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第二章
第13話 聖女との対面
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フィアローディ伯爵家の紋章のついた馬車から姿を現したのは、紛れも無く兄ヴェローニの婚約者である、リーシャ・フィアローディ伯爵令嬢だった。
整理しよう。
この一団は、聖女様御一行である。
そして馬車には護衛として、長男のセリウス殿が先頭の馬に跨っている。
護衛された馬車から降り立ったのは、リーシャ嬢。
状況証拠が全てを物語っていた。
『リーシャ・フィアローディ伯爵令嬢が聖女様である』と。
そして付け加えるなら、『兄上が旅に同行すると言い出して父上と壮絶なバトルを繰り広げる未来が確定した』という事も。
うおおお!! クソめんどくせー!!!
「リーシャ嬢、どどどどうしてここに?」
当然、一目惚れした婚約者に会えた嬉しさもあるのだろうが、それでも兄上は若干ひきつっていた。
『セリフ裏』という言葉がある。
これは俺が生前の地球で知った言葉なのだが。
俳優さんたちの使う芸能用語だ。
台本に書かれたセリフとは別の「本音」の事を指す言葉らしい。
例えば、ツンデレ女子が好きな男子に言う「あ、あんたなんて好きでもなんでもないんだからね!」というセリフがあったとしたら、そのセリフ裏は「好き! めっちゃ好き!」みたいな感じだ。
そして、この兄上の「どうしてここに?」のセリフ裏は、完全に、
「ま、まさかチミ、せ、聖女じゃないよね?」だった。
リーシャ嬢は、ヴェローニの手を取ると、満面の笑みで言った。
「はい。聖女が王都に向かう際、公爵領と通るとのことで、このタイミングでここまで同行させてもらうのが最も安全だと父上に言われましたので」
……。
俺とヴェローニは顔を顔を見合わせた。
ヴェローニはハニワのような顔をしていた。多分俺も。
……おや?
おやおやおやおや!? 今何と!?
聖女と同行?
どうやら最悪の事態は避けられたようである。
そして、同時に俺たちの心に湧いた疑問を、兄上が先に口にしてくれた。
「そうでしたか。それで、聖女様はいずこに?」
その時である。
兄上がそう言った瞬間に、その場の空気が変わった。
殿を務めていたらしき女性騎士が騎乗したまま、ゆっくりと近づいて来ていたのだ。
リーシャ嬢と同じ顔をしたその騎士は、美しい金髪をなびかせ、白と青を基調にした膝下丈のドレスに甲冑を身に着けた、まさに姫騎士様とでも形容したくなるようないで立ちだった。
一目で分かる。
彼女が聖女だ。
俺が卑屈な性格だからではなく、純粋に俺は思った。
目の前の、全ての男性を虜にしてしまう程の凛々しさと美しさを兼ね備えた彼女は明らかに、別格の主人公であり、ヒロインだった。
彼女を表紙に描き、彼女の二次創作を作り、彼女のフィギュアを買い、コミケでは彼女のコスプレをする人が後を絶たない。
そんな圧倒的なヒロインがそこにはいた。
(凄いな……)
俺はミューに操を立てているので、目の前の聖女様にゲスい劣情を抱くことは無いが、それでもその乙女武神のような神々しさに緊張さえ覚えてしまう。
本当に俺なんかが、こんな人と旅なんてしてしまって良いのだろうか。
「君が、聖女様だったのだね。アイシャ」
臆せずに言葉を発する兄上。
さすがです兄上。
きっとこの場で、この美しい姫騎士様を目の前に堂々とできるのは、同じ顔を持つ令嬢を婚約者に持つあなただけでしょう。
おめでとう兄上。
ありがとう兄上。
「はい、お久しぶりでございます。ヴェローニ様」
馬から降りて、彼女はそう言うと、父グレットンの前で膝をつき、うやうやしく首を垂れた。
正直、国王陛下に次ぐ身分になったというのに、礼儀正しいのはとても好感が持てた。まあ、聖女様とはいえ、その前は伯爵令嬢だったのだから分からんでもないが。
「リーシャ・フィアローディの双子の妹、アイシャ・フィアローディ。聖女として王宮に向かう道すがら、公爵領に姉を送り届ける任務を仰せつかりました。そして……」
アイシャは本来の目的を口にした。
「公爵領に誕生した私の戦友となって下さる『魔法使い』殿と先に合流すべく、この地に参りましてございます」
彼女の目的は、あくまでも俺との合流だ。
いや、正確には、各地に誕生したであろう「魔法使い」との合流だ。
前世、ヴァルクリスの時からずっと考えていた「聖女のパーティーへの参加」という課題。
これは今や、フェリエラの圧倒的な力の前に瞬殺された俺にとっては、使命の為の最低条件であった。
そして俺は、ルレーフェとしての今世で、それを「魔法使いと偽る」ことで攻略しようとした。
今、その課題の達成が目の前にある。
(『……慎重に』)
ベル様に言われた言葉を思い出す。
本来ならば聖女であるアイシャに全てを話して、力になってもらうのが最善なのだろうが、アイシャから別の人間に情報が洩れないとも限らない。
それにこの国では、聖女と魔法使いは絶対の地位にあり、逆にそれを偽り語ることは、極刑確定の重罪である。聖女アイシャが融通の利かない正義マンだった場合、俺の死罪が確定してしまう。
そんな訳で、アイシャには申し訳ないが、俺は真実を、聖女も国王も含め全ての人間に隠し通すことを選択した。
「国王陛下からの手紙には、『公爵領の魔法使い殿は、大型魔物一体と、百体以上の小型魔物をたった一人で殲滅した』とありました。公爵様、どうか類まれなるそのお方の力を、私めにお貸しいただきたく存じます」
立ち上がったアイシャはそう言うと、再び頭を下げた。
この世界を魔王から救う救世主である聖女アイシャ・フィアローディ。
彼女は正に聖女だった。
驕り高ぶらず、力をひけらかさず、相手に敬意を払い、きちんと首を垂れて、領地の長である父上に助力を願い出た。
地球時代、特に勇者パーティー追放系のラノベにおいて、胸糞勇者や胸糞聖女を腐るほど見て来たが、彼女はどうやら立派な心の持ち主の様である。
これは本当に俺にとっては僥倖だった。
一緒に旅をすることを義務付けられたパーティーの主人公が胸糞女だったら、魔王をブレイクする前に俺の精神がブレイクする。
まあ、俺が魔法使いというのは嘘なので、俺が勝手にその義務に飛び込んだだけなんだけど。それは言いっこなしで。
「もちろんです、聖女アイシャ殿。紹介いたしましょう。我が息子、ハーズワート公爵家三男、ルレーフェ・ハーズワート。彼こそが我がハーズワート公爵領の最強の魔法使いであります」
イヤ、「最強の」とか、そういうの良いから。普通に紹介してよ。
「聖女アイシャ様、お初にお目にかかります。ルレーフェ・ハーズワート。魔法使いとして、アイシャ様の旅に随行させて頂きます」
父上の紹介に対するツッコミはさておき、俺は一歩前に出て彼女の前に跪いた。一応、ルールでは聖女の方が上なのだ。大丈夫だとは思うが、面倒なことにならないように、最初だけでも筋は通しておかなくてはならない。
ちなみに、初めましてと挨拶したが、当然幼いころに一度だけ会ったことはある。しかし、当時はほとんど話したことも無く、お互い誰かも認識していなかったような時分の話だ。ほとんど初めましてみたいなものだろう。「よう、久しぶり」なんて馴れ馴れしい挨拶は、口が裂けても出来なかった。
「あ、いえ、お顔をお上げ下さい、ルレーフェ様」
アイシャは、慌ててしゃがみ込み、俺の手を取るとそう言って俺を立ち上がらせた。
う、なんだよ、なかなか良い子じゃんか。
「それに初めましてではありませんよ。お久しぶりですね、ルレーフェ様。その、私のことなど覚えていらっしゃいませんでしょうが……」
「いえ、勿論覚えております、アイシャ様。しかし、その、アイシャ様が私の事など覚えていようハズも無いと思い、そう申し上げてしまいました次第です」
「ふふふ、そうでしたか。では、おあいこですね」
アイシャはそう言うと、花が咲いたように笑った。
悔しいが、俺が生涯、花が咲いたように笑う、という表現をしたのは、ミューとエフィリアだけである。
認めよう。この外見も、そして中身も美しいアイシャ・フィアローディという女の子は、聖女と呼ばれるにふさわしい人間であった。
「これから、宜しくお願いしますね、ルレーフェ様」
花が咲いたような笑顔……という表現は悔しいので使わないでおこう。
そう、見たものを天に昇天させるような笑顔でアイシャは俺にそう言うと、改めて俺の手を取った。
あれ? 表現のレベル上がってる?
「いや、ルルで構わないですよ、アイシャ様」
「では、私も、アイシャとお呼びください、ルル」
まあ、良いじゃないか。
魔王フェリエラのブレイクまで先は長いのだ。
その道中、共に歩む仲間が、超絶美少女でしかも性格も良いなんて、嬉しい誤算だ。
少なくとも三人目の魔法使いがパーティーに加わるまでは、お別れすることは無さそうだ。
と。
その時の俺は、奇しくもそんな、真逆の未来を想定していたのだった。
――その夜。
俺はアイシャ、そしてアイシャの兄のセリウスと共に父上の部屋にいた。
これからの俺たちの旅の流れを確認するために。
リーシャも、これからは公爵邸で暮らすことになるので諸々と話す必要があるはずなのだが、それはヴェローニと宰相のベガーテが担当となった。
「さて、ルル、お前はこれからアイシャ様と共に王宮に向かうことになる訳だが、その前に伝えておかなくてはならない」
「はい、父上」
「フィアローディ伯爵も、ハーズワート公爵である私もそうだが、聖女、或いは魔法使いが見つかった領地の長は、その事実を秘密裏に王宮に伝える事になっておる。もちろんこれは、聖女と魔法使いの命を守るためだ。
今回のように、アイシャ様の王宮までの通り道にたまたま魔法使いがいて、その情報が聖女様に渡るのは極めて例外的措置であるのだが。まあ、つまり王宮に行けば、今どこに魔法使いがいるのか、それがお前たちに分かるはずだ」
勿論、ここまでは知っているし、当然のことだと思った。目覚めたばかりの聖女や魔法使いが幹部魔物に見つかり、あっさりと殺されては目も当てられないからな。それに、俺の情報の件も、効率を考えればまあ当然の事だ。
「しかし、それ以外にも王宮には多くの情報が集まっているはずだ。公爵家では把握しきれない、遠方の領地や魔物の状況もな」
そして父上は立ち上がって言った。
「我が息子ルレーフェ・ハーズワートよ。お前は、王宮にてその情報を聞き、聖女アイシャ様と共に、各地に潜んでいるであろう魔法使い達を集めつつ滅んだ領地を取り戻し、カートライア辺境伯領に現れた魔王フェリエラを討て!」
カートライア辺境伯領。
久しぶりにその言葉を聞いて、ここしばらくのんびりした生活が続いていた俺の心に火が付いた。
ここまで、色々計画を練り、無事に聖女パーティーに参加するというミッションは果たした。
ようやくここから始まるんだ。俺の異世界でのリベンジマッチが。
「お任せください、父上! 必ずや魔王フェリエラの首を取って御覧に入れます」
父上の部屋を出て、アイシャと二人きりになる。
……やはりちょっと緊張するな。
惚れたはれたとか、そういうんではない。
これまでアイドルとかそういうのに全く興味が無かったのに、いきなり何とか坂グループのセンターの子と二人旅することになったと思ってもらえれば分かり易いと思う。俺のはそういう緊張だ。
「明日から、頑張りましょうね、ルル」
そんな俺の緊張を気にも留めず、アイシャは微笑んで俺にそう言った。
「あ、ああ、そうだな、よろしく」
緊張からか、若干そっけなくなってしまう。
「あの、ルル。私みたいな小娘では不安かもしれませんけど、精一杯頑張りますので、その……」
俺のそっけない反応の原因が自分にあると勘違いしたのだろう。アイシャは少し悲しそうに言った。
いやいや、仲間を、しかも女の子を不安がらせて、一体何をやってるんだ俺は。中学生じゃあるまいし!
「いや違うんだアイシャ。女の子と二人旅なんて初めてだからさ、緊張してしまっただけだよ」
「そう、でしたか。私の事、嫌ではありませんか?」
「そんなはずはないさ」
俺の言葉に、アイシャは何とか笑顔を取り戻してくれた。
「そうですか、良かったです。私は、仲間がルルで良かったです」
「どうして?」
ついついそう聞いてしまう。
卑屈なのは悪い癖だとは思うが、俺で良かったと思う根拠など俺には皆無だと思う。彼女がここに来てからはそっけなかったし、昔も今も別に優しくしたりしてはいない。顔はまあイケメンに産まれたとは思うけど。後は公爵家の息子ってくらいしか、俺の武器は無いと思うぞ。
ついでに言えば、この反応で彼女の本心が垣間見えるかもしれない。
優しさか、機嫌を取ろうとしているのか。それで俺に世辞やおべっかを使うのか、それとも本心か、なんにせよ、そう言うのを敏感に察知するのは得意である。
「あなたが公爵家の方だからです」
(は?)
「あなたが優しそうだから」とか、「年が近くて」とか、「昔から好きでした」とか、なんかそういうテンプレが来るものだとばかり思っていたのに、斜め上を良く言葉がアイシャの口から飛び出した。
いやいやいや!
そのセリフ、「立派な聖女様」の着地点見えないんだけど? 大丈夫か?
額面通りに受け止めれば、「公爵家チャンス!」って意味にしか聞こえない。
……いや、だから。
俺を落とせば公爵家の一員になれるし、懇意になるだけでも公爵家とのつながりが出来る訳じゃん。
どちらにせよ「こぉーしゃくけぇーーチャーーーンス!」な訳。
「それはどうして?」
「可能性で考えれば、魔法使いの方は、てっきり平民だと思っていたので」
おいおいおい。
マジで『階級社会に毒された箱入り令嬢だった説』が急浮上してるんですけど。確かに階級社会のこの世界の常識で照らし合わせれば、そんなに異常な思考ではないはずなんだけど、俺、平民をさげすむような聖女様と一緒に旅をしていける自信ないよ?!
「私、平民の方の常識とか感覚とかが分からないかもしれなくって。私の何気ない発言とか振る舞いで傷つけたり、嫌な思いをさせてしまうかも、と思うととても心配だったので。」
あ。
……ソウデスカ。
「公爵家チャンス!」とか心で叫んでいた自分が嫌になるぜ、ったく。
彼女はやはり、どこまで行っても聖女様だった。
――翌日。
俺とアイシャは荷物を馬に積み込んだ。
父上から、装備や路銀、そして調べものをするのに必要な許可を求めた書状など、諸々がっつりと助けて貰ったその成果である。正直、少しくらい贅沢しても問題無いくらいの、かなり気ままな旅が出来そうなほどの余裕はあるだろう。
まあ、ここがディストピアな世界じゃなければの話だけどね。
「それでは行ってまいります、父上、兄上。兄上は、リーシャ様と仲良くね」
「ここまでありがとうございました。道中お気をつけてお帰り下さい、セリウス兄さま。リーシャ姉さま、ヴェローニ様を困らせちゃあ駄目ですよ」
俺とアイシャは、各々家族に別れを告げた。
さて、ようやく旅立ちだ。随分と待ち望んだぞ。
ベル様に乞われ、救世主としてきた世界。
しかし、世界の救済などどうでも良い。
俺の目的は、もうエフィリアとミューとの時間を取り戻す。それだけだ。結果が同じならそっちの方が俄然やる気が出る。
「さあ、行こうか、聖女アイシャ!」
「ええ、行きましょう、魔法使いルル!」
こうして、聖女と共に歩む、俺のリベンジの旅が始まった。
(第14話『披露 その1』へつづく)
整理しよう。
この一団は、聖女様御一行である。
そして馬車には護衛として、長男のセリウス殿が先頭の馬に跨っている。
護衛された馬車から降り立ったのは、リーシャ嬢。
状況証拠が全てを物語っていた。
『リーシャ・フィアローディ伯爵令嬢が聖女様である』と。
そして付け加えるなら、『兄上が旅に同行すると言い出して父上と壮絶なバトルを繰り広げる未来が確定した』という事も。
うおおお!! クソめんどくせー!!!
「リーシャ嬢、どどどどうしてここに?」
当然、一目惚れした婚約者に会えた嬉しさもあるのだろうが、それでも兄上は若干ひきつっていた。
『セリフ裏』という言葉がある。
これは俺が生前の地球で知った言葉なのだが。
俳優さんたちの使う芸能用語だ。
台本に書かれたセリフとは別の「本音」の事を指す言葉らしい。
例えば、ツンデレ女子が好きな男子に言う「あ、あんたなんて好きでもなんでもないんだからね!」というセリフがあったとしたら、そのセリフ裏は「好き! めっちゃ好き!」みたいな感じだ。
そして、この兄上の「どうしてここに?」のセリフ裏は、完全に、
「ま、まさかチミ、せ、聖女じゃないよね?」だった。
リーシャ嬢は、ヴェローニの手を取ると、満面の笑みで言った。
「はい。聖女が王都に向かう際、公爵領と通るとのことで、このタイミングでここまで同行させてもらうのが最も安全だと父上に言われましたので」
……。
俺とヴェローニは顔を顔を見合わせた。
ヴェローニはハニワのような顔をしていた。多分俺も。
……おや?
おやおやおやおや!? 今何と!?
聖女と同行?
どうやら最悪の事態は避けられたようである。
そして、同時に俺たちの心に湧いた疑問を、兄上が先に口にしてくれた。
「そうでしたか。それで、聖女様はいずこに?」
その時である。
兄上がそう言った瞬間に、その場の空気が変わった。
殿を務めていたらしき女性騎士が騎乗したまま、ゆっくりと近づいて来ていたのだ。
リーシャ嬢と同じ顔をしたその騎士は、美しい金髪をなびかせ、白と青を基調にした膝下丈のドレスに甲冑を身に着けた、まさに姫騎士様とでも形容したくなるようないで立ちだった。
一目で分かる。
彼女が聖女だ。
俺が卑屈な性格だからではなく、純粋に俺は思った。
目の前の、全ての男性を虜にしてしまう程の凛々しさと美しさを兼ね備えた彼女は明らかに、別格の主人公であり、ヒロインだった。
彼女を表紙に描き、彼女の二次創作を作り、彼女のフィギュアを買い、コミケでは彼女のコスプレをする人が後を絶たない。
そんな圧倒的なヒロインがそこにはいた。
(凄いな……)
俺はミューに操を立てているので、目の前の聖女様にゲスい劣情を抱くことは無いが、それでもその乙女武神のような神々しさに緊張さえ覚えてしまう。
本当に俺なんかが、こんな人と旅なんてしてしまって良いのだろうか。
「君が、聖女様だったのだね。アイシャ」
臆せずに言葉を発する兄上。
さすがです兄上。
きっとこの場で、この美しい姫騎士様を目の前に堂々とできるのは、同じ顔を持つ令嬢を婚約者に持つあなただけでしょう。
おめでとう兄上。
ありがとう兄上。
「はい、お久しぶりでございます。ヴェローニ様」
馬から降りて、彼女はそう言うと、父グレットンの前で膝をつき、うやうやしく首を垂れた。
正直、国王陛下に次ぐ身分になったというのに、礼儀正しいのはとても好感が持てた。まあ、聖女様とはいえ、その前は伯爵令嬢だったのだから分からんでもないが。
「リーシャ・フィアローディの双子の妹、アイシャ・フィアローディ。聖女として王宮に向かう道すがら、公爵領に姉を送り届ける任務を仰せつかりました。そして……」
アイシャは本来の目的を口にした。
「公爵領に誕生した私の戦友となって下さる『魔法使い』殿と先に合流すべく、この地に参りましてございます」
彼女の目的は、あくまでも俺との合流だ。
いや、正確には、各地に誕生したであろう「魔法使い」との合流だ。
前世、ヴァルクリスの時からずっと考えていた「聖女のパーティーへの参加」という課題。
これは今や、フェリエラの圧倒的な力の前に瞬殺された俺にとっては、使命の為の最低条件であった。
そして俺は、ルレーフェとしての今世で、それを「魔法使いと偽る」ことで攻略しようとした。
今、その課題の達成が目の前にある。
(『……慎重に』)
ベル様に言われた言葉を思い出す。
本来ならば聖女であるアイシャに全てを話して、力になってもらうのが最善なのだろうが、アイシャから別の人間に情報が洩れないとも限らない。
それにこの国では、聖女と魔法使いは絶対の地位にあり、逆にそれを偽り語ることは、極刑確定の重罪である。聖女アイシャが融通の利かない正義マンだった場合、俺の死罪が確定してしまう。
そんな訳で、アイシャには申し訳ないが、俺は真実を、聖女も国王も含め全ての人間に隠し通すことを選択した。
「国王陛下からの手紙には、『公爵領の魔法使い殿は、大型魔物一体と、百体以上の小型魔物をたった一人で殲滅した』とありました。公爵様、どうか類まれなるそのお方の力を、私めにお貸しいただきたく存じます」
立ち上がったアイシャはそう言うと、再び頭を下げた。
この世界を魔王から救う救世主である聖女アイシャ・フィアローディ。
彼女は正に聖女だった。
驕り高ぶらず、力をひけらかさず、相手に敬意を払い、きちんと首を垂れて、領地の長である父上に助力を願い出た。
地球時代、特に勇者パーティー追放系のラノベにおいて、胸糞勇者や胸糞聖女を腐るほど見て来たが、彼女はどうやら立派な心の持ち主の様である。
これは本当に俺にとっては僥倖だった。
一緒に旅をすることを義務付けられたパーティーの主人公が胸糞女だったら、魔王をブレイクする前に俺の精神がブレイクする。
まあ、俺が魔法使いというのは嘘なので、俺が勝手にその義務に飛び込んだだけなんだけど。それは言いっこなしで。
「もちろんです、聖女アイシャ殿。紹介いたしましょう。我が息子、ハーズワート公爵家三男、ルレーフェ・ハーズワート。彼こそが我がハーズワート公爵領の最強の魔法使いであります」
イヤ、「最強の」とか、そういうの良いから。普通に紹介してよ。
「聖女アイシャ様、お初にお目にかかります。ルレーフェ・ハーズワート。魔法使いとして、アイシャ様の旅に随行させて頂きます」
父上の紹介に対するツッコミはさておき、俺は一歩前に出て彼女の前に跪いた。一応、ルールでは聖女の方が上なのだ。大丈夫だとは思うが、面倒なことにならないように、最初だけでも筋は通しておかなくてはならない。
ちなみに、初めましてと挨拶したが、当然幼いころに一度だけ会ったことはある。しかし、当時はほとんど話したことも無く、お互い誰かも認識していなかったような時分の話だ。ほとんど初めましてみたいなものだろう。「よう、久しぶり」なんて馴れ馴れしい挨拶は、口が裂けても出来なかった。
「あ、いえ、お顔をお上げ下さい、ルレーフェ様」
アイシャは、慌ててしゃがみ込み、俺の手を取るとそう言って俺を立ち上がらせた。
う、なんだよ、なかなか良い子じゃんか。
「それに初めましてではありませんよ。お久しぶりですね、ルレーフェ様。その、私のことなど覚えていらっしゃいませんでしょうが……」
「いえ、勿論覚えております、アイシャ様。しかし、その、アイシャ様が私の事など覚えていようハズも無いと思い、そう申し上げてしまいました次第です」
「ふふふ、そうでしたか。では、おあいこですね」
アイシャはそう言うと、花が咲いたように笑った。
悔しいが、俺が生涯、花が咲いたように笑う、という表現をしたのは、ミューとエフィリアだけである。
認めよう。この外見も、そして中身も美しいアイシャ・フィアローディという女の子は、聖女と呼ばれるにふさわしい人間であった。
「これから、宜しくお願いしますね、ルレーフェ様」
花が咲いたような笑顔……という表現は悔しいので使わないでおこう。
そう、見たものを天に昇天させるような笑顔でアイシャは俺にそう言うと、改めて俺の手を取った。
あれ? 表現のレベル上がってる?
「いや、ルルで構わないですよ、アイシャ様」
「では、私も、アイシャとお呼びください、ルル」
まあ、良いじゃないか。
魔王フェリエラのブレイクまで先は長いのだ。
その道中、共に歩む仲間が、超絶美少女でしかも性格も良いなんて、嬉しい誤算だ。
少なくとも三人目の魔法使いがパーティーに加わるまでは、お別れすることは無さそうだ。
と。
その時の俺は、奇しくもそんな、真逆の未来を想定していたのだった。
――その夜。
俺はアイシャ、そしてアイシャの兄のセリウスと共に父上の部屋にいた。
これからの俺たちの旅の流れを確認するために。
リーシャも、これからは公爵邸で暮らすことになるので諸々と話す必要があるはずなのだが、それはヴェローニと宰相のベガーテが担当となった。
「さて、ルル、お前はこれからアイシャ様と共に王宮に向かうことになる訳だが、その前に伝えておかなくてはならない」
「はい、父上」
「フィアローディ伯爵も、ハーズワート公爵である私もそうだが、聖女、或いは魔法使いが見つかった領地の長は、その事実を秘密裏に王宮に伝える事になっておる。もちろんこれは、聖女と魔法使いの命を守るためだ。
今回のように、アイシャ様の王宮までの通り道にたまたま魔法使いがいて、その情報が聖女様に渡るのは極めて例外的措置であるのだが。まあ、つまり王宮に行けば、今どこに魔法使いがいるのか、それがお前たちに分かるはずだ」
勿論、ここまでは知っているし、当然のことだと思った。目覚めたばかりの聖女や魔法使いが幹部魔物に見つかり、あっさりと殺されては目も当てられないからな。それに、俺の情報の件も、効率を考えればまあ当然の事だ。
「しかし、それ以外にも王宮には多くの情報が集まっているはずだ。公爵家では把握しきれない、遠方の領地や魔物の状況もな」
そして父上は立ち上がって言った。
「我が息子ルレーフェ・ハーズワートよ。お前は、王宮にてその情報を聞き、聖女アイシャ様と共に、各地に潜んでいるであろう魔法使い達を集めつつ滅んだ領地を取り戻し、カートライア辺境伯領に現れた魔王フェリエラを討て!」
カートライア辺境伯領。
久しぶりにその言葉を聞いて、ここしばらくのんびりした生活が続いていた俺の心に火が付いた。
ここまで、色々計画を練り、無事に聖女パーティーに参加するというミッションは果たした。
ようやくここから始まるんだ。俺の異世界でのリベンジマッチが。
「お任せください、父上! 必ずや魔王フェリエラの首を取って御覧に入れます」
父上の部屋を出て、アイシャと二人きりになる。
……やはりちょっと緊張するな。
惚れたはれたとか、そういうんではない。
これまでアイドルとかそういうのに全く興味が無かったのに、いきなり何とか坂グループのセンターの子と二人旅することになったと思ってもらえれば分かり易いと思う。俺のはそういう緊張だ。
「明日から、頑張りましょうね、ルル」
そんな俺の緊張を気にも留めず、アイシャは微笑んで俺にそう言った。
「あ、ああ、そうだな、よろしく」
緊張からか、若干そっけなくなってしまう。
「あの、ルル。私みたいな小娘では不安かもしれませんけど、精一杯頑張りますので、その……」
俺のそっけない反応の原因が自分にあると勘違いしたのだろう。アイシャは少し悲しそうに言った。
いやいや、仲間を、しかも女の子を不安がらせて、一体何をやってるんだ俺は。中学生じゃあるまいし!
「いや違うんだアイシャ。女の子と二人旅なんて初めてだからさ、緊張してしまっただけだよ」
「そう、でしたか。私の事、嫌ではありませんか?」
「そんなはずはないさ」
俺の言葉に、アイシャは何とか笑顔を取り戻してくれた。
「そうですか、良かったです。私は、仲間がルルで良かったです」
「どうして?」
ついついそう聞いてしまう。
卑屈なのは悪い癖だとは思うが、俺で良かったと思う根拠など俺には皆無だと思う。彼女がここに来てからはそっけなかったし、昔も今も別に優しくしたりしてはいない。顔はまあイケメンに産まれたとは思うけど。後は公爵家の息子ってくらいしか、俺の武器は無いと思うぞ。
ついでに言えば、この反応で彼女の本心が垣間見えるかもしれない。
優しさか、機嫌を取ろうとしているのか。それで俺に世辞やおべっかを使うのか、それとも本心か、なんにせよ、そう言うのを敏感に察知するのは得意である。
「あなたが公爵家の方だからです」
(は?)
「あなたが優しそうだから」とか、「年が近くて」とか、「昔から好きでした」とか、なんかそういうテンプレが来るものだとばかり思っていたのに、斜め上を良く言葉がアイシャの口から飛び出した。
いやいやいや!
そのセリフ、「立派な聖女様」の着地点見えないんだけど? 大丈夫か?
額面通りに受け止めれば、「公爵家チャンス!」って意味にしか聞こえない。
……いや、だから。
俺を落とせば公爵家の一員になれるし、懇意になるだけでも公爵家とのつながりが出来る訳じゃん。
どちらにせよ「こぉーしゃくけぇーーチャーーーンス!」な訳。
「それはどうして?」
「可能性で考えれば、魔法使いの方は、てっきり平民だと思っていたので」
おいおいおい。
マジで『階級社会に毒された箱入り令嬢だった説』が急浮上してるんですけど。確かに階級社会のこの世界の常識で照らし合わせれば、そんなに異常な思考ではないはずなんだけど、俺、平民をさげすむような聖女様と一緒に旅をしていける自信ないよ?!
「私、平民の方の常識とか感覚とかが分からないかもしれなくって。私の何気ない発言とか振る舞いで傷つけたり、嫌な思いをさせてしまうかも、と思うととても心配だったので。」
あ。
……ソウデスカ。
「公爵家チャンス!」とか心で叫んでいた自分が嫌になるぜ、ったく。
彼女はやはり、どこまで行っても聖女様だった。
――翌日。
俺とアイシャは荷物を馬に積み込んだ。
父上から、装備や路銀、そして調べものをするのに必要な許可を求めた書状など、諸々がっつりと助けて貰ったその成果である。正直、少しくらい贅沢しても問題無いくらいの、かなり気ままな旅が出来そうなほどの余裕はあるだろう。
まあ、ここがディストピアな世界じゃなければの話だけどね。
「それでは行ってまいります、父上、兄上。兄上は、リーシャ様と仲良くね」
「ここまでありがとうございました。道中お気をつけてお帰り下さい、セリウス兄さま。リーシャ姉さま、ヴェローニ様を困らせちゃあ駄目ですよ」
俺とアイシャは、各々家族に別れを告げた。
さて、ようやく旅立ちだ。随分と待ち望んだぞ。
ベル様に乞われ、救世主としてきた世界。
しかし、世界の救済などどうでも良い。
俺の目的は、もうエフィリアとミューとの時間を取り戻す。それだけだ。結果が同じならそっちの方が俄然やる気が出る。
「さあ、行こうか、聖女アイシャ!」
「ええ、行きましょう、魔法使いルル!」
こうして、聖女と共に歩む、俺のリベンジの旅が始まった。
(第14話『披露 その1』へつづく)
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気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
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異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
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