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第6話
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意識を失っていたぼくは、夢を見ていた。
場所は、辺り一面雪景色…
誰もいない雪原であった。
5歳のぼくが泣いていた。
「たっくん…たっくん。」
かあさんが、ぼくを呼んでいる…
かあさんは、両手を広げておいでと呼んでいた。
「かあさーん!!」
5歳のぼくは、かあさんの大きな乳房(むね)に飛び込んだあと、声をあげてワーワーと泣いていた。
「たっくん、どうしたの?」
「かあさんがいなくなったから…ずっと探していたのだよ…ぼく、ひとりぼっちで心細かったのだよ。」
「ごめんね…ごめんねたっくん…かあさんに会いたかったのね…よしよし…」
かあさんのふくよかな乳房で泣いていた5歳のぼくは、このあとかあさんと一緒に雪原をかけめぐっていた。
「たっくん、…」
「かあさーん、待って…」
「たっくん…たっくん…」
しばらくして…
「あれ、かあさーん…かあさーん…」
かあさんがいなくなっちゃった…
どこに行ったの…
その時に、ぼくは病室のベッドで目ざめた。
「たっくん…たっくん大丈夫?」
「かあさん。」
ぼくは、うつろな声で言うた。
「あれ…ここは…ぼくはどうしてここにいるのかな?」
「たっくん、夕べ浴槽の中でおぼれていたのよ…過労になっていた上に…すごく寒かった状態でお風呂に入っていたことが原因でおぼれていたのよ…」
「ええ!!ホンマに!?」
「となりの住人の皆様に助けていただいた時には…たっくんは死にかけていたのよ。」
そうだったのか…
かあさんは、ぼくの胸にしがみついてくすんくすんと泣いていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすん…たっくん…たっくんごめんね。」
かあさんは、泣きながらぼくに言うた。
「激しい雨が降っている6月の夕方に、Y公園で見知らぬ男にレイプされかけていた時…たっくんはとっさになって、無我夢中になってかあさんを助けた…なのに…きちんとお礼をきちんと言えなかった…たっくんに甘えてばかりいて、たっくんを困らせてしまった…ごめんねたっくん…たっくんの優しさに甘えてばかりいたから…助けてくれたお礼をきちんと言えなかった…ごめんね…ごめんね…たっくん…」
ぼくは、かあさんを胸の中にギュッと抱きしめていた。
「今度は…ぼくがかあさんを抱きしめてあげる…」
ぼくの胸に抱かれているかあさんは、泣きながらぼくに言うた。
「たっくん…死なないで…たっくんがいなくなったら…友泉…生きて行くことができない…」
かあさんは、ぼくが寝ているベッドに入った。
病室の入り口のドアノブには絶対安静の札が下げられていた。
ドアの鍵は、かかっていた。
かあさんは、ぼくが着ているパジャマの上着を脱がしたあと、はだかになっている胸に抱きついて甘えていた。
「たっくん…好きよ…」
かあさんは、安心した表情でぼくの胸の中で甘えていた。
「ごめんね…かあさん。」
「たっくん。」
「かあさんを悲しませてしまってごめんね…」
「たっくん…友泉は…たっくんが生きていれば…それでいいのよ…」
生きているのだ…
ぼくは、生きているのだ…
「かあさん…ぼく、かあさんに出会えてよかった…ありがとう。」
「友泉も、たっくんに出会えてよかった…ありがとう。」
「バレンタインデーの次の日に…挙式披露宴を挙げよう。とびっきり上等の挙式披露宴を挙げよう。」
「たっくん…」
ぼくは、かあさんに言うた。
「かあさん。」
「なあに?」
「かあさんの愛で…ぼくを満たして欲しい…ぼくの気持ちを満たして欲しい…」
ぼくは、かあさんをぎゅっと抱きしめて、髪の毛をくしゃくしゃに乱しながらキスをしていた。
たっくんに甘えてばかりでいたことが原因で…
たっくんに悲しい思いをさせてしまった…
たっくんを困らせてしまった…
お礼を言いそびれてしまってごめんね…
そして、ありがとう…
たっくん…
友泉…
たっくんに出会えてよかった…
友泉…
たっくんのことが…
大好きよ…
場所は、辺り一面雪景色…
誰もいない雪原であった。
5歳のぼくが泣いていた。
「たっくん…たっくん。」
かあさんが、ぼくを呼んでいる…
かあさんは、両手を広げておいでと呼んでいた。
「かあさーん!!」
5歳のぼくは、かあさんの大きな乳房(むね)に飛び込んだあと、声をあげてワーワーと泣いていた。
「たっくん、どうしたの?」
「かあさんがいなくなったから…ずっと探していたのだよ…ぼく、ひとりぼっちで心細かったのだよ。」
「ごめんね…ごめんねたっくん…かあさんに会いたかったのね…よしよし…」
かあさんのふくよかな乳房で泣いていた5歳のぼくは、このあとかあさんと一緒に雪原をかけめぐっていた。
「たっくん、…」
「かあさーん、待って…」
「たっくん…たっくん…」
しばらくして…
「あれ、かあさーん…かあさーん…」
かあさんがいなくなっちゃった…
どこに行ったの…
その時に、ぼくは病室のベッドで目ざめた。
「たっくん…たっくん大丈夫?」
「かあさん。」
ぼくは、うつろな声で言うた。
「あれ…ここは…ぼくはどうしてここにいるのかな?」
「たっくん、夕べ浴槽の中でおぼれていたのよ…過労になっていた上に…すごく寒かった状態でお風呂に入っていたことが原因でおぼれていたのよ…」
「ええ!!ホンマに!?」
「となりの住人の皆様に助けていただいた時には…たっくんは死にかけていたのよ。」
そうだったのか…
かあさんは、ぼくの胸にしがみついてくすんくすんと泣いていた。
「くすんくすんくすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすん…たっくん…たっくんごめんね。」
かあさんは、泣きながらぼくに言うた。
「激しい雨が降っている6月の夕方に、Y公園で見知らぬ男にレイプされかけていた時…たっくんはとっさになって、無我夢中になってかあさんを助けた…なのに…きちんとお礼をきちんと言えなかった…たっくんに甘えてばかりいて、たっくんを困らせてしまった…ごめんねたっくん…たっくんの優しさに甘えてばかりいたから…助けてくれたお礼をきちんと言えなかった…ごめんね…ごめんね…たっくん…」
ぼくは、かあさんを胸の中にギュッと抱きしめていた。
「今度は…ぼくがかあさんを抱きしめてあげる…」
ぼくの胸に抱かれているかあさんは、泣きながらぼくに言うた。
「たっくん…死なないで…たっくんがいなくなったら…友泉…生きて行くことができない…」
かあさんは、ぼくが寝ているベッドに入った。
病室の入り口のドアノブには絶対安静の札が下げられていた。
ドアの鍵は、かかっていた。
かあさんは、ぼくが着ているパジャマの上着を脱がしたあと、はだかになっている胸に抱きついて甘えていた。
「たっくん…好きよ…」
かあさんは、安心した表情でぼくの胸の中で甘えていた。
「ごめんね…かあさん。」
「たっくん。」
「かあさんを悲しませてしまってごめんね…」
「たっくん…友泉は…たっくんが生きていれば…それでいいのよ…」
生きているのだ…
ぼくは、生きているのだ…
「かあさん…ぼく、かあさんに出会えてよかった…ありがとう。」
「友泉も、たっくんに出会えてよかった…ありがとう。」
「バレンタインデーの次の日に…挙式披露宴を挙げよう。とびっきり上等の挙式披露宴を挙げよう。」
「たっくん…」
ぼくは、かあさんに言うた。
「かあさん。」
「なあに?」
「かあさんの愛で…ぼくを満たして欲しい…ぼくの気持ちを満たして欲しい…」
ぼくは、かあさんをぎゅっと抱きしめて、髪の毛をくしゃくしゃに乱しながらキスをしていた。
たっくんに甘えてばかりでいたことが原因で…
たっくんに悲しい思いをさせてしまった…
たっくんを困らせてしまった…
お礼を言いそびれてしまってごめんね…
そして、ありがとう…
たっくん…
友泉…
たっくんに出会えてよかった…
友泉…
たっくんのことが…
大好きよ…
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