63 / 77
本編
61
しおりを挟む
「まあ、噂に違わず美しいわね、アンジェリカ」
「恐縮でございます」
令嬢っぽく優雅なカーテシーをする私。操られてる私って悔しいけど完璧な令嬢だ。
そんな私に真っ赤な唇をくっと吊り上げてるのはシアさんのお母様、アニエステ妃だ。
一応「妃」って呼称はあるけど、確か正妃じゃなく愛妾なんだよね。
この国の王族とか貴族って子孫残すため愛妾愛人作り放題。
グレンもいずれそうなるのかな?一夫一婦な倫理観で育った私には中々受け入れられないし、何か腹立つけど……よし!今度これを結婚の条件にしてみるか!
「アンジェリカ、これからはシアの婚約者として支えてくれるのかしら?」
「はい、妃殿下」
「グレンシュフォンティエルを捨ててシアの元へ来てくれるのね?」
「……わた、し……」
「まだ完璧じゃないんだ。いずれ心ごともらい受けるよ、アンジェリカ」
シアさんは妖しく笑うと私の頬っぺたを優しく撫でた。
「さっさとモノにしてしまえばいいものを。お前は本当に間怠っこしいわね」
「大事にしたいのです。本当はこんな手など使いたくなかった」
「お前が王となるのなら何でもいいわ。でもグレンシュフォンティエルだけは確実に殺しなさい。前々からこちらのことを嗅ぎ回っているようだったけれど……もっと早くに殺しておくべきだったわ」
アニエステ妃般若みたいな顔になってるううう!マジ怖い!グレンの存在ってそんなに脅威なんだ。こんなおっかない継母が居て良く今まで生き延びてこれたな……
「そうしたいのは山々なんですが、彼は本当に隙がなくて……下手を打てばこちらが殺られますよ」
「任せろと言ったのはお前よ。たかが人間相手に情けない!」
今たかが人間と仰いました?その思考がナチュラルに漏れるってことは、もしかしなくてもアニエステ妃、間違いなく人外関係者ですよね!?
「アンジェリカが手に入っただけでも収穫でしょう?婚約者変更の手続きを早急に進めます」
うわあああ!やめてくれえええ!マチルダちゃんの人生も狂っちゃうじゃないの!ん?ここは狂った方がいいのかな?
「……め……っや……!」
必死に抵抗してみるけど、金縛り状態の体を無理やり動かそうとするみたいで凄く苦しい。
「アンジェリカ、そんな状態で……君は心も強いんだね。益々欲しくなったよ」
シアさんに頭を撫でられると、抵抗する気持ちがしょぼーんと萎えてしまった。感情すらコントロールされちゃってます私?
「嬉しいですシア様」
うっとりシアさんを見上げる偽アンジェリカ。これ思いっきり「あなたのことが好きですはぁと」って顔ですよね。こんな茶番一方的に見せつけられるなんてムカつく……けど今は我慢!
そんな私の心を知ってか知らずかシアさんは私の頬っぺにキスした。
「可愛いアンジェリカ。大事にするから僕だけを見ていてね」
「はい、シア様。アンジェリカはあなたのものです」
そこでアニエステ妃の高笑いが聞こえた。
「いいわよシア。アンジェリカはあなたの好きになさい。後悔したくなければさっさとモノにすることね。お前には絶対に巫女が必要なのだから」
昔は知らないけど今の巫女って形式的なものじゃないの?私ってそんなに重要な存在なの?ただ見てるしか出来ないって本当もどかしい!
「分かってますよ母上。アンジェリカ、行こうか」
「はい、どこまでもお供いたします」
女子力高いな偽アンジェリカ……って感心してる場合か!
シアさんに差し出された手に、嬉しそうに手を重ねる偽アンジェリカな私。シアさんは私の手を握りながら親指の腹で甲をつつと撫でる。な、なんかヤらしい……
「素直な子は大好きだよ、可愛いアンジェリカ」
ふっとシアさんが浮かべた笑みは思わずうっとりしちゃう位綺麗で艶っぽい。グレンも顔は綺麗だけど、シアさんはもっと中性的で妖艶な感じだ。
「嬉しいですシア様」
「様はダメって言ったろ?」
「申し訳ありません、シアさん」
「赦す。でも今度間違えたらお仕置きだからね」
悪戯っぽく笑うシアさんの瞳の奥にはバッチリ嗜虐的な光が見えた。ああ、この人もドSか……私王族とは相性悪いなぁ……
「シアさんから頂けるものなら何でも嬉しいです」
ああああ!この口閉じろおおお!私はそんな趣味無いんだあああ!
「ああ、本当に可愛いねアンジェリカ。僕としたことが本気になってしまいそうだよ」
「まあ……嬉しいです」
「シア、そういう茶番は他所でやって頂戴。私は忙しいのよ」
アニエステ妃今だけは気が合いますね、完全同意です!
シアさんは欧米人みたいに肩を竦めると、そのまま私をエスコートして部屋を出た。
「恐縮でございます」
令嬢っぽく優雅なカーテシーをする私。操られてる私って悔しいけど完璧な令嬢だ。
そんな私に真っ赤な唇をくっと吊り上げてるのはシアさんのお母様、アニエステ妃だ。
一応「妃」って呼称はあるけど、確か正妃じゃなく愛妾なんだよね。
この国の王族とか貴族って子孫残すため愛妾愛人作り放題。
グレンもいずれそうなるのかな?一夫一婦な倫理観で育った私には中々受け入れられないし、何か腹立つけど……よし!今度これを結婚の条件にしてみるか!
「アンジェリカ、これからはシアの婚約者として支えてくれるのかしら?」
「はい、妃殿下」
「グレンシュフォンティエルを捨ててシアの元へ来てくれるのね?」
「……わた、し……」
「まだ完璧じゃないんだ。いずれ心ごともらい受けるよ、アンジェリカ」
シアさんは妖しく笑うと私の頬っぺたを優しく撫でた。
「さっさとモノにしてしまえばいいものを。お前は本当に間怠っこしいわね」
「大事にしたいのです。本当はこんな手など使いたくなかった」
「お前が王となるのなら何でもいいわ。でもグレンシュフォンティエルだけは確実に殺しなさい。前々からこちらのことを嗅ぎ回っているようだったけれど……もっと早くに殺しておくべきだったわ」
アニエステ妃般若みたいな顔になってるううう!マジ怖い!グレンの存在ってそんなに脅威なんだ。こんなおっかない継母が居て良く今まで生き延びてこれたな……
「そうしたいのは山々なんですが、彼は本当に隙がなくて……下手を打てばこちらが殺られますよ」
「任せろと言ったのはお前よ。たかが人間相手に情けない!」
今たかが人間と仰いました?その思考がナチュラルに漏れるってことは、もしかしなくてもアニエステ妃、間違いなく人外関係者ですよね!?
「アンジェリカが手に入っただけでも収穫でしょう?婚約者変更の手続きを早急に進めます」
うわあああ!やめてくれえええ!マチルダちゃんの人生も狂っちゃうじゃないの!ん?ここは狂った方がいいのかな?
「……め……っや……!」
必死に抵抗してみるけど、金縛り状態の体を無理やり動かそうとするみたいで凄く苦しい。
「アンジェリカ、そんな状態で……君は心も強いんだね。益々欲しくなったよ」
シアさんに頭を撫でられると、抵抗する気持ちがしょぼーんと萎えてしまった。感情すらコントロールされちゃってます私?
「嬉しいですシア様」
うっとりシアさんを見上げる偽アンジェリカ。これ思いっきり「あなたのことが好きですはぁと」って顔ですよね。こんな茶番一方的に見せつけられるなんてムカつく……けど今は我慢!
そんな私の心を知ってか知らずかシアさんは私の頬っぺにキスした。
「可愛いアンジェリカ。大事にするから僕だけを見ていてね」
「はい、シア様。アンジェリカはあなたのものです」
そこでアニエステ妃の高笑いが聞こえた。
「いいわよシア。アンジェリカはあなたの好きになさい。後悔したくなければさっさとモノにすることね。お前には絶対に巫女が必要なのだから」
昔は知らないけど今の巫女って形式的なものじゃないの?私ってそんなに重要な存在なの?ただ見てるしか出来ないって本当もどかしい!
「分かってますよ母上。アンジェリカ、行こうか」
「はい、どこまでもお供いたします」
女子力高いな偽アンジェリカ……って感心してる場合か!
シアさんに差し出された手に、嬉しそうに手を重ねる偽アンジェリカな私。シアさんは私の手を握りながら親指の腹で甲をつつと撫でる。な、なんかヤらしい……
「素直な子は大好きだよ、可愛いアンジェリカ」
ふっとシアさんが浮かべた笑みは思わずうっとりしちゃう位綺麗で艶っぽい。グレンも顔は綺麗だけど、シアさんはもっと中性的で妖艶な感じだ。
「嬉しいですシア様」
「様はダメって言ったろ?」
「申し訳ありません、シアさん」
「赦す。でも今度間違えたらお仕置きだからね」
悪戯っぽく笑うシアさんの瞳の奥にはバッチリ嗜虐的な光が見えた。ああ、この人もドSか……私王族とは相性悪いなぁ……
「シアさんから頂けるものなら何でも嬉しいです」
ああああ!この口閉じろおおお!私はそんな趣味無いんだあああ!
「ああ、本当に可愛いねアンジェリカ。僕としたことが本気になってしまいそうだよ」
「まあ……嬉しいです」
「シア、そういう茶番は他所でやって頂戴。私は忙しいのよ」
アニエステ妃今だけは気が合いますね、完全同意です!
シアさんは欧米人みたいに肩を竦めると、そのまま私をエスコートして部屋を出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。
ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!
混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない
三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる