悪役令嬢とヒロインがバトってるのを静かに観戦したいだけなのに、何故か第3王子に捕まっていた

珀空

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◆2章 たとえそれが徒夢であっても溺れたい

017.がらんどうな二人にはお似合いでしょう?★

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★R18


 
 __仄暗い部屋にアリスとオーウェンは居た。


 身体をベッドへ沈ませてアリスは過ぎた欲望を一身に受ける。それから、愛おしいその人を見上げた。彼はゆったりと微笑みながら、キスをひとつアリスに落とした。ぽたりとオーウェンの汗が落ちてきて擽ったい。アリスは小さく身悶えた。


「__アリス」


 オーウェンはアリスと目が合うと腰を揺さぶるのは止めないまま、彼女の名前を呼んだ。すると彼女のナカがキュンと締まるので、思わず笑みを零してしまう。


「......は、んん、お、おーうぇんさ、ま」


 アリスは燻る熱に翻弄されながら彼の名前を呼んだ。オーウェンの吐いた息が首筋にあたり身体をほんの少しだけ強ばらせる。オーウェンはアリスの首筋に唇を寄せて、その白に吸い付いた。それを何回か繰り返されたが、身を捩ることすら許されないくらいに囲われたアリスの身体に逃げ道などなく、その狂うような感覚にひたすらに蹂躙されていく。


「はは、......蕩けた顔してる。かわいい」
「やら、そこやぁ!も、止めて......っんん!」
「やだ、じゃないよね?」


 __この時間が始まってどれくらい経っただろう。


 アリスは立てた足をガクガクと震わせながら甘い声を漏らす。オーウェンはそれを貪るように口付けを落としながら、柔らかい乳房に手を置き、焦らすようにさわさわと触れながら腰を彼女に打ち付け続ける。すると、彼女の細くて白い身体はシーツの海の中で厭らしく溺れていった。


「は、...ん、......っ」
「ひ、んんっ!?...ふ、ぁ、__~~~っ!」


 オーウェンはそんな彼女をさらに沈めるように奥深くを抉るように押し上げる。オーウェンの口付けから解放されたアリスは彼にしがみつきながら身体を大きく仰け反らせて、もう何度目になるか分からない絶頂に声を上げた。


(オーウェン様はケダモノ。......間違いない、絶対そうだ......)


 アリスは頭の中でそんなことを考えた。情事が始まる前に思わず口にした"それ"を再確認させられる。オーウェンの熱い身体を近くに感じながら、アリスはまだまだ終わらない夜の逢い引きにそろそろ限界が来た気がして内心頭を抱えたかったが、それをする余裕すらないくらいにオーウェンに翻弄され続けている。



「あ、ァ、っんん、ふ、ううっ」
「アリス、は、ん、......気持ちいい?」
「あぁ、んむ、ひぁあんっ」
「アリス?」
「は、はひ、......きもちい、きもちい、です」


 まだまだ夜が更けきらないくらいの時間に長い長い愛撫の末、彼のモノがアリスに入ってきた訳だが、オーウェンは、それからずっとこの前のように激しくではなく、まるで堪能しているようにゆっくりと丁寧にアリスの"良いところ"を的確に突いてくる。


 すでに夜はとうに更け、二人は随分と長時間こうしている。激しくないとはいえ、これはこれで辛い。前回と違い、快感をよく拾うようになった身体は甘い刺激に簡単に解かされてしまった。


「あ、んっ、は、はぁ、ふぁあんっ」
「くっ......、凄い締めつけ」


 ギュウギュウと伸縮を繰り返しすナカが、オーウェンのそれを包み込んでチュパチュパとキスをして、まるで食べようとしているかのように絡みつく。それでも負けずに一切変わらない速度で彼女の弱い所を擦って、押し潰すとまた彼女の身体が一層大きく跳ねた。どうやら、達してしまったらしい。


「止まって、ください。い、いってる!は、はぁ、ひぅん、ぁ、あんっ」
「......っ、はあ」
「ん、んんっ」


 オーウェンは懇願する彼女にキスを落として、言われた通り止まる。しかし、先程から淫らに動く彼女の腰は止まっていないので彼女は相変らず快感に悶えた。


 どうやら自分の腰がこんな風に動いていることに気付いていないらしい。そんなアリスに合わせてオーウェンはまた動き出した。


 "良いところ"を一つ一つ覚えて善がる彼女を見下ろして、思わず笑みを深めていく。


「やぁ、あっ、ああん」
「これは、気持ちいい?」
「は、い......っ!」


 じゅぶ、じゅぶ、とはしたない音が部屋に響いて彼女の甘い嬌声と一緒になる。熱くねっとりと絡みつく腟内を揺すり、擦り、それから的確に奥を突く。時間をかけてグズグズにアリスを溶かしたオーウェンは、ずっと触れていなかった彼女の花芽に手を置いた。すると彼女の身体がビクリと跳ねた気もしたが、構わずにそれをギュッと摘む。


「ひぃいんっ!そこ、一緒やあ!は、あぁぁぁっっ!は、んっ!」
「ふふ、達してしまったね?」
「あ、あ......」


 激しい快感に身体をガクガクと震わせるアリスは、オーウェンにギュッとしがみついた。それが堪らなく可愛くてオーウェンは止めるどころか、さらに刺激を強くする。摘むだけじゃなく、捏ねて、突いて、それから優しく撫でた。


 そうすると彼女の中は更に湿っていき、下の口からはしたなく涎を垂らし続けた。自分のせいでドロドロと溶けていく彼女を見て、オーウェンはさらに大きく膨らんだ熱をそのまま彼女に叩きつけるように揺さぶった。


「ひ、う、んんっ!は、ぁあ、あんっ。~~~っ!」
「う、はっ、ぁ」


 彼女のナカに白濁を出すと、彼女の中は痙攣しながらそれをしっかりと飲み込んでいく。じゅぶ、じゅぶと鳴る水音を大きく鳴らしながら、オーウェンは彼女の中に己を刻み込むように腰を動かし、それから浅い息を繰り返すアリスの頬にかかる髪を退かしてやった。


 呆然とオーウェンを見上げてくるアリスの目はとろんと蕩けていて、オーウェンは思わずそっと彼女の頬に片手を置いた。


 __こんな表情を見れるのは自分だけだ。


 そう思うとオーウェンは堪らなく嬉しくなった。"あの見なれた表情"以外を沢山見ることができて、オーウェンの胸の奥にずっと留まり続ける棘がほんの少しだけ無くなってしまったような、そんな感覚がした。


「大丈夫?身体辛くない?」
「......はい」


 もちろんオーウェンは、アリスが身体が弱いのは分かっている。今日は無理をさせてしまったが大丈夫だろうか?そんなことを考えながら彼女を見下ろした。


 彼女の身体の弱さは魔力から来るものだから、と得意の"感知"で彼女の魔力に大きな乱れがないかを確認する。少しだけ魔力に乱れがあるように感じられたが、体調を大きく崩す程じゃないだろう。それを確認してから、オーウェンは自身を彼女のナカから引き抜こうとした。


「ん、ぅ、ぁあっ」


 しかし、ヒクヒクとひくつく彼女のナカはまだまだ物足りないのか、それとも生理的な現象なのかオーウェンのモノを追い掛けるように絡みついた。大方後者であることは分かっていたが、そんな感覚を覚えるとまた欲望がムクムクと湧いてきて、自身の煩悩に思わず苦笑してしまった。


「.....アリス、これで最後にするから」
「ひ、あ、んんっ」


 アリスはアリスでようやくこの行為の終わりが見えたと思ったのに、まだまだやる気のある様子オーウェンに正直戦いた。


(え、なんで?もう終わりじゃないの?)


 虚ろな目で彼を見れば、やんわりと細められた目に捉えられる。それにゾクリとしたものが背を駆けて、やがてぼんやりと諦観が浮かんでくる。


 王子様然としているし、というか本物の王子様であるし、顔も綺麗だし、声も聞きやすい低さであるし、普段は柔らかく微笑むのに、こういう行為をする時やアリスに悪戯を仕掛ける時は様々な顔を見せてくれる。


(仕方ない。.....諦めよう)


 婚約してまだほんの僅かしか経っていないが、アリスはオーウェンにほぼ陥落していた。何が仕方ないのか分からないが、オーウェンのその表情を見てしまうと何だかまだまだ流されても良い気がしてくる。厄介な魔法にかかったような気分に浸りながら、アリスは小さく息をついた。


 それからまたアリスはオーウェンの良いように揺さぶられる。アリスもできるだけ応えたかったが、如何せん身体が眠気と疲労でそろそろ本当に限界だった。


(オーウェン様はケダモノだわっ!)


 アリスはぼんやりとした意識の中で思わずそう心の中で叫んだ。



 ◇◆



 オーウェンは、眠ってしまったアリスの隣に横たわる。アリスの頭を軽く上げさせて、行為前に外しておいたロストブルーが埋め込まれたペンダントを首にかけ、それから彼女の長い髪をゆっくりと撫でる。


 気が済むまでそれを楽しむと、オーウェンはその身体を抱き込んだ。行為が終わり、魔法で清めた身体はサラリとしていて、柔らかい。白くて細くてしなやかなその身体だとか、鼻をくすぐる甘い香りだとかを実感してオーウェンはほっとため息をつく。


 彼女は相変わらず彼に唯一の安寧を齎してくれる、そんな気がした。


(まだ、......まだ遠いなあ...)



『......?__......っ』

「うん、分かってるよ」


 オーウェンは、突然騒ぎ出した"それ"に思わずそう呟いた。いつもは気にしないが、今日は応える気分になったのだ。彼の視界にはぼんやりと淡く光る"それ"がチラチラと舞っていた。


「......分かっているから、___これが最後のチャンスだって」

『......__?』

「後悔?するわけないさ。良いんだ。決めていたからね。......アリスを1人だけ堕とすわけにはいかないだろう?」


 オーウェンは眠気を覚えながらゆったりとそう呟いた。その顔には笑みすら浮かんでいる。彼の深い深い青い目は、いつだって彼女だけを見つめていた。そう、___。


「......__」


 夜に同化していく意識の中でオーウェンはぽつりと魔法を唱えた。アリスに渡したロストブルーが淡い光を放つ。青色の光が部屋の中に溢れてからゆっくりと消失した。


(これで効果が持つと良いけれど......)


 そう心の中で呟いて、眠るアリスの首筋にそっと手を置いた。細くて白い首をそっと撫ぜてからオーウェンは目を閉じる。


「まだその時ではない、よね?」


 誰に言うでもなくそれを問うてから、彼は彼女の首から手を離す。そして、ようやく眠りにつくために目を閉じる。


「どうか俺の隣にいる時だけでもよい夢が見られますように」


 彼女が笑っていられるような佳い良い好い善い 苦しみのない幸福な夢が彼女に与えられたなら、それだけでもオーウェンにとっては僥倖だった。


(__誰にも俺たちの邪魔はさせてやらない)


 そんなことを考えながら、オーウェンは淡い微睡みに落ちた。
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みんなの感想(1件)

スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.09.15 珀空

ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします!

解除

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