乙女ゲーに転生!?ある日公爵令嬢になった私の物語

ゆーかり

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本編

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「私はアンジェが羨ましいわ」

食後のお茶を優雅に啜りながら、マチルダちゃんはジト目で私を見る。

「羨ましい?何が?」

マチルダちゃんギギって目を吊り上げる。こ、怖いっ!

「あんなに殿下のご寵愛を得ておいて何が、ですって!?あなたは本当に私を苛立たせる天才ね!」

あ、ああまだグレンのこと好きなのね。

「まあ一応婚約者だしね」

「婚約者だから、何て理由にならないわ。私はあなたのようにセオドシア殿下に気にかけて頂いたことなどないもの」

マチルダちゃんの表情が冷たく凍る。

「あの方は……玉座にしか興味がないのよ」

「マチルダちゃん……」

こうして時折マチルダちゃんは本音をボロボロ溢すようになった。大分気を許してくれた証拠なんだろうな。

「あなた達の不仲を目の当たりにして自分を慰めていたのに、ここ最近の殿下ときたらすっかりあなたに骨抜きじゃない!一体どんな魔法を使ったのかしらね」

マチルダちゃんはぷぅって頬っぺた膨らます。いや魔法というか中身が入れ替わったっつーか……流石に言えない!

「王太子様もマチルダちゃんを気遣ってるようにみえたけどな?本人同士にしか分からないこともあるんだろうけどさ」

「気遣いは完璧よ。表面的な、ね。婚約者として引き合わされた時からそう。でも……笑っていてもちっとも笑っていないあの方の瞳が……私は恐ろしくてたまらなかったのよ……」

マチルダちゃんはぎゅっと自分を抱きしめた。

「私はあなたへの憎しみを……利用され、た……」

「マチルダちゃん!無理しちゃダメ!」

慌てて私は苦しそうなマチルダちゃんの肩を掴んだ。マチルダちゃんは苦しそうに冷や汗かいてる。誓約に抵触しかけてたのかな?何て下衆な呪いだまったく!

血の誓約って主が死ぬか解呪しない限り効果は永遠なんだって。

「わた、しあの時あなたが憎くて堪らなくて……殺さなきゃってことで頭が、いっぱいに……」

「うん、分かったから!無理して言わなくていいよ!」

「あなた、は死ぬか、殿下の婚約者の座をおり、るかの二択だと、あの方は……っ!」

マチルダちゃんはカハっと血を吐いた。

「レイナちゃん、先生を早く!」

部屋を飛び出していくレイナちゃんを目視しながら、私はマチルダちゃんの胸に手を当てて治癒魔法をかける。段々マチルダちゃんの呼吸が落ち着いてきてホッとする。

「無理しないで!死んでもいいの?」

顔真っ青にしながらマチルダちゃんは笑った。

「あなたのためじゃない、グレンシュフォンティエル殿下のためよ。罪滅ぼしでもあるし、少しでも殿下のお役に、立ちたいの」

ええと……罪滅ぼしはどっちかっつーと死にかけた私に、だよねぇ?まあいいや(涙目)!

「分かった!マチルダちゃんのその思いはちゃんとグレンに伝える!」

「え、そんな……まだ心の準備が……」

まてえええい!何勘違いしてるん!?

「惚れた腫れた系は勝手にやってよね、私挟まないで。役に立ちたいって思いは伝えとくから」

マチルダちゃんはホッとしたような残念そうな顔。いやもう告白とかしたいならホント勝手にやって頂戴!
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