好きに生きるだけですが、問題があるのですか?

雪蟻

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第二章

鬼人の策の末路

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「いやぁぁぁ!」
「うるさいな、下等生物を有効利用してやってるんだ、そこは泣いて喜びに震えるべきであろう」
1人の人間の女が、鬼人の男に犯されている。
泣き叫ぼうと、何度も、何度も、腰を打付ける音が聞こえ、嫌な水の音がなる。
やがて、女の叫びが消えると、空間が揺らぎ、女だけが消える。

「後は、ゴブリン共に可愛がってもらうといい。死ぬまで、我らの種の繁栄に役立ってもらうとしよう。お前たち人間は、すぐに増える。何割か捕まえたとて構うまい」
そう言うと、鬼人の男は、また次の人間の女を襲いに行く。

ここは、魔道公国にある学院の中でも、新魔法だけでなく、既にある魔法の更なる研究を行う場所である。
いつもであれば、ここは厳重な警護が付いており、このような狼藉は許されない。
だが、今回は、より危険な存在が勇者に次ぐ、重要な人物とがその場に揃ってしまっている。
警護はそちらに集中してしまった。
結果が、この惨状である。
いつもは護られている側の研究者達は、この奇襲に為す術なく、蹂躙されている。

「ちっ、未成熟な女もいるのか、つまらん。ゴブリンにまわしておけ、あやつらなら女であれば孕ませられる。我らは、より優秀な女を狙い種を仕込むぞ」

中には、まだ子供もいる。
それは、天才すぎる子であったり、研究者の子であったりする。
例外なく、女であれば、襲われ、男であれば殺される。
それの繰り返し。
自らを、優等な生き物と信じ、それ以外の下等な種族を、自らの種が増えるための道具としている。
それが、鬼人と呼ばれるもの達の本質。
だが、その中に、鬼人族と呼び分けても良い存在もいる。
そのせいで、誤解があり、今回のような悲劇が起きてしまう。
鬼人とは、所詮魔物である。
そこを間違えてはならないのである。

「後は、この先だけか。こんな薄い結界で、我らを阻もうとは、流石下等な種族は違うな」 
笑いながら、前へと進んだ鬼人の男は、首を失い、息絶えた。 

「貴重な魔法の研究者をなんだと思っているのですか? 鬼人のオスども。これだから、増えることしか頭にない下等な生き物は嫌いなのです」
そして、蹂躙者は逆転した。 

「広域殲滅魔法、えーっと、名前は、ないですね? 人間は名前をつけたがるものだと思っておりましたが、まぁいいです。喰らいなさい、既存魔法から名前を取ります。ブリューナク」

周辺を細い光のようなものが、反射して行きながら、鬼人だけを撃ち抜いていく。
一撃でその命を奪っていく。
先程まで、悠々と、蹂躙していたはずの存在が呆気なく殺されていく。

「貴様、なんのつも──」
「ある程度片付きましたが、ここの戦力では足りませんか、壊滅させねばなりませんね」


5分程度であろうか、鬼人が生きていれた時間は……
圧倒的なまでの力の差、それを起こしたのは、たった1人のハイエルフ。

忘れてはならない、ハイエルフとは、超越種。
それこそ、優秀な血統であるという事実を。
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