異世界でやりたい放題な友達に便乗する

狂四郎

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二章

チートにも明確な差がある

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カシムの髪をエアーカッターでスパッと短くカットしたかーくん。幸いなのは彼らにかーくんが見えていない事だろうか。みーちゃんも何かしたいのかうずうずしている所に不安感を覚える。


「今のは君達がやったのー? それにその氷の剣と風の盾? 浮いてるけど君達のスキルー? 面白い能力だねー。どっちのスキルかな?」

勇者タクヤはヘラヘラした顔から少し雰囲気が変わる。正体不明の能力に警戒する勇者一行。

「あのー、さっきも言いましたけど、俺達のスキルじゃないです。自然現象ですよ?」

「えー? でもさ、二人でノーカンだ! とか言ってなかった?」

「勇者タクヤよ! 何をごちゃごちゃ言っておる! 早く捕えよ! 私に支援を受けておるだろう? 私の為に働け!」

カシムは片側落ち武者の様な髪型になりながらも怒りの形相でタクヤに指示を出す。

先程までカシムに跪いていたダンディな男が立ち上がるも目を閉じ沈黙を守りながらも何かを考え、矛先が変わった事で静かに数人の部下とカティアを建物内に移動させる。

「あーらら。カシムちゃん完全にお怒りだよ。」

と囲んでいる女性を下がらせ、背中と腰にある二本の剣に手をかけると勇者は俺の視界の先からいなくなる。

次の瞬間には風の盾を持った、たてさんが俺達の前に移動し華麗に「おりゃー!」と勇者の斬撃を弾く。

「あれー? この風の盾は君達を守るんだね。自然現象じゃないんじゃない? それに、あれ? この感覚・・は···。」

勇者の剣を持つ手は痙攣し、腕が上らないようだ。

「凄いなー。完全に防がれちゃったよ。風の盾って普通の防御魔法じゃないの? まるで盾使いの英雄が風の盾という伝説の盾を使用して俺の攻撃を弾いたみたいだ。」

「大丈夫ですか? タクヤ様!」と勇者に寄り添う囲いの女達。どうやら回復魔法と状態異常回復魔法で治療を試みているようだ。

カシムは勇者の攻撃が防がれた事に驚き、一歩後退りする。

「ワタナベ、たてさんがチート過ぎるんだが。そして、勇者のくせして不意打ちとか狡くないか?」

「んー。きっと盾の子はジャストガード強化スキル持ちじゃないかな? 相手は勇者と呼ばれる以上、チート持ちだろ? そんな奴の攻撃を簡単に防いでるし。まぁ、大したことない勇者なんだろ?」

「え? マジで? テクニックを強化ってそれはやばくないか? ハードがハードじゃなくなるんじゃね?」

「あー、なるほど、ハードね。もしかすると精霊達はエクストラハードモードの影響で強化されてるかもな。ただでさえ、精霊って上位だろ? 場合によっては敵として戦うし。」

「確かに精霊って魔法世界で言う力の源的な象徴だもんな。上位どころじゃなくね? つーか、こんなに可愛いのに強いって。やばいな!」

俺は美女な露出狂魔法使いの姿を思い出し感謝の祈りを捧げる。

「まぁ、盾の子はテクニックと強化スキルが合わさって最強に見えるやつだな。単純に盾スキルのレベルも高いと思う。そういう意味では尖ったキャラって良いよな!」

「それは同意だ。攻撃特化しかり、防御特化しかり、得意分野があってそれを極めるってマジでロマン。となるとだ。他の子達も強い?」

「相当強いだろうな。ツキシマ、今から精霊の力を借りるの禁止で···。」

「禁止良くない! 禁止にしないでもこっそり弱体とか、弱体全般は本当に冷めるから本当に止めてくれ! ナーフ反対!」

「はいはい。わかったよ。確かに冷めるもんなー。でも、どうしたもんか。」

ワタナベと俺はそういう意味では意見が合うようだ。

「タクヤ様によくも酷い事をっ!」

とタクヤの囲いの女性(魔法使いっぽい方)がアイスランスを発動させる。数十個の氷の刃が勇者一行の周りに現れる。

第三者的に見ると不意打ちしたのはそっちなんだよな。アイスソードのは本当に事故だし。

そう考えているとついに出番か? とみーちゃんが「みー!」と叫ぶ。すると急に視界が暗くなる。

「「「「「えっ!?」」」」」

と驚いた声を出し、暗くなった理由が上空にあると気付いた勇者一行は上を見上げる。その視線の先には前回出したエアーシールド並みに巨大なアイスソードが浮遊している。その魔力差から先程発動したアイスランスはアイスソードに吸収されてしまう。

けんさんは「とぉー!とぉー!」と叫びつつもはしゃぎはじめ、目を輝かせる。
えっへんと胸を張るみーちゃん。

それに気付いたカシムは腰を抜かし、その場に倒れ恥ずかしい部分がシミとして広がっていた。

「ワタナベ?」

どうしようとワタナベを見るとやれやれと頭を振り手をあげる。

「おい、偉い人とハーレム集団。降参して帰るなら助けるけど?」

と声を上げるとカティアを助けたダンディな男が声をあげる。

「こちらの負けです。この場にいるこちらの者は撤収させますので、力を収めいただけないでしょうか?」

と片膝をついて降伏の意思を示す。

「わかったー。水の子よ、悪いが、これはやり過ぎだ。魔法を抑える。」

ワタナベがアイスソードの方に手を伸ばす。そして、ダンディな男が

「ご慈悲をいただき、感謝致します。」

と更に頭を下げ、ワタナベがそれを見て頷く。

「あー、魔力がデカ過ぎて消すのは無理か。それなら···。」

かかげていた手を握るとアイスソードが圧縮されていきどんどん小さくなる。

そして、地面に向けて手を振り下ろす。

地面に突き刺さる前に空中でピタリと止まり、輝きを見せるアイスソード。

「お、おい! その剣を我らに寄越せっ!」

とカシムが懲りずにそう叫ぶが、足腰が立たないようでダンディな男達に体を支えられ特訓場から立ち去る。

「なぁ、結局なんだったんだ? カティアさんやられ損か?」

「そうだな。今度一緒にギルドの仕事受けて気苦労を減らしてあげようか。」

「そうだなー。」

と話していると、みーちゃんが作成したアイスソードをけんさん達精霊が取り囲み楽しそうにわちゃわちゃとしていた。
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