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本編
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グレンの部屋からの帰り道、迷路みたいにやたら広い初めての場所──お約束通り迷子になりました!
馬車まで送るって言うグレンに素直に甘えとけば良かった……何かやたら親密にアンリアンリ呼ぶから照れ臭くてさ、早くグレンから離れたくて逃げるように部屋飛び出してきちゃった。
しかもこんな時に限って人のいないところに出るんだよね、ここ何処だろ?ちょっと暗くなってきてるから色とか良くわかんないけど、ここら一帯花壇みたいだ。日中に見たかったなあってちょっとぼーっとしてたら、後ろから肩叩かれた。
「どうしたの?迷子?」
ビックリして振り返ったら男、かな?逆光で良く見えないけど声と背格好から男と推測。
「はい、邸へ帰りたいのですが迷ってしまったようで……」
しゅんとしおらしくしてみる。
「それは難儀だね。馬車できているんだろ?送って行こう」
「良いんですか!?ありがとうございます!」
王宮にも親切な人が居たもんだなあ。差し出された手を縋るように掴んで素直にエスコートされてみる。そして明るい外灯の下に差し掛かった所で、私何の気なしに親切さんを見上げた。
「あっ……!」
何か思うより先に体が動く私。タックルするみたいに親切さんに思い切りぶつかって床に引き倒した。
バリーン!
私達が立っていた所辺りで、何やら陶器みたいなものが砕けてた。間一髪!あんなん当たったら死んじゃうよ!
「何てことだ……君怪我はない?」
はっと我に返ると、私親切さん押し倒してその上に乗っかってたよ。慌てて離れて初めて親切さんの顔を見た。
な、なんという美人!中性的だけど胸もないしれっきとした男性みたいだ。照明のせいかな?オレンジの髪もツヤツヤしてて凄く綺麗。
「私は大丈夫です。咄嗟に荒っぽいことしてごめんなさい」
「君は命の恩人だ、謝らないで。助けてくれてありがとう」
ふわって美人さんが笑う。少女漫画みたいにバックに花が咲き乱れる幻覚が見えちゃったよ。こんな綺麗な人だけど攻略キャラには……いなかったと思う。パッケージにいない隠しキャラとかだったらもうお手上げだけどね。おっとここはゲームじゃなくて現実なんだった。いかんいかん。
「誰かの不注意か事故か分かりませんけど、ちょっとこれは洒落になりませんね」
何かの欠片を見ながら私珍しく渋い顔する。こんな大きな音してるのに衛兵とか誰も来ないの?あり得ないわ。
「そうだね、犯人は必ず特定させよう。君、名前を聞いても?」
「あ、はい!私アンジェリカ・ヴァルクと申します」
ペコってお辞儀すると、あれ?一瞬微かに空気が凍ったような……気のせい?
「そう、君がアンジェリカ……」
「私のことをご存知なのですか?」
「王宮で君を知らない者は居ないよ。僕はシアだ」
「シアさん……痛い所ありませんか、立てますか?」
「大丈夫だよ、ありがとう。プライベートの君は噂と随分イメージ違うんだね」
「よく言われます。噂とは悪いもの程より誇張されるものですから」
しれっと偉そうに語ってみる。でも実際悪い噂の方が人間って面白がるしさ、ドンドン話ってのは大きくなるもんなんだ。
「そのようだね。僕も認識を改めよう。アンジェリカごめんね、最後まで送り届けたいんだけどここでお別れだ」
シアさんはホントに残念そうな顔をした。
「いえ、きっと犯人捕まえてくださいね!」
「うん、約束する。改めてお礼させてねアンジェリカ」
シアさんに帰り道を教えてもらって私達はその場で別れた。全くえらい目に遭ったよなあ。何かタイミングも落下地点も完璧に見えたんだよね。あれって事故?それとも──
馬車まで送るって言うグレンに素直に甘えとけば良かった……何かやたら親密にアンリアンリ呼ぶから照れ臭くてさ、早くグレンから離れたくて逃げるように部屋飛び出してきちゃった。
しかもこんな時に限って人のいないところに出るんだよね、ここ何処だろ?ちょっと暗くなってきてるから色とか良くわかんないけど、ここら一帯花壇みたいだ。日中に見たかったなあってちょっとぼーっとしてたら、後ろから肩叩かれた。
「どうしたの?迷子?」
ビックリして振り返ったら男、かな?逆光で良く見えないけど声と背格好から男と推測。
「はい、邸へ帰りたいのですが迷ってしまったようで……」
しゅんとしおらしくしてみる。
「それは難儀だね。馬車できているんだろ?送って行こう」
「良いんですか!?ありがとうございます!」
王宮にも親切な人が居たもんだなあ。差し出された手を縋るように掴んで素直にエスコートされてみる。そして明るい外灯の下に差し掛かった所で、私何の気なしに親切さんを見上げた。
「あっ……!」
何か思うより先に体が動く私。タックルするみたいに親切さんに思い切りぶつかって床に引き倒した。
バリーン!
私達が立っていた所辺りで、何やら陶器みたいなものが砕けてた。間一髪!あんなん当たったら死んじゃうよ!
「何てことだ……君怪我はない?」
はっと我に返ると、私親切さん押し倒してその上に乗っかってたよ。慌てて離れて初めて親切さんの顔を見た。
な、なんという美人!中性的だけど胸もないしれっきとした男性みたいだ。照明のせいかな?オレンジの髪もツヤツヤしてて凄く綺麗。
「私は大丈夫です。咄嗟に荒っぽいことしてごめんなさい」
「君は命の恩人だ、謝らないで。助けてくれてありがとう」
ふわって美人さんが笑う。少女漫画みたいにバックに花が咲き乱れる幻覚が見えちゃったよ。こんな綺麗な人だけど攻略キャラには……いなかったと思う。パッケージにいない隠しキャラとかだったらもうお手上げだけどね。おっとここはゲームじゃなくて現実なんだった。いかんいかん。
「誰かの不注意か事故か分かりませんけど、ちょっとこれは洒落になりませんね」
何かの欠片を見ながら私珍しく渋い顔する。こんな大きな音してるのに衛兵とか誰も来ないの?あり得ないわ。
「そうだね、犯人は必ず特定させよう。君、名前を聞いても?」
「あ、はい!私アンジェリカ・ヴァルクと申します」
ペコってお辞儀すると、あれ?一瞬微かに空気が凍ったような……気のせい?
「そう、君がアンジェリカ……」
「私のことをご存知なのですか?」
「王宮で君を知らない者は居ないよ。僕はシアだ」
「シアさん……痛い所ありませんか、立てますか?」
「大丈夫だよ、ありがとう。プライベートの君は噂と随分イメージ違うんだね」
「よく言われます。噂とは悪いもの程より誇張されるものですから」
しれっと偉そうに語ってみる。でも実際悪い噂の方が人間って面白がるしさ、ドンドン話ってのは大きくなるもんなんだ。
「そのようだね。僕も認識を改めよう。アンジェリカごめんね、最後まで送り届けたいんだけどここでお別れだ」
シアさんはホントに残念そうな顔をした。
「いえ、きっと犯人捕まえてくださいね!」
「うん、約束する。改めてお礼させてねアンジェリカ」
シアさんに帰り道を教えてもらって私達はその場で別れた。全くえらい目に遭ったよなあ。何かタイミングも落下地点も完璧に見えたんだよね。あれって事故?それとも──
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