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第1章 準備は万端に
次に必要なこと
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「ティアラ=ユースティアと改めて名を名乗る必要はないとは思うけれど、せっかくだから自己紹介から始めましょう」
「ウィリアム、財政課勤務この度よりティアラ様の教育係になりました。よろしくお願いします」
すっごく不満ですって顔に書いてあるわ。
「それじゃ、早速教えて欲しいのだけど真っ先に削れる支出は何かしら?」
最初にお願いしたのは、こちらからの質問に答えるという形での教育方針である。
教わるのもいいが、時間が限られてる以上、授業形式よりもこちらが気になったことに答えてもらう方が、有意義だと思ったのだ。
資料を見る限り、財政の圧迫になったのは、やはりわたくし達の無駄遣いが大きい。
削るとしたらここだけど、わたくしはともかく他は難しい。
「そうですね、食費を削るべきかと」
「平民と比べてどの程度の差があるのかしら?」
「平民の稼ぐ1ヶ月の給金とティアラ様の1回の食事が同程度です」
それは、差が激しすぎる。
そんな食事を繰り返していたら、財政に打撃を与えるのは当然だ。
「では、具体的にはどうやって費用を抑えるのかしら?」
食材費を削るとかしか浮かばないけど。
人件費はどうしようもないと思う。
ここの調理は、専属のシェフが1人でこなしてるから。
「食材費ですね、シェフは与えられている食材から作っているだけなので、仕入れ担当が必要以上に高いものを買っている可能性が高いでしょう」
「じゃあ、そこを見直せばいいのね、シェフ自ら材料の善し悪しと値段が相応なのかを判断してもらいましょう。お父様に頼んでおくわ」
できれば、安く仕入れるようにとも伝えておくべきね。
「ティアラ様、少し聞いてもよろしいですか?」
「あら、何かしら。構わないわよ?」
わたくしが質問されるとは思ってなかった。
「なぜ、そこまでして財政を気にされるのですか」
確かに、普通8歳の、それもわがままで知られてる子どもが気にするようなものじゃないよね。
「本で読んだの。お金の流れを把握することは大切だって。なら、この国で流れがあるのは財政でしょう?」
「確かにその通りですね。しかし、ではなぜ私なのでしょう」
資料を見る限り、貴方以上の適任者はいないのよ。
なんて、答えるわけにもいかない。
「だって、ウィリアムがこのままだと破綻すると言っていたじゃない。つまり、それだけ把握していて、どうにかすべきと思っている人ってことじゃない。教わるには最適だわ」
「そうですか、そういう事ならば今後とも教育係を続けさせてもらいます」
あら? ちゃんとした理由がなければ辞めるつもりだったのかしら……
「当然よ! なるべく時間は取らないようにするからこれからも教えてちょうだい」
ここで辞められて地方に、なんて事になったら大変だもの。
さしあたっては、お父様に食材の仕入れをシェフに一任するようにお願いしてきましょう。
「ウィリアム、財政課勤務この度よりティアラ様の教育係になりました。よろしくお願いします」
すっごく不満ですって顔に書いてあるわ。
「それじゃ、早速教えて欲しいのだけど真っ先に削れる支出は何かしら?」
最初にお願いしたのは、こちらからの質問に答えるという形での教育方針である。
教わるのもいいが、時間が限られてる以上、授業形式よりもこちらが気になったことに答えてもらう方が、有意義だと思ったのだ。
資料を見る限り、財政の圧迫になったのは、やはりわたくし達の無駄遣いが大きい。
削るとしたらここだけど、わたくしはともかく他は難しい。
「そうですね、食費を削るべきかと」
「平民と比べてどの程度の差があるのかしら?」
「平民の稼ぐ1ヶ月の給金とティアラ様の1回の食事が同程度です」
それは、差が激しすぎる。
そんな食事を繰り返していたら、財政に打撃を与えるのは当然だ。
「では、具体的にはどうやって費用を抑えるのかしら?」
食材費を削るとかしか浮かばないけど。
人件費はどうしようもないと思う。
ここの調理は、専属のシェフが1人でこなしてるから。
「食材費ですね、シェフは与えられている食材から作っているだけなので、仕入れ担当が必要以上に高いものを買っている可能性が高いでしょう」
「じゃあ、そこを見直せばいいのね、シェフ自ら材料の善し悪しと値段が相応なのかを判断してもらいましょう。お父様に頼んでおくわ」
できれば、安く仕入れるようにとも伝えておくべきね。
「ティアラ様、少し聞いてもよろしいですか?」
「あら、何かしら。構わないわよ?」
わたくしが質問されるとは思ってなかった。
「なぜ、そこまでして財政を気にされるのですか」
確かに、普通8歳の、それもわがままで知られてる子どもが気にするようなものじゃないよね。
「本で読んだの。お金の流れを把握することは大切だって。なら、この国で流れがあるのは財政でしょう?」
「確かにその通りですね。しかし、ではなぜ私なのでしょう」
資料を見る限り、貴方以上の適任者はいないのよ。
なんて、答えるわけにもいかない。
「だって、ウィリアムがこのままだと破綻すると言っていたじゃない。つまり、それだけ把握していて、どうにかすべきと思っている人ってことじゃない。教わるには最適だわ」
「そうですか、そういう事ならば今後とも教育係を続けさせてもらいます」
あら? ちゃんとした理由がなければ辞めるつもりだったのかしら……
「当然よ! なるべく時間は取らないようにするからこれからも教えてちょうだい」
ここで辞められて地方に、なんて事になったら大変だもの。
さしあたっては、お父様に食材の仕入れをシェフに一任するようにお願いしてきましょう。
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