乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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「アンリ、まだこんな所にいたのか!」

「え、グレン!?」

考え事しながらトボトボ歩いてたらグレンが前から走ってきた。

「こんな方向音痴だとは知らなかったな。念の為見に来て良かった」

「え?心配してくれたの?」

「当たり前だろ!」

そっか、当たり前なんだ。何かグレン怒ってるみたいだけど、これって心配してくれてるからなんだな。
ん?今日の私何かやけに素直じゃない?全部ぶっちゃけてスッキリしたからかな?

「心配かけてごめん。馬車まで送ってくれる?」

グレンすって目細めた。

「高くつくからな」

「任して!ウチお金持ちだから!」

今日こそはドヤ顔で胸張っちゃう!ヴァルク家は広大で豊かな領地持ちでかなり裕福なんだ。多少法外な請求されてもきっと大丈夫!きっと、多分……

「良心の範囲内でお願いします……」

グレンは鼻で笑うと私の手握ってスタスタ歩き出した。ついて行くのが精一杯で文句言う余裕もないよ。まさかそれが狙い?コンニャロー!

馬車に辿り着く頃にはぜーぜー息上がりまくり……アンジェリカ体力ないなあ情けない!馬車の前で深呼吸して息整えてから、ペコってグレンにお辞儀した。

「ホントに助かりました!ありがとうグレン様」

笑顔で顔上げたところ、ガッと顎掴まれて有無を言わさずキスされた。

「んー!?」

前も思ったけど何だこのフィット感?離れ難いような妙な気持ちになるんだよね。もう頭グチャグチャ訳わかんないから離してくれえええ!
ドンドン胸叩いたら抱きすくめられて益々身動きできなくなった。くっヤブヘビだったわ……

「高くつくって言っただろ?」

気付いたら耳元で囁かれて背筋ゾクゾク。無駄に声良いから変な気分になる!ホントやめて!

「ふ、良い顔が見れたな。邸まで送ろうか?」

「結構ですっ!」

もう私逃げるように馬車に飛び乗った。そして「グレンの馬鹿!」ってアホみたいな捨て台詞吐いて速攻で扉閉めた。グレン笑いながら手振ってるけどそっぽ向いてやる。
走り出した馬車の中で私は赤い顔して頭を抱えるのだった。






「ご主人様何か、嫌な気配がします」

邸に帰るなりアズが嫌そうに顔顰めた。

「え?私?」

「はい、気持ち悪い念……執念でしょうか?心当たりは?」

執念?グレンが私に?そんなまさかねぇ。

「んー私が知らないだけかな、心当たり無いんだよね」

「そうですか……」

アズは私の手を取ると甲にちゅってキスした。

「ご主人様は魅力的なんです。もっと自覚してくださいね」

「いやぁ魔族にモテてもなぁ」

「それ本気で言ってます?」

「え?何の話?」

「いえ、良いんです。そんな鈍感なご主人様も大好きですから」

え、そこって溜息ついて苦笑するとこなの?やれやれしょーがねぇやつだな、みたいな?もうアズまで何だよー!

「疲れた……寝る!」

「ふふふ、お休みなさいご主人様。良い夢を」

色んなことがあり過ぎて疲れてたのかな、この日は夢も見ないで爆睡しちゃった。
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