目的があれば気力も湧くよ」
トーマとライアーネが私を見てそう言ってくれた。
「ありがとう……」
本当は、病気でもう長く生きられない王女様が、想いを寄せていた王子様に宛ててしたためたラブレターだった私がその役目を果たせたのかどうかを確かめるというのが私達の目的だった。
今回のことは、それを改めて確認したことになった。
ボーデン商会ではたくさんの本の中から手掛かりを探す形だったのが、今度はいろんなところに行ってそこに伝わる伝説とか伝承とか昔話を聞いて回る形になる。
「取り敢えずは、南に向かって歩いてみるかな」
「北の方の大国から離れてゆっくりしたいしね」
南の方の国々は、暖かいところが多くて楽天的でのどかなのが多いと私も聞いていた。正直言って、私は自分がそういう国にいた記憶と言うかそういう感覚自体がないからたぶん南の方の国にいた訳じゃないとは思うんだけど、まあ、暖かいところに羽を伸ばしに行く感じなのかな。
そこでいろんなことを見ていろんな経験を積んで、それからまた少しずつ北上していくってことで。
南へと向かうキャラバンの護衛としての仕事もちょうど見つかって、私達はそのキャラバンに同行する形で南へと向かったのだった。
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