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第27話・北の宿から
【北の宿から】
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1977年8月の第1日曜日だったと思う。
5つだった私は、信州で暮らしているエッセイストの先生の主宰の子どもキャンプに参加していたが、周囲の子どもたちと仲良くできなかったので置き去りにされた。
置き去りにされた場所は、ラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の舞台である小さな宿泊施設だった。
エッセイストの先生は、5つの私に『おまえなんかのたれ死にせえ!!』と怒鳴りつけた。
その後、他の子どもたちを連れて足早に出発した。
それから数分後、私はワーワー泣きながら国鉄大糸線の糸魚川方面寄りの小さな無人駅まで走って行った。
無人駅に到着後、マァマたちに保護されるまでの間ベンチに座ってワーワー泣きまくっていた。
その時に、近くの家のラジオから信越放送ラジオの日曜日のリクエスト番組が流れていた。
番組最初のリクエスト曲が都はるみさんの歌で『北の宿から』であった。
『北の宿から』『愛の始発』『愛の終着駅』『ちいさい秋みつけた』『精霊流し』『わかってください』『そして、神戸』『恋の街・札幌』『空港』『ドナドナ』『シクラメンのかほり』『ふれあい』『想い出まくら』『夕焼け雲』…
泣き歌ばかりが番組終了まで流れていたので、5つの私はグスングスン泣きじゃくった。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それから10年後の1987年10月…
ゆめいろ市から家出した15の私は、複数の鉄道路線を乗り継いで新潟駅まで逃げたあと、大阪行きの特急雷鳥に乗って南下した。
大阪駅で特急列車を降りたあと、阪神電車に乗り継いで神戸方面へ向かった。
それからあとのことは、よくおぼえていない…
10月6日の朝方であった。
私は、気がついたら大阪西成まで来ていた。
場所は、大阪西成区の萩之茶屋の公園にて…
もず唱平先生の作詩の『釜ヶ崎人情』の歌で登場するドヤ街である。
15の私は、ぼんやりとした表情で公園の周囲を見渡した。
公園には、日雇い労働者のオッチャンたちがたくさん集まっている。
オッチャンたちは、上の人の誘導でマイクロバスにのせられたあと、各工事現場へ送られた。
日当は、5000から6000円くらいであった。
私は、どうしてこのドヤ街へ来たのか…
15の私にとって、釜ヶ崎で暮らすことは苦痛だとは想わないのか?
そんなことを考えるだけでも頭が痛い…
その日の夜、私は近くにある簡易宿に泊まることにした。
一泊・800円であった。
私が入った部屋は、ふとん1枚がすっぽりと入るせまくるしい部屋だった。
けれど、オッチャンたちがはした金を使ってここで寝泊まりしていることを想えば、ねるとこがあるだけでもありがたく想わないと…
私は、何度も心に言い聞かせた。
ふとんに入った私は、ぼんやりとした表情で愛用のソニーのケータイラジオでラジオを聴いていた。
深夜1時頃であった。
イヤホンからラジオ大阪で放送されていたオールナイトニッポンが流れている。
MCのとんねるずがリスナーが投稿したハガキを読んだあと、ワケのわからへんグダグダトークを繰り広げていた。
学生カップルのコイバナだの、ガッコーであった話題など…
15の私にはネコにコバンだ…
とんねるずが母校の帝京高校を自慢げにベラベラしゃべくりまくっているのを聴いた私は、頭にきたけんラジオの電源を切った。
なんやねん一体もう…
自分たちが卒業した母校をほこらしげにしゃべくって、よその学校をボロクソに言うなんてサイテーだ…
私は、そんなことを想いながら3時前まで腹を立てていた。
3時前に、ラジオの電源を入れた。
イヤホンから流れている番組は、走れ歌謡曲(文化放送)に変わっていた。
イヤホンから、泣き歌が流れていた。
『哀しみ本線日本海』『すずめの涙』『そしてめぐり逢い』『舟唄』『おもいで酒』『想い出迷子』…
私は、ふとんの中にもぐって泣きながら歌を聴いていた。
5つだった私は、信州で暮らしているエッセイストの先生の主宰の子どもキャンプに参加していたが、周囲の子どもたちと仲良くできなかったので置き去りにされた。
置き去りにされた場所は、ラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の舞台である小さな宿泊施設だった。
エッセイストの先生は、5つの私に『おまえなんかのたれ死にせえ!!』と怒鳴りつけた。
その後、他の子どもたちを連れて足早に出発した。
それから数分後、私はワーワー泣きながら国鉄大糸線の糸魚川方面寄りの小さな無人駅まで走って行った。
無人駅に到着後、マァマたちに保護されるまでの間ベンチに座ってワーワー泣きまくっていた。
その時に、近くの家のラジオから信越放送ラジオの日曜日のリクエスト番組が流れていた。
番組最初のリクエスト曲が都はるみさんの歌で『北の宿から』であった。
『北の宿から』『愛の始発』『愛の終着駅』『ちいさい秋みつけた』『精霊流し』『わかってください』『そして、神戸』『恋の街・札幌』『空港』『ドナドナ』『シクラメンのかほり』『ふれあい』『想い出まくら』『夕焼け雲』…
泣き歌ばかりが番組終了まで流れていたので、5つの私はグスングスン泣きじゃくった。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
それから10年後の1987年10月…
ゆめいろ市から家出した15の私は、複数の鉄道路線を乗り継いで新潟駅まで逃げたあと、大阪行きの特急雷鳥に乗って南下した。
大阪駅で特急列車を降りたあと、阪神電車に乗り継いで神戸方面へ向かった。
それからあとのことは、よくおぼえていない…
10月6日の朝方であった。
私は、気がついたら大阪西成まで来ていた。
場所は、大阪西成区の萩之茶屋の公園にて…
もず唱平先生の作詩の『釜ヶ崎人情』の歌で登場するドヤ街である。
15の私は、ぼんやりとした表情で公園の周囲を見渡した。
公園には、日雇い労働者のオッチャンたちがたくさん集まっている。
オッチャンたちは、上の人の誘導でマイクロバスにのせられたあと、各工事現場へ送られた。
日当は、5000から6000円くらいであった。
私は、どうしてこのドヤ街へ来たのか…
15の私にとって、釜ヶ崎で暮らすことは苦痛だとは想わないのか?
そんなことを考えるだけでも頭が痛い…
その日の夜、私は近くにある簡易宿に泊まることにした。
一泊・800円であった。
私が入った部屋は、ふとん1枚がすっぽりと入るせまくるしい部屋だった。
けれど、オッチャンたちがはした金を使ってここで寝泊まりしていることを想えば、ねるとこがあるだけでもありがたく想わないと…
私は、何度も心に言い聞かせた。
ふとんに入った私は、ぼんやりとした表情で愛用のソニーのケータイラジオでラジオを聴いていた。
深夜1時頃であった。
イヤホンからラジオ大阪で放送されていたオールナイトニッポンが流れている。
MCのとんねるずがリスナーが投稿したハガキを読んだあと、ワケのわからへんグダグダトークを繰り広げていた。
学生カップルのコイバナだの、ガッコーであった話題など…
15の私にはネコにコバンだ…
とんねるずが母校の帝京高校を自慢げにベラベラしゃべくりまくっているのを聴いた私は、頭にきたけんラジオの電源を切った。
なんやねん一体もう…
自分たちが卒業した母校をほこらしげにしゃべくって、よその学校をボロクソに言うなんてサイテーだ…
私は、そんなことを想いながら3時前まで腹を立てていた。
3時前に、ラジオの電源を入れた。
イヤホンから流れている番組は、走れ歌謡曲(文化放送)に変わっていた。
イヤホンから、泣き歌が流れていた。
『哀しみ本線日本海』『すずめの涙』『そしてめぐり逢い』『舟唄』『おもいで酒』『想い出迷子』…
私は、ふとんの中にもぐって泣きながら歌を聴いていた。
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