運命 -Destiny

トワ

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fate

改変

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僕たちはある作戦を考えた。
「学校の屋上に時間が来るまで隠れよう
あそこなら車に轢かれる心配はない。」
「わたしの死亡推定時刻はおそらく8時ごろだから、七時くらいから行こう」
「あぁ、そうだね。
運命を変えよう。」
次の日、僕は六時半に起きた。
予定ではもう少しはやくおきる予定だったのだが、予想外のことが立て続けに起こった。
かけていた3つの目覚まし時計は謎の不調で動かなくなり、母親に起こしてもらうのを頼んでいたが、母親は寝過ごした。
運命を変えさせないという、なにかの意思を感じる。
僕は白石さんのことが心配になり、走って待ち合わせ場所の公園に向かった。
「白石さん!」
「黒川君、早かったね。」
「よかった、早く行こう」
「うん」
僕たちは学校に向かった。
「ガシャガシャガシャガシャ!
なんでだよ!いつもなら空いてるのに!」
学校のドアが閉まっていた。
門には有刺鉄線があり、飛び越えられそうにない。
「運命が私たちを殺そうとしてる。」
その時だった。
キィィィーー
車がこっちに向かって全速力でやってきた。
「危ない!」
とっさに彼女を自分の方へ引き寄せる。
ドガァァーン
車は学校の壁にぶつかって止まった。
「あ、ありがとう」
「白石さん、八時まで逃げ切ろう。
そうすれば僕たちの勝ちだ」
僕たちは山へ向かった。
その途中僕たちは数々の車に襲われた。
「運命の野郎!
何台車がやってきたって無駄だ!
ぼくが彼女を守る。」
僕たちは車を避けて山へ向かった。
「あとちょっとで山に入るわ」
その時だった。数台の車が突進して山への道を止めた。
「諦めよ。彼女の予知夢は運命だ。
運命を変えることは出来ぬ。」
目の前に身長が5メートルはある男が闇の中から現れた。
「あっ、あなた、誰?」
「我は運命の門番なり、運命を直接執行しにきた。」
地獄の閻魔大王のような服装に加えて、切られたらひとたまりもない鎌を持った男の姿はこの世のものという感覚がしなかった。

男は手に持った鎌をこちらに向ける。
「運命の門番か、上等だ。
知ってるか?
運命って英語で二つの意味があるんだぜ。
一つはdestiny、もう一つはfateだ。」
「それがどうした?」
fateはお前の言っている変えられない運命、destinyは
運命は僕たちの行動によって決まる、変えることができる運命って意味だ。」
「それがどうした!運命は変えることの出来ぬ、決定事項なのだよ!」
「まずはお前からだ。
反抗できぬように足を切り取ってやるわ!」
「黒川君!」
運命の門番はぼくに向かって鎌を振り下ろす。


                           ジャキーーン
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