3 / 48
第1章 準備は万端に
早速行動しましょう
しおりを挟む
8歳で大人を説得するのはまず無理だ。
間違いなく子どものいたずらや戯れ言としか思わない。
となると必要なのはわがままを通すことではないだろうか。
幸いにしてお父様は、子どもを溺愛している。
お兄様には城をプレゼントしてるし、お姉様には国宝と呼んでもいいレベルの宝石、弟には他国から仕入れた名馬を与えていたはずだ。
私? 私はこれといった特定の物はないけれど大抵のお願いは聞いてもらえている。
わがまま姫で他国にも知られてる程だから。
つまり必要な人や物は、私が気に入ったからとするだけである程度確保出来るはずなのである。
そうと決まれば財政を管理できる人を確保しに行きましょう。
幸い資料に劇的に財政を立て直したがそれでも足りなかったとされてる人の名前があった。
どうも地方に飛ばされてしまって、戻ってきた時には手遅れだったらしい。
となれば飛ばされる前に確保しておけば、これからの損失を大きく抑えられるはず。
「お言葉ですが、これでは5年もしない内にバランスが取れなくなり、財政は破綻します!」
「やかましい、お前は言われた仕事を
こなしてればいいんだ! 若造が調子に乗るな」
どうやら地方に飛ばされる原因になった喧嘩が始まっていた所のようだ。
危ない、間に合わなくなるとこだった。
「あら、どうかなされたの?」
このままヒートアップさせたら、せっかくのチャンスが消えてしまう。
「これは、ティアラ様。お見苦しいところを申し訳ありません」
慌てたように取り繕うこの人に構ってる暇はない。
「ねぇ、あなたさっき財政が破綻するって言っていたようだけれど、どうして破綻するのか教えてくださらない?」
「話しても構いませんが、ティアラ様には難しい話ですので理解はできないと思いますよ」
一応、この国の姫に向かってかなりバッサリと言ってくれるわね。
でもこれは、使えるかもしれない。
「そう、難しい話なのね。でも、興味があるわ」
「理解出来なければ興味があっても、意味はありませんよ」
そうね、確かに意味は無いかも。
でも、そうはいかない。
「では、理解出来るようにわたくしに教えてくださいな。そうだわ、あなたがわたくしの専属教師になってくれたらいいのだわ」
「はい?」
勢いに任せて話をまとめてしまいましょう。
「そうと決まれば早速、お父様にお願いしなければいけないわね」
「ちょっと待ってください、私にはやらなくてはいけないことが山積みなのです。そんな暇はありません」
当然わたくしの教育にかまけて仕事そっちのけになってもらっては困る。
「あら? わたくしがそうしたいと言えばそうなるのよ諦めなさいな。でも、ここでの仕事はこれからもちゃんと片付けること。それじゃあよろしく頼むわね」
後は目もくれずお父様にお願いをしてきた。
驚かれはしたけど、問題なく彼を専属にすることができた。
これで地方には飛ばされない。
そんなことしたら、わがままなお姫様に何を言われるか分からないものね。
これで、財政について学べるだけじゃなく、この国の財政をしっかりと管理できる。
まずは貴重な第1歩。
間違いなく子どものいたずらや戯れ言としか思わない。
となると必要なのはわがままを通すことではないだろうか。
幸いにしてお父様は、子どもを溺愛している。
お兄様には城をプレゼントしてるし、お姉様には国宝と呼んでもいいレベルの宝石、弟には他国から仕入れた名馬を与えていたはずだ。
私? 私はこれといった特定の物はないけれど大抵のお願いは聞いてもらえている。
わがまま姫で他国にも知られてる程だから。
つまり必要な人や物は、私が気に入ったからとするだけである程度確保出来るはずなのである。
そうと決まれば財政を管理できる人を確保しに行きましょう。
幸い資料に劇的に財政を立て直したがそれでも足りなかったとされてる人の名前があった。
どうも地方に飛ばされてしまって、戻ってきた時には手遅れだったらしい。
となれば飛ばされる前に確保しておけば、これからの損失を大きく抑えられるはず。
「お言葉ですが、これでは5年もしない内にバランスが取れなくなり、財政は破綻します!」
「やかましい、お前は言われた仕事を
こなしてればいいんだ! 若造が調子に乗るな」
どうやら地方に飛ばされる原因になった喧嘩が始まっていた所のようだ。
危ない、間に合わなくなるとこだった。
「あら、どうかなされたの?」
このままヒートアップさせたら、せっかくのチャンスが消えてしまう。
「これは、ティアラ様。お見苦しいところを申し訳ありません」
慌てたように取り繕うこの人に構ってる暇はない。
「ねぇ、あなたさっき財政が破綻するって言っていたようだけれど、どうして破綻するのか教えてくださらない?」
「話しても構いませんが、ティアラ様には難しい話ですので理解はできないと思いますよ」
一応、この国の姫に向かってかなりバッサリと言ってくれるわね。
でもこれは、使えるかもしれない。
「そう、難しい話なのね。でも、興味があるわ」
「理解出来なければ興味があっても、意味はありませんよ」
そうね、確かに意味は無いかも。
でも、そうはいかない。
「では、理解出来るようにわたくしに教えてくださいな。そうだわ、あなたがわたくしの専属教師になってくれたらいいのだわ」
「はい?」
勢いに任せて話をまとめてしまいましょう。
「そうと決まれば早速、お父様にお願いしなければいけないわね」
「ちょっと待ってください、私にはやらなくてはいけないことが山積みなのです。そんな暇はありません」
当然わたくしの教育にかまけて仕事そっちのけになってもらっては困る。
「あら? わたくしがそうしたいと言えばそうなるのよ諦めなさいな。でも、ここでの仕事はこれからもちゃんと片付けること。それじゃあよろしく頼むわね」
後は目もくれずお父様にお願いをしてきた。
驚かれはしたけど、問題なく彼を専属にすることができた。
これで地方には飛ばされない。
そんなことしたら、わがままなお姫様に何を言われるか分からないものね。
これで、財政について学べるだけじゃなく、この国の財政をしっかりと管理できる。
まずは貴重な第1歩。
0
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
公爵夫人は命がけ!
保谷なのめ
ファンタジー
そこそこの家柄に生まれた平凡な貴族令嬢リディア。
そこへ突然、両親が持ってきた縁談相手は「冷酷無比」「人を喰らう」などと恐れられる、〝帝国の剣〟公爵キースだった。
領地へ嫁いだその翌朝。リディアは突如として思い出す——ここは自分が前世で書いた恋愛小説の世界。そして、リディアは本来のヒロインの相手役であるキースの〝死別した元妻〟キャラだったのだ!
このままだと『物語』が開始する2年後までに死んでしまう!その運命を変えるため、リディアは作者としての知識と、彼女自身の生きる意志を武器に抗い始める。
冷酷と噂の夫との距離も、少しずつ近づいて――?
死ぬ運命の〝元妻〟令嬢が、物語をぶっ壊して生き残る!運命改変ファンタジー!
小説家になろう、カクヨムでも更新中です。https://ncode.syosetu.com/n1631ku/
1日1話、毎日更新です!
強い祝福が原因だった
棗
恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。
父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。
大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。
愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。
※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。
※なろうさんにも公開しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ハイエルフの幼女に転生しました。
レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは
神様に転生させてもらって新しい世界で
たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく
死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。
ゆっくり書いて行きます。
感想も待っています。
はげみになります。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる