はじまり

天鳥そら

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はじまり54

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  ~道案内~


 「私は、クローディア、あなたは誰?」 

 最初に口を開いたのは、クローディアでした。 
 幼子は、手を差し出されましたが、もじもじしながら両手を後ろに隠してしまいました。 
 幼子の様子には気にせず、しゃがみこみます。 

 「あなた、ここに住んでるの?」 

 幼子は、怒らない?と聞いてから、たまにここに遊びにくるのだと 
話しました。 
 町で乞食をしている幼子は、ひもじくなったり、寒くなると 
 ここにくるのだと言います。 
 王宮ででるたくさんのごちそうの残りが、ごみとしてだされるので、
 食べにくるのです。 
 他にも王宮は、いつもたくさんの火を使うので、 
 暖かい場所があります。 
 冬は、そこで暖を取り、食料の調達に訪れます。

 「宮殿には入らないよ、捕まったら怖いから」 

ヨウメイとソウは、顔を見合わせてうなづきます。 
ソウがクローディアの隣に同じようにしゃがみこんで 
視線を合わせます。 
 幼子を驚かせないように、ゆっくりと尋ねました。 

 「私たちは、海で待ってる仲間のところに行きたいんです」 

もし、ご存知でしたら道を教えてくれませんかと丁寧な物腰と 
口調に幼子はぽかんと口をあけました。 
 今まで生きてきて、そんなに丁寧に扱われたことが 
 なかったからです。 
 幼子は飛び上がらんばかりに喜んで、うなづきました。 

 「海の道、僕知ってるよ」 

 本当は海からこの地下の通路にでてきたんだと嬉しそうに 
話します。 

 「こっちだよ」 

 得意そうに顔をほころばせて、壁と思っていた場所に手をあてます。 
 不思議な文様に順番に手を当てると、どこかでかちりと音がしました。 
 生暖かい空気がただよってきて、壁のすみっこに小さな扉が 
現れました。 

なんとか人一人が通れる通路があり、なかは鍾乳洞につながっていました。 
ソウは、地図を確かめてうなづくと、三人は幼子の後をついていきました。 


つづく 
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