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【プレイヤー 編】
逃げ惑うプレイヤー群
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◇
「おっしゃー! 四二階層突破だぜ! やっぱ俺様、TUEEEEッ!」
「ってか、チキンなんにもしてないよねー」
「「「うん(です)」」」
時刻は午後二時四五分。
四〇階層で食事休憩をとり、再出発したのは午後一時三〇分を少し経過した頃だった。
四一階層を攻略した時刻は午後二時頃で、四二階層は現時刻……と、なると明らかにクリアタイムが遅延している。
(はあ、このままだと最上層まで行く頃には夜になっちゃうな)
米子はこんな事を考え、ひたすらメンバーを回復する作業。
パーティーを組む一番の利点は、一度に一体のモンスターを攻撃出来るということだ。
例えば、魔法攻撃のような範囲魔法を詠唱した場合、範囲内であればモンスターに限らず、他プレイヤー含む何者でもダメージを与えることができる。しかしパーティーを組めば、メンバーが攻撃範囲内にいたとしてもノーダメージで、モンスターのみ攻撃可能。
勿論、他のパーティーが使用した攻撃はダメージをくらうため、パーティー同士が纏まっているとトラブルの元となる場合も然り。
他にパーティー特有のシステムと言えば、回復魔法を一度の詠唱でメンバー全員にかけられたり、同じフィールドであれば離れていてもメンバーの位置が分かったり……などなど。
現在地である四三階層の入り口付近では、上級者パーティーしかいないため、パーティー同士のトラブルは少ないと言える。その理由のひとつとして、最上級クラスのプレイヤーだからこそ、戦いを”熟知”しているから。
つまり、わざと他のプレイヤーを狙い撃ちするか、自身の攻撃範囲を知らない初級者以外は、立ち回り方を知っているため、プレイヤー同士が傷付けあうことは”ほぼ”無い。
「あと六階層もあるのかー。ここまでくると、やっぱ時間かかるよねー」
「まあな。けど、この程度のモンスターなら最上層まで余裕だろ? 今日こそ、最上層で手に入る苟且の宝玉を、必ず持って帰ってやるぜ」
チキンの言う『苟且の宝玉』とは、最上層のボスを倒すことで手に入るアイテム。未だ誰もが手にしたことがないため、その詳細は不明。
しかし、名称に『かりそめ』と付いているのだから、期待するほど良いものではない可能性大。
「わたしは、そんな怪しいアイテム欲しくもないんだけどねー。でも、最上層のボスから得られる経験値は欲しいかなー。それに攻略できたら一躍有名人だよねー」
「わたしは十分経験値稼げてますから、アイテムは皆さんで。どうぞお好きになさって下さい」
「ダメ。アイテムは、入手したひと……です」
「そうっす! それが決まりっす!」
このパーティーで入手したアイテムは、最初に手にした者が取得権利を持っている。パーティーによってアイテムの入手方法は様々だが、このパーティーではそういう決め事となっているのだ。
「マイコ。まあ、そういうことだ。運も実力のうち……ってな?」
米子以外のメンバーが、一斉にコクコクと頷く。
「はい、わかりました。思っていたより楽に登っているので、きっとボスも大丈夫ですよね?」
「んー 周りも強くないし、大丈夫じゃないかなー? 去年は回復いなくて大変だったけど、今回はマイコちゃんの回復魔法もあるしねー」
「そ、そうでしょうか? 嬉しいですけど……わたしは、この階層ですらモンスターが倒せません。とりあえず皆さんと逸れてしまわないよう、必死なのですが――」
他のメンバーがここまで来るのに、苦労した様子は伺えない。
やはり強さの違いは歴然の差なのだと、改めて通関する米子。
「マイコちゃん、回復特化だもんねー。それは仕方がないかなー」
「気にするな、マイコ。お前は俺様たちを回復して、俺様たちはお前を護る。それが仲間というものだ」
「そうっす! マイコはんは自分が護るっす!」
「……です」
メンバーの頼もしい言葉。
回復役を護ることは必然であり、当たり前のことなのだが、言葉として”言う”と”言わない”のでは気持ちの問題で違う。
それゆえ、米子の気持ちは信頼で満たされてゆく。
「はい! がんばります!」
米子は両手を強く握りしめ、胸の辺りで決意を表す仕草をし、メンバーに気持ちを伝えた。
気がつけば、いつのまにか四三階層も中腹まで歩を進めていた一同。先に通過したパーティーがモンスターを倒したのか、周りにモンスターの姿は見当たらず静か。
「や、べっ! こりゃ、他のパーティーに先越されちまったか? 急がないとだな」
チキンがこう言うと、他のメンバーも周りを見渡す。
「あっ! でも、奥の方でなんか物音がしない?」
来たときは静かだと思っていたが、確かに物音がする……戦っているのではなく、足音。近づくにつれ、その足音はどんどん大きくなり――
――やがて地響きを立てる。それは数名程度の足音とは思えない、かなりの人数だと感じ取れた。
その後、地響きの正体が姿を現わす。
どうやらプレイヤーたちのようだ。
「「「「「ひ、ひぃいいい! た、助けてくれぇええ! お前ら邪魔だ、退けっ!」」」」」
この世の終わりを見たような形相で、懸命に猛ダッシュするプレイヤーたち。とてもじゃないが瞬時に数え切れないほどの大人数である。
「ありゃりゃっ!? なによこの恐怖に満ちた顔の群勢! 超こわっ!」
「ふんっ! こいつらが弱ぇえだけじゃね? ビビりすぎ」
「うっす! マイコはんは自分が護るっす!」
「……です!」
メンバーたちと、すれ違うようにして逃げ帰るプレイヤーたち。そのプレイヤーたちを、きっと追いかけてくるであろうモンスターたちを、準備万端とばかりに待ち構える。
だが――――
追いかけてくるモンスターは見当たらない。見当たらないという表現より、足音が聞こえてこない。ゆうに五〇名は超えるであろうプレイヤーたちが必死に逃げていたのだから、当然モンスターの大群なのではないかと予想している。
広範囲魔法の最上級クラスである固有スキルを、ベニネコとレイカは所持しているため、それほど広くないこの塔の中では、一撃で滅殺も容易なこと。
今までのモンスターから強さが知れていることもあり、一度に何体のモンスターが来ようと問題なく排除可能だとも思う。
「ありゃりゃ? モンスターこないねー」
「いったい何だったんだ……? さっきの奴ら」
しかし、なぜかモンスターが現れないため、原因不明のプレイヤー群に戸惑うことしか出来ず、開いた口も開きっぱなし。
そして聞こえてきたのは、また何者かの足音。
「あ、誰か来るねー。さっきの群れで逃げ遅れたひとかな?」
「モンスターかもしれんぞ? とりあえず戦闘準備のまま待機しとけよ」
「「「「了解|(です)ッ!」」」」
「おっしゃー! 四二階層突破だぜ! やっぱ俺様、TUEEEEッ!」
「ってか、チキンなんにもしてないよねー」
「「「うん(です)」」」
時刻は午後二時四五分。
四〇階層で食事休憩をとり、再出発したのは午後一時三〇分を少し経過した頃だった。
四一階層を攻略した時刻は午後二時頃で、四二階層は現時刻……と、なると明らかにクリアタイムが遅延している。
(はあ、このままだと最上層まで行く頃には夜になっちゃうな)
米子はこんな事を考え、ひたすらメンバーを回復する作業。
パーティーを組む一番の利点は、一度に一体のモンスターを攻撃出来るということだ。
例えば、魔法攻撃のような範囲魔法を詠唱した場合、範囲内であればモンスターに限らず、他プレイヤー含む何者でもダメージを与えることができる。しかしパーティーを組めば、メンバーが攻撃範囲内にいたとしてもノーダメージで、モンスターのみ攻撃可能。
勿論、他のパーティーが使用した攻撃はダメージをくらうため、パーティー同士が纏まっているとトラブルの元となる場合も然り。
他にパーティー特有のシステムと言えば、回復魔法を一度の詠唱でメンバー全員にかけられたり、同じフィールドであれば離れていてもメンバーの位置が分かったり……などなど。
現在地である四三階層の入り口付近では、上級者パーティーしかいないため、パーティー同士のトラブルは少ないと言える。その理由のひとつとして、最上級クラスのプレイヤーだからこそ、戦いを”熟知”しているから。
つまり、わざと他のプレイヤーを狙い撃ちするか、自身の攻撃範囲を知らない初級者以外は、立ち回り方を知っているため、プレイヤー同士が傷付けあうことは”ほぼ”無い。
「あと六階層もあるのかー。ここまでくると、やっぱ時間かかるよねー」
「まあな。けど、この程度のモンスターなら最上層まで余裕だろ? 今日こそ、最上層で手に入る苟且の宝玉を、必ず持って帰ってやるぜ」
チキンの言う『苟且の宝玉』とは、最上層のボスを倒すことで手に入るアイテム。未だ誰もが手にしたことがないため、その詳細は不明。
しかし、名称に『かりそめ』と付いているのだから、期待するほど良いものではない可能性大。
「わたしは、そんな怪しいアイテム欲しくもないんだけどねー。でも、最上層のボスから得られる経験値は欲しいかなー。それに攻略できたら一躍有名人だよねー」
「わたしは十分経験値稼げてますから、アイテムは皆さんで。どうぞお好きになさって下さい」
「ダメ。アイテムは、入手したひと……です」
「そうっす! それが決まりっす!」
このパーティーで入手したアイテムは、最初に手にした者が取得権利を持っている。パーティーによってアイテムの入手方法は様々だが、このパーティーではそういう決め事となっているのだ。
「マイコ。まあ、そういうことだ。運も実力のうち……ってな?」
米子以外のメンバーが、一斉にコクコクと頷く。
「はい、わかりました。思っていたより楽に登っているので、きっとボスも大丈夫ですよね?」
「んー 周りも強くないし、大丈夫じゃないかなー? 去年は回復いなくて大変だったけど、今回はマイコちゃんの回復魔法もあるしねー」
「そ、そうでしょうか? 嬉しいですけど……わたしは、この階層ですらモンスターが倒せません。とりあえず皆さんと逸れてしまわないよう、必死なのですが――」
他のメンバーがここまで来るのに、苦労した様子は伺えない。
やはり強さの違いは歴然の差なのだと、改めて通関する米子。
「マイコちゃん、回復特化だもんねー。それは仕方がないかなー」
「気にするな、マイコ。お前は俺様たちを回復して、俺様たちはお前を護る。それが仲間というものだ」
「そうっす! マイコはんは自分が護るっす!」
「……です」
メンバーの頼もしい言葉。
回復役を護ることは必然であり、当たり前のことなのだが、言葉として”言う”と”言わない”のでは気持ちの問題で違う。
それゆえ、米子の気持ちは信頼で満たされてゆく。
「はい! がんばります!」
米子は両手を強く握りしめ、胸の辺りで決意を表す仕草をし、メンバーに気持ちを伝えた。
気がつけば、いつのまにか四三階層も中腹まで歩を進めていた一同。先に通過したパーティーがモンスターを倒したのか、周りにモンスターの姿は見当たらず静か。
「や、べっ! こりゃ、他のパーティーに先越されちまったか? 急がないとだな」
チキンがこう言うと、他のメンバーも周りを見渡す。
「あっ! でも、奥の方でなんか物音がしない?」
来たときは静かだと思っていたが、確かに物音がする……戦っているのではなく、足音。近づくにつれ、その足音はどんどん大きくなり――
――やがて地響きを立てる。それは数名程度の足音とは思えない、かなりの人数だと感じ取れた。
その後、地響きの正体が姿を現わす。
どうやらプレイヤーたちのようだ。
「「「「「ひ、ひぃいいい! た、助けてくれぇええ! お前ら邪魔だ、退けっ!」」」」」
この世の終わりを見たような形相で、懸命に猛ダッシュするプレイヤーたち。とてもじゃないが瞬時に数え切れないほどの大人数である。
「ありゃりゃっ!? なによこの恐怖に満ちた顔の群勢! 超こわっ!」
「ふんっ! こいつらが弱ぇえだけじゃね? ビビりすぎ」
「うっす! マイコはんは自分が護るっす!」
「……です!」
メンバーたちと、すれ違うようにして逃げ帰るプレイヤーたち。そのプレイヤーたちを、きっと追いかけてくるであろうモンスターたちを、準備万端とばかりに待ち構える。
だが――――
追いかけてくるモンスターは見当たらない。見当たらないという表現より、足音が聞こえてこない。ゆうに五〇名は超えるであろうプレイヤーたちが必死に逃げていたのだから、当然モンスターの大群なのではないかと予想している。
広範囲魔法の最上級クラスである固有スキルを、ベニネコとレイカは所持しているため、それほど広くないこの塔の中では、一撃で滅殺も容易なこと。
今までのモンスターから強さが知れていることもあり、一度に何体のモンスターが来ようと問題なく排除可能だとも思う。
「ありゃりゃ? モンスターこないねー」
「いったい何だったんだ……? さっきの奴ら」
しかし、なぜかモンスターが現れないため、原因不明のプレイヤー群に戸惑うことしか出来ず、開いた口も開きっぱなし。
そして聞こえてきたのは、また何者かの足音。
「あ、誰か来るねー。さっきの群れで逃げ遅れたひとかな?」
「モンスターかもしれんぞ? とりあえず戦闘準備のまま待機しとけよ」
「「「「了解|(です)ッ!」」」」
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