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本編
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レベッカちゃんは学園で私より一つ学年が上だった。ちなみにグレンのクラスメイト。だからグレンとも面識あったんだね。
私早速会いに行っちゃったよ。地球時代もそうだけど、上級生の教室に行くのって緊張するよね。ちょっとドキドキしながら教室覗くと、すぐドアの側に居た生徒とバッチリ目が合った。
「あれ、君は……グレンに会いに来たの?」
私のこと知ってるのか。しかもグレン呼びとは仲良いんだな。誰だろ?顔より青い髪に目が行っちゃう。私には見慣れない髪色もこの世界では普通に多いんだよね。アンジェリカもだけどさ。
「いえ全然違います。レベッカちゃんはいますか?」
「レベッカ?ちょっと待っててな」
そう言うと青髪君おいでおいでするみたいに手振った。
「何してるんです?」
「ああ、ベッキー……レベッカは俺の婚約者でさ、念を送れば伝わる刻印が互いに刻んであるんだ。今彼女呼んだとこ」
お、こやつが例の浮気男か。ふーん……中々男らしい顔で結構カッコいい。体もガッチリしてて体だけならタイプだ。体だけね!
「へえそんな便利なものが……ん?刻印なんてしたら別れた時どうなるの?」
「別れること前提に刻印なんてしないぞ。って俺より優秀な君の方がそういうの詳しいんじゃないのか?」
「え!あ、あははそうだったかな!?」
記憶ないです!って公言できないからこういう時面倒なんだよね。笑って誤魔化してるウチに、レベッカちゃんが本当にやってきた。
「まあ、アンジェリカ様!」
「レベッカちゃん会いたくてきちゃった!」
「あら、うふふ」
もう仕方ない子ね、みたいにレベッカちゃんが優しく笑ってくれた。んーやっぱ綺麗なお姉さんだなあ。
「アンジェリカ様、それでは後でランチでもご一緒に如何ですか?」
「え!いいの!?嬉しいなあ」
こんな綺麗なお姉さんとランチなんてそらもうでへって顔緩んじゃうよね。
「お前は今日もだらしない顔だな」
うわっ!出たグレン!ちょっとはしゃぎ過ぎて気付かれてしまったか。
「あんたに用はないよ。レベッカちゃんに会いに来ただけ」
つんって顔背けると、グレンに鼻摘まれた。
「ふがっ!何ふんのよ!?」
「この俺がわざわざ来てやったのに生意気な奴だな」
「頼んでないひっ!」
「あ、あの!殿下も宜しければランチご一緒に如何ですか?」
「レベッカ嬢たっての誘いなら断れないな」
おい、貴様誰だよ。私以外にはやけに紳士的じゃないか。キラッキラのスマイル付きとかさ。そもそも乙女の鼻つまむとかありえないしっ!
「グレンも行くのか?なら俺も混ざりたいな」
レベッカちゃんはやれやれって感じで溜息つくと、困った様に私の顔を見た。あ、私まだ鼻つままれたままやん!
「アンジェリカ様、彼は私の婚約者アーサーです。彼もよろしいでしょうか?」
「俺アーサー・グリフィン。よろしくな!」
アーサーはニカって屈託なく笑った。うーん陽キャだ。そしてこの笑顔にもなんかムクムクと既視感が湧いてきたよ。あああ!やっぱいたよこの顔!パッケージにさ!彼も攻略対象だ(当然未攻略だけど)。
ちなみにグリフィンは伯爵家。確か古い家柄で名門だった筈。
「もつろん!あたしアンジェリカ、よろふくねアーサー」
鼻つまんでるグレンの手ペシペシ叩きながらアーサーに挨拶すると、アーサー吹き出す。何だこれコントかよ。
「いいね、こんなグレン初めてみたわ。アンジェリカちゃん噂とは随分違う子なんだな」
ひーひー笑いながらアーサー……こいつは私と同じ匂いがする。考えなしに発言しちゃって後で痛い目見るタイプだ。だからかな、何か憎めないんだよなあ。
ぺちっとグレンの手を叩き落とした所でアーサー爆笑。
「アンジェリカ様、彼悪気はないんです。すみません……」
こういうしっかり者に手綱握って貰って彼は丁度いいね、うん。
「私は大丈夫!アーサー」
私は腹抱えてゲラゲラ笑ってる彼の顎を掴んで上向かせると、(笑い過ぎで)涙溜めてる目を下からぐっと覗き込んだ。
「レベッカちゃん泣かせたら許さないからね」
ニコって笑うとアーサーは「お、おう」って目シパシパさせながら頷いた。よし私の気は済んだ。またねって帰ろうとしたらグイって首根っこ掴まれた。ぐえってなったよ酷いよ!
「一度も俺には会いに来ないくせに、本当に憎たらしい奴だな」
「会いたいならあんたが来ればいいでしょ!」
「お前は……俺に会いたくないのか?」
は?何この流れ?キャラ変?
「何だかんだ毎日会ってるじゃん」
全く教室の入り口でする話じゃないよね。話切り上げようと首根っこ捕まえてるグレンの手握ったら後ろから抱き締められた。何だこれ?
「また後で、な」
頬っぺたに生暖かい感触。この時グレンの顔見る勇気なくて私そのまま教室飛び出しちゃった。
心臓バクバクしてるのは走ったせい。ただの生理現象だから!
その後の授業はどこか上の空で、機械的にカメラアイでただ板書を写しとるだけだった。
今更頬っぺにチューくらいで何動揺してるんだ私は。しょっぱなキスだってされてるのにさ。私自身は恋愛経験だってそれなりにある。でも何だろ、この甘酸っぱい様なお尻がむず痒い感じ?これが青春ってやつなの?やめてーそんな柄じゃないから!
ペチって両手で頬っぺた挟んだらちょっとスッキリした。私はまずここで生きてく目標探さないとね!気持ち切り替えよっと!
私早速会いに行っちゃったよ。地球時代もそうだけど、上級生の教室に行くのって緊張するよね。ちょっとドキドキしながら教室覗くと、すぐドアの側に居た生徒とバッチリ目が合った。
「あれ、君は……グレンに会いに来たの?」
私のこと知ってるのか。しかもグレン呼びとは仲良いんだな。誰だろ?顔より青い髪に目が行っちゃう。私には見慣れない髪色もこの世界では普通に多いんだよね。アンジェリカもだけどさ。
「いえ全然違います。レベッカちゃんはいますか?」
「レベッカ?ちょっと待っててな」
そう言うと青髪君おいでおいでするみたいに手振った。
「何してるんです?」
「ああ、ベッキー……レベッカは俺の婚約者でさ、念を送れば伝わる刻印が互いに刻んであるんだ。今彼女呼んだとこ」
お、こやつが例の浮気男か。ふーん……中々男らしい顔で結構カッコいい。体もガッチリしてて体だけならタイプだ。体だけね!
「へえそんな便利なものが……ん?刻印なんてしたら別れた時どうなるの?」
「別れること前提に刻印なんてしないぞ。って俺より優秀な君の方がそういうの詳しいんじゃないのか?」
「え!あ、あははそうだったかな!?」
記憶ないです!って公言できないからこういう時面倒なんだよね。笑って誤魔化してるウチに、レベッカちゃんが本当にやってきた。
「まあ、アンジェリカ様!」
「レベッカちゃん会いたくてきちゃった!」
「あら、うふふ」
もう仕方ない子ね、みたいにレベッカちゃんが優しく笑ってくれた。んーやっぱ綺麗なお姉さんだなあ。
「アンジェリカ様、それでは後でランチでもご一緒に如何ですか?」
「え!いいの!?嬉しいなあ」
こんな綺麗なお姉さんとランチなんてそらもうでへって顔緩んじゃうよね。
「お前は今日もだらしない顔だな」
うわっ!出たグレン!ちょっとはしゃぎ過ぎて気付かれてしまったか。
「あんたに用はないよ。レベッカちゃんに会いに来ただけ」
つんって顔背けると、グレンに鼻摘まれた。
「ふがっ!何ふんのよ!?」
「この俺がわざわざ来てやったのに生意気な奴だな」
「頼んでないひっ!」
「あ、あの!殿下も宜しければランチご一緒に如何ですか?」
「レベッカ嬢たっての誘いなら断れないな」
おい、貴様誰だよ。私以外にはやけに紳士的じゃないか。キラッキラのスマイル付きとかさ。そもそも乙女の鼻つまむとかありえないしっ!
「グレンも行くのか?なら俺も混ざりたいな」
レベッカちゃんはやれやれって感じで溜息つくと、困った様に私の顔を見た。あ、私まだ鼻つままれたままやん!
「アンジェリカ様、彼は私の婚約者アーサーです。彼もよろしいでしょうか?」
「俺アーサー・グリフィン。よろしくな!」
アーサーはニカって屈託なく笑った。うーん陽キャだ。そしてこの笑顔にもなんかムクムクと既視感が湧いてきたよ。あああ!やっぱいたよこの顔!パッケージにさ!彼も攻略対象だ(当然未攻略だけど)。
ちなみにグリフィンは伯爵家。確か古い家柄で名門だった筈。
「もつろん!あたしアンジェリカ、よろふくねアーサー」
鼻つまんでるグレンの手ペシペシ叩きながらアーサーに挨拶すると、アーサー吹き出す。何だこれコントかよ。
「いいね、こんなグレン初めてみたわ。アンジェリカちゃん噂とは随分違う子なんだな」
ひーひー笑いながらアーサー……こいつは私と同じ匂いがする。考えなしに発言しちゃって後で痛い目見るタイプだ。だからかな、何か憎めないんだよなあ。
ぺちっとグレンの手を叩き落とした所でアーサー爆笑。
「アンジェリカ様、彼悪気はないんです。すみません……」
こういうしっかり者に手綱握って貰って彼は丁度いいね、うん。
「私は大丈夫!アーサー」
私は腹抱えてゲラゲラ笑ってる彼の顎を掴んで上向かせると、(笑い過ぎで)涙溜めてる目を下からぐっと覗き込んだ。
「レベッカちゃん泣かせたら許さないからね」
ニコって笑うとアーサーは「お、おう」って目シパシパさせながら頷いた。よし私の気は済んだ。またねって帰ろうとしたらグイって首根っこ掴まれた。ぐえってなったよ酷いよ!
「一度も俺には会いに来ないくせに、本当に憎たらしい奴だな」
「会いたいならあんたが来ればいいでしょ!」
「お前は……俺に会いたくないのか?」
は?何この流れ?キャラ変?
「何だかんだ毎日会ってるじゃん」
全く教室の入り口でする話じゃないよね。話切り上げようと首根っこ捕まえてるグレンの手握ったら後ろから抱き締められた。何だこれ?
「また後で、な」
頬っぺたに生暖かい感触。この時グレンの顔見る勇気なくて私そのまま教室飛び出しちゃった。
心臓バクバクしてるのは走ったせい。ただの生理現象だから!
その後の授業はどこか上の空で、機械的にカメラアイでただ板書を写しとるだけだった。
今更頬っぺにチューくらいで何動揺してるんだ私は。しょっぱなキスだってされてるのにさ。私自身は恋愛経験だってそれなりにある。でも何だろ、この甘酸っぱい様なお尻がむず痒い感じ?これが青春ってやつなの?やめてーそんな柄じゃないから!
ペチって両手で頬っぺた挟んだらちょっとスッキリした。私はまずここで生きてく目標探さないとね!気持ち切り替えよっと!
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