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魔王
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魔王の城砦の奥深く、明らかにヤバいものがいるっていう気配に、体が勝手に震えてくる。
「ここから先は、俺達と神妖精族の巫女だけで行く。みんなは、退路を確保しておいてくれ」
ドゥケが、青菫騎士団のみんなに向かってそう言った。頭から血が滴ってるライアーネ様がその言葉に頷いて、
「では我々は、勇者が魔王を倒し撤退する為の退路を確保する! 総員、もうひと踏ん張りだ!!」
と声をかける。
「応!」
と応えた団員たちの中にはソーニャたちの姿も見えた。そうか、無事だったんだな。最後まで持ちこたえてほしい。
ここまでくると、不思議と、魔族の姿も見えなかった。だけどその理由が分かる気がする。魔王の気配が強すぎるんだ。そのせいで、魔族でさえも耐えられないんだと思う。
神妖精族の巫女たちも、青い顔をしてる。
「ティアンカ、大丈夫?」
あの明るかったティアンカまで青ざめてたから、思わず声をかけてしまった。
「大丈夫か?」
アリスリスもリリナに声をかけてる。
私達と合流した勇者たちも、パートナーである巫女を気遣ってた。
ポメリアが傍にいないドゥケが、他の巫女たちを気遣ってた。相変わらずの優男ぶりに、ちょっと胸がざわついてしまう。
だからつい、
「ポメリアのことはいいんですか?」
って皮肉っぽく訊いてしまった。
するとまた、寂しそうに微笑む。それを見ると、私の胸も痛んだ。どうしてそんなに寂しそうに笑うの?
だけどそんな私の疑問には応えてくれない。
「じゃあ、行こうか。いよいよだ」
ドゥケがそう言って、先に歩き始める。私たちはその後をついていく形で歩いた。でも、一歩進むごとに頭も体も重くなる気がする。
もう、周りの様子も、城の中というよりはただの洞窟のようだった。と言うか、洞窟の上に城を建てた感じなのか。
そして、ついに、私たちは魔王の前に……
って……
「…これが、魔王……?」
思わずそう声が漏れる。だってそこにいたのは、あまりに大きすぎるけど、異様だけど、ただの<赤ん坊>だったから。
生まれてからまだ何日も経ってないって感じの。ドラゴンよりも大きなその体を別にしたら。
でも―――――
「ま…さか……?」
その<赤ん坊>が何かを握り締めてることに気付いてよく見ると、それは……
「ポメ…リア……?」
それに気付いた瞬間、私の体がカアッと熱くなって、勝手に動いた。私より一瞬早く、アリスリスも動いてた。矢よりも早く、魔王に向かって。
なのに、彼女の体が、爆発したみたいに弾かれて、洞窟のような壁へと叩きつけられた。
もしてその次の瞬間には、私も反対方向の壁へと叩きつけられたのだった。
「ここから先は、俺達と神妖精族の巫女だけで行く。みんなは、退路を確保しておいてくれ」
ドゥケが、青菫騎士団のみんなに向かってそう言った。頭から血が滴ってるライアーネ様がその言葉に頷いて、
「では我々は、勇者が魔王を倒し撤退する為の退路を確保する! 総員、もうひと踏ん張りだ!!」
と声をかける。
「応!」
と応えた団員たちの中にはソーニャたちの姿も見えた。そうか、無事だったんだな。最後まで持ちこたえてほしい。
ここまでくると、不思議と、魔族の姿も見えなかった。だけどその理由が分かる気がする。魔王の気配が強すぎるんだ。そのせいで、魔族でさえも耐えられないんだと思う。
神妖精族の巫女たちも、青い顔をしてる。
「ティアンカ、大丈夫?」
あの明るかったティアンカまで青ざめてたから、思わず声をかけてしまった。
「大丈夫か?」
アリスリスもリリナに声をかけてる。
私達と合流した勇者たちも、パートナーである巫女を気遣ってた。
ポメリアが傍にいないドゥケが、他の巫女たちを気遣ってた。相変わらずの優男ぶりに、ちょっと胸がざわついてしまう。
だからつい、
「ポメリアのことはいいんですか?」
って皮肉っぽく訊いてしまった。
するとまた、寂しそうに微笑む。それを見ると、私の胸も痛んだ。どうしてそんなに寂しそうに笑うの?
だけどそんな私の疑問には応えてくれない。
「じゃあ、行こうか。いよいよだ」
ドゥケがそう言って、先に歩き始める。私たちはその後をついていく形で歩いた。でも、一歩進むごとに頭も体も重くなる気がする。
もう、周りの様子も、城の中というよりはただの洞窟のようだった。と言うか、洞窟の上に城を建てた感じなのか。
そして、ついに、私たちは魔王の前に……
って……
「…これが、魔王……?」
思わずそう声が漏れる。だってそこにいたのは、あまりに大きすぎるけど、異様だけど、ただの<赤ん坊>だったから。
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その<赤ん坊>が何かを握り締めてることに気付いてよく見ると、それは……
「ポメ…リア……?」
それに気付いた瞬間、私の体がカアッと熱くなって、勝手に動いた。私より一瞬早く、アリスリスも動いてた。矢よりも早く、魔王に向かって。
なのに、彼女の体が、爆発したみたいに弾かれて、洞窟のような壁へと叩きつけられた。
もしてその次の瞬間には、私も反対方向の壁へと叩きつけられたのだった。
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