乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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「あのさ、あんた仕事はどうしたのよ?」

今私は午後のダンスレッスン中。学園は定期試験も終わって丁度長期休暇に入ってるんだ。

でもね、完璧な淑女に必要なのはたゆまぬ努力!休暇といえどストイックな私は敢えて厳しい家庭教師をつけてしっかり学んでいるのだ!

で、今日の授業はダンスなんだけど、今私の相手は何とグレン。忙しいらしいのに結構マメに来てくれてるんだよね。マチルダちゃんはメッチャ喜んでる。

「支障ないよう調整してるから気にするな。俺と踊る機会が多いんだから練習相手としては申し分ないだろ?」

「んーまあそうかもだけどさぁ……」

チラッとマチルダちゃんを見ると、護衛騎士として来てくれてるロニーさんと華麗に舞ってます。視線はグレンに釘付けだけど!

マチルダちゃんは負けず嫌いだけあって全般的に何でも出来る。元アンジェリカさんと同じ努力家タイプだ。
流石王太子の婚約者に選ばれるだけあるよね。

「その後何も進展はないの?」

「そうだな、話せるようなことはまだ何もないな」

話せない事は何かあるんかな?考え込んでちょっと気が逸れたタイミングで私はよろけてしまった。すかさずグレンが抱き留める。

「大丈夫か!?」

倒れて以降グレンはメッチャ過保護になった。今も一目で分かる程蒼褪めてる。いやいや、集中切らした私が悪いんだよって言う間もなく抱き上げられた。おいいいい!?

「ちょっ、グレン!?」

グレンは怖い顔してスタスタ歩き出した。

「ねえ、具合悪いわけじゃないから大丈夫だよ」

ああダメだ、全く聞く耳持たない!そのまま部屋のベッドまで運ばれてしまった。

「無理は厳禁だと医者に言われてるだろ」

「……はい」

心配してくれるのは嬉しいんだけどちょっと過保護過ぎる!しかもこういう時のグレンって有無を言わさない迫力があるんだ。これが王気ってやつなんかね?

「……最初から点は見えていたんだ。あとは線で繋ぐだけ。不自由させるがもう少し時間をくれ」

「そっか、私にできる事あったらなんでも言って?」

「大人しくしてろ、な!」

くううう!その魔王スマイル怖いからっ!まあ私の魔力にも限界があって、枯渇したら命に関わるってことも分かったし、闇雲に無茶はできないよね。

「分かったよ」

「……と言いたいところだが、今後協力を依頼する可能性はある。その時は頼む」

「もちろんだよ!私結構役に立つんだからね!」

喜んでると頬っぺたをムニっと摘まれた。

「いててててっ!なにふんの!」

「本当なら折角の休暇だし色々連れ出してやりたいんだ、俺も。全部解決したら好きなところ連れてってやるよ」

「ホント?」

「ああ」

「やったー!ちょっとグレン好きになったかも!」

「ちょっと?」

グレン物凄い不満顔。すげー嫌なヤツから大進歩なのにね!
ニンマリ笑うとグレンはふっと苦笑した。そして摘んでた私の頬っぺたをスリスリ撫でる。
なんか様子が変だなって首傾げてると、ゆっくりグレンの顔が近づいてきて唇が重なった。啄むようなバードキス。でもこの雰囲気は何!?映画のワンシーンみたいにムード満点で私の思考はショートする。

伏し目がちなグレンは見たことないくらい色っぽい。茫然とする私に二度、三度とキスすると、グレンは私を抱きしめた。

「お前が死ぬかもしれないと言われた時の俺の気持ちが分かるか?」

「……心配かけて、ごめん」

「自分の未熟さと無能さが許せなかった。もうあんな思いは沢山だ。アンリ俺は──」

「グレンはちゃんと助けてくれたじゃん!それにさ、前の世界には虎穴に入らずんば虎子を得ずって諺があるんだ。私があんな目に遭ったからこそ少しは事態も動いたんじゃない?」

グレンははあっとため息をついた。

「お前は……」

「私はこういう性格なの、ごめんね」

グレンは呆れたように眉をしかめると、ゴンっと額に頭突きした。

「痛っいな石頭!」

「何で俺はこんな女……」

グレンはくくくって笑うとまたまた私をぎゅって抱きしめた。

「バカアンリ」

「言うに事欠いてバカとはなんだ!」

グレン吹き出して笑い出した。もーホントなんなんだよ!
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