ズルいチート勇者なんか好きになってあげないんだから!

せんのあすむ

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「! お前、勇者になったのか!?」
 遅くなったけどとにかく昼食にして、なんだか自分でも信じられないくらいの量が食べられてしまってみんなを唖然とさせて、それから私が<勇者>になったことをライアーネ様に報せに行くために、部屋を訪れた。
「失礼します」とドアを開けるとそこにはライアーネ様と一緒にアリスリスとリリナがいた。ライアーネ様が二人の面倒を見てるからだ。
 で、私を一目見るなりアリスリスが叫んだんだ。
 その理由が私にも分かる。何故かパッと見ただけで、私にもアリスリスが<勇者>だってことが分かってしまった。
 なんて説明すればいいんだろう。言葉じゃ上手く説明できないけど、とにかくそう感じるんだ。勇者だっていうことを。
 アリスリスが叫んだもんだから、ライアーネ様に説明する手間が省けたというか、普段は滅多なことでは動揺しないライアーネ様が、
「ええっ!?」
 って、これまで見たことのない表情で座ってたソファから腰を浮かせてた。
 でもまあ、とにかく事情を説明する為に落ち着いてもらって、アリスリスとリリナにはベッドの方に座ってもらって、私はティアンカと一緒にライアーネ様の向かいに座った。
「え、え~と、つまり、ティアンカがシェリスタに勇者としての素質を見出したことで、それが目覚めたということなんだな?」
 正確にはティアンカが私を勇者に変えたんだけど、その部分については伏せておいた。たぶん、喋ろうとするとまた思い出せなくなるんだろうし。
「そうか~、お前も勇者になれたのか~。なんか見どころありそうだなとは思ってたけどな」
 とかなんとか、アリスリスが言ってくる。だけどその隣では、リリナが何とも言えない表情で私達を見詰めてた。それがどういうことなのか、この時の私には分からなかったけど。
 ただまあ、こういうのは神妖精しんようせい族でもそれぞれ個人個人の感覚的なものもあるらしいってのが後で分かった。
 一人の勇者にずっと寄り添いたいって考えるタイプと、勇者が亡くなったら次にっていうタイプと。
 リリナは前者で、ティアンカは後者だったらしい。
 ただ、ライアーネ様はとにかく今の状況を理解するので手一杯だったみたいで、
「と、とにかく、勇者が増えたのならそれは戦力的には非常に心強い。でもまずはシェリスタが本当に勇者になったのか、見せてもらうことはできる?」
 と戸惑いながら訊いてくるのがやっとな感じだった。
 それに対しては私は、
「たぶん、大丈夫だと思います。自分が今、とてつもなく充実してるのを感じますから」
 とは応えさせてもらった。
 するとアリスリスが、
「よっしゃーっ! じゃあ、私と手合わせしろ! お前の力を試してやる!!」
 って嬉しそうに言ったのだった。

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