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第1章 ニューヨーク
フィフスアヴェニューの五つ星ホテル 1
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静かさだけが、皇帝という名のオフィスを支配していた。
ジェレミー・ルイス社長は、優雅な指の動きで、言葉もなくリサに座るよう促す。社長のスピーチのために彼女が書いた原稿に、まもなく判決が下される。リサはデスクの前の椅子で、返事を待っていた。
うつむきがちにタブレット画面を見つめるルイス氏の額には、ブロンドの前髪がかかり、彼が頭の角度を変える度に窓からの日差しを受け、金色に微妙な陰影をつけていく。
まるで天の使いの羽毛みたいに柔らかそうで豪華……。
今はそんな恐れ多いことでも考えてなんとか落ち着かなくては、とリサは自分の暗褐色の髪を肩の後ろに押しやる。冷静でいられなくて、そっと窓の外に視線をさまよわせた。
――八十四階から見えるニューヨークの景色って、こんな怖いくらい高い場所だった?
確かずっと昔、この上の屋上にある展望台から眺めた摩天楼は、他のビルを遥か下方に見下ろしていても恐怖は感じなかった気がする。弟を肩車している父の上着を引っ張りながら、もう片方の手は母とつないで、家族みんなただ楽しさに満たされてた。
まだ何も知らない子供だったから……。
けれど十五年後に同じビルの最上階で働くことになるなんて……。幼かったリサには、ルイス・エンタープライズがどんな会社だか知らなかったし、まさか社長と一緒に仕事をする運命だとか……予想すらしなかった。
とはいえ彼女はすでに雇用されたというわけではない。ハーバード・ビジネススクールに通うリサが、インターンとしてルイス・エンタープライズでこの先半年の間実習することに決まったのは、つい先月のことだった。
栄冠に輝いた日、検索ボックスにその人の名前を入力してみた。そしたら、そしたら……インターネットの上には、まばゆいばかりの彼がいた。
ジェレミー・ディヴィッド・ルイス――ベンチャー・キャピタルとITビジネスに携わっている「ルイス・エンタープライズ」のCEOであり所有者。ハーバード・ビジネススクール(HBS)をわずか二十二歳で修了。
――あ、わたしと同い年の頃、もう卒業しちゃったんだ、この人。しかもトップの成績で。
当時の社長だった父、ギルバート・ルイス氏と共に事業の拡大に取り組み、何代も続いてきた会社を大きく発展させた人物。通常スキップ(飛び級)もリピート(留年)もなくストレートに進級すれば、大学院を卒業するのは二十四歳だ。けれど彼の場合は、子供の頃から会社経営について父から教わり、飛び級を重ねた結果の功績だろう。
わずか三十四歳の社長……、全米一の企業を取り締まるトップとしては極めて若いと言っていい。もちろん年齢だけで言えば二十代の社長だっていくらでもいる。けれど……権力や資産の大きさじゃなく、ルイス・エンタープライズのやっていることに、社会が注目しているっていう意味で、「できる人」なのは間違いない。
「もっと早く卒業しようと思えば不可能ではなかったが、首席で学位を取ることが第一目標だった」というコメント記事も、隣に掲載されていた。ハーバード・ビジネススクールの場合は特に、企業がエリート社員をこの大学院に送り込んでくるケースも多く、生徒の平均年齢は高い。つまりそういう経験ある年長者と、競って勝ち得た首位の席次という栄誉だ。
「いいだろう。じゃあ、君にも一緒に担当してもらおう」
「え?」
呆然としているリサの手に、薄いタブレット端末が乗せられた。
担当するというのは、彼女が準備していた社長のスピーチを指している。つまりルイス氏だけでなく、リサもコンファレンスで全員の注目を浴びながら話さなくてはならないのだ。
「プレゼンテーションの中盤までと最後は私が受け持つ。時間は二分で」
「えっと、わたし……もですか? ほんとに? た、確か政府の要人も出席するコンファレンスだと、うかがってますが」
彼は「それが何か問題でも?」と問いたげな青い瞳を投げかけた。
「インターンシップの一環だ。君もハーバードを卒業したら、嫌でもそういう機会が多くなる」
思わずリサは、ごくりと息を飲み込む。
アメリカ政府が主催する会議で、ルイス・エンタープライズも競合他社に混じってプロジェクト内容を説明する。社長が自らプレゼンテーションをするその重要な場において、インターンのリサにも担当せよといきなり下された命令だった。しばらく前から資料作りを手伝ってきた彼女は、これが社運を賭けるほど大きなプロジェクトでないのはわかっている。けれどVIPの前でミスでもしたら、彼女のせいでこの社のアイディアは不採用になってしまうかもしれないというのに……。
「会議は来週の金曜日、ああ、場所はザ・ピエールのコティリヨン・ルームだって言ってあったかな?」
「ぇ……!」
答える代わりに思わずぽかんと口を開けたリサは、しばらくそのままルイス氏を眺めていた。
ザ・ピエール・タージ・ニューヨークといえば……三十九階の全フロアを占める大統領専用のプレジデンシャル・スイートまである、五つ星ホテルだ。そんなことよりも何よりも、かのアカデミー賞に輝いた「セント・オブ・ア・ウーマン」で、アル・パチーノがタンゴを踊った舞踏室コティリヨンを知らない人は、たぶんニューヨークにいない。ザ・ピエールが自ら宣伝文句にしているほど有名だ。
「パフォーマンスの成功の鍵は……まず、君のパッションを見せること。二つめは、聴衆の要求に焦点を合わせる。三つ、常にシンプルに。まだ練習時間はたっぷりある」
「はい!」
君主の命令は絶対だ。
ボストンの木立溢れるハーバード・ビジネススクールが夏の緑に輝く頃、一年目を終了した学生たちはその美しさに歓喜され心を預けるゆとりもなく、足早にキャンパスを行き交う。それは二年目が始まる前の夏休みから、インターンシップを始める学生が多いからだ。だから彼女も、大手のコンサルティング企業かベンチャー・キャピタルで実習したいと思っていた。なのにまさか、誰もが憧れるルイス・エンタープライズを教授から紹介されるなんて考えてもみなかった。
面接を経て無事インターン契約に至り、ニューヨークに来てみたら……、なんと社長のアシスタントとして、ルイス氏が自ら直接指導にあたることを言い渡されたのだ。
――こんな特別な待遇を受ける理由がもし……わたしを……、ううん、よけいな心配をしてる場合じゃない。
ありがたいことにリサは、そんな思いを巡らせる暇もなく、上司の才能に圧倒される毎日を送っていた。
中でもとりわけ魅力を感じているのは、マンハッタンのオフィスだけで何十人といる社員らが、社長の手腕に敬意を表していることだ。しかもただの部下ではなくて、経験豊かなという形容詞のつくビジネスマンたちが、彼の仕事ぶりを崇めている。加えてルイス氏は、彼らに適確なコマンドを与え、組織を動かしているリーダーたるところにももちろん感銘を受けている。
おそらくハーバードの卒業生の中でも、そんなに早くここまで昇りつめた人は少ないはず……。
財界の総帥のごとく君臨するジェレミー・ルイス氏、マンハッタンを一望できるオフィスは、ニューヨークの鼓動さえも聞こえてきそうなほど彼にふさわしい場所だった。
ジェレミー・ルイス社長は、優雅な指の動きで、言葉もなくリサに座るよう促す。社長のスピーチのために彼女が書いた原稿に、まもなく判決が下される。リサはデスクの前の椅子で、返事を待っていた。
うつむきがちにタブレット画面を見つめるルイス氏の額には、ブロンドの前髪がかかり、彼が頭の角度を変える度に窓からの日差しを受け、金色に微妙な陰影をつけていく。
まるで天の使いの羽毛みたいに柔らかそうで豪華……。
今はそんな恐れ多いことでも考えてなんとか落ち着かなくては、とリサは自分の暗褐色の髪を肩の後ろに押しやる。冷静でいられなくて、そっと窓の外に視線をさまよわせた。
――八十四階から見えるニューヨークの景色って、こんな怖いくらい高い場所だった?
確かずっと昔、この上の屋上にある展望台から眺めた摩天楼は、他のビルを遥か下方に見下ろしていても恐怖は感じなかった気がする。弟を肩車している父の上着を引っ張りながら、もう片方の手は母とつないで、家族みんなただ楽しさに満たされてた。
まだ何も知らない子供だったから……。
けれど十五年後に同じビルの最上階で働くことになるなんて……。幼かったリサには、ルイス・エンタープライズがどんな会社だか知らなかったし、まさか社長と一緒に仕事をする運命だとか……予想すらしなかった。
とはいえ彼女はすでに雇用されたというわけではない。ハーバード・ビジネススクールに通うリサが、インターンとしてルイス・エンタープライズでこの先半年の間実習することに決まったのは、つい先月のことだった。
栄冠に輝いた日、検索ボックスにその人の名前を入力してみた。そしたら、そしたら……インターネットの上には、まばゆいばかりの彼がいた。
ジェレミー・ディヴィッド・ルイス――ベンチャー・キャピタルとITビジネスに携わっている「ルイス・エンタープライズ」のCEOであり所有者。ハーバード・ビジネススクール(HBS)をわずか二十二歳で修了。
――あ、わたしと同い年の頃、もう卒業しちゃったんだ、この人。しかもトップの成績で。
当時の社長だった父、ギルバート・ルイス氏と共に事業の拡大に取り組み、何代も続いてきた会社を大きく発展させた人物。通常スキップ(飛び級)もリピート(留年)もなくストレートに進級すれば、大学院を卒業するのは二十四歳だ。けれど彼の場合は、子供の頃から会社経営について父から教わり、飛び級を重ねた結果の功績だろう。
わずか三十四歳の社長……、全米一の企業を取り締まるトップとしては極めて若いと言っていい。もちろん年齢だけで言えば二十代の社長だっていくらでもいる。けれど……権力や資産の大きさじゃなく、ルイス・エンタープライズのやっていることに、社会が注目しているっていう意味で、「できる人」なのは間違いない。
「もっと早く卒業しようと思えば不可能ではなかったが、首席で学位を取ることが第一目標だった」というコメント記事も、隣に掲載されていた。ハーバード・ビジネススクールの場合は特に、企業がエリート社員をこの大学院に送り込んでくるケースも多く、生徒の平均年齢は高い。つまりそういう経験ある年長者と、競って勝ち得た首位の席次という栄誉だ。
「いいだろう。じゃあ、君にも一緒に担当してもらおう」
「え?」
呆然としているリサの手に、薄いタブレット端末が乗せられた。
担当するというのは、彼女が準備していた社長のスピーチを指している。つまりルイス氏だけでなく、リサもコンファレンスで全員の注目を浴びながら話さなくてはならないのだ。
「プレゼンテーションの中盤までと最後は私が受け持つ。時間は二分で」
「えっと、わたし……もですか? ほんとに? た、確か政府の要人も出席するコンファレンスだと、うかがってますが」
彼は「それが何か問題でも?」と問いたげな青い瞳を投げかけた。
「インターンシップの一環だ。君もハーバードを卒業したら、嫌でもそういう機会が多くなる」
思わずリサは、ごくりと息を飲み込む。
アメリカ政府が主催する会議で、ルイス・エンタープライズも競合他社に混じってプロジェクト内容を説明する。社長が自らプレゼンテーションをするその重要な場において、インターンのリサにも担当せよといきなり下された命令だった。しばらく前から資料作りを手伝ってきた彼女は、これが社運を賭けるほど大きなプロジェクトでないのはわかっている。けれどVIPの前でミスでもしたら、彼女のせいでこの社のアイディアは不採用になってしまうかもしれないというのに……。
「会議は来週の金曜日、ああ、場所はザ・ピエールのコティリヨン・ルームだって言ってあったかな?」
「ぇ……!」
答える代わりに思わずぽかんと口を開けたリサは、しばらくそのままルイス氏を眺めていた。
ザ・ピエール・タージ・ニューヨークといえば……三十九階の全フロアを占める大統領専用のプレジデンシャル・スイートまである、五つ星ホテルだ。そんなことよりも何よりも、かのアカデミー賞に輝いた「セント・オブ・ア・ウーマン」で、アル・パチーノがタンゴを踊った舞踏室コティリヨンを知らない人は、たぶんニューヨークにいない。ザ・ピエールが自ら宣伝文句にしているほど有名だ。
「パフォーマンスの成功の鍵は……まず、君のパッションを見せること。二つめは、聴衆の要求に焦点を合わせる。三つ、常にシンプルに。まだ練習時間はたっぷりある」
「はい!」
君主の命令は絶対だ。
ボストンの木立溢れるハーバード・ビジネススクールが夏の緑に輝く頃、一年目を終了した学生たちはその美しさに歓喜され心を預けるゆとりもなく、足早にキャンパスを行き交う。それは二年目が始まる前の夏休みから、インターンシップを始める学生が多いからだ。だから彼女も、大手のコンサルティング企業かベンチャー・キャピタルで実習したいと思っていた。なのにまさか、誰もが憧れるルイス・エンタープライズを教授から紹介されるなんて考えてもみなかった。
面接を経て無事インターン契約に至り、ニューヨークに来てみたら……、なんと社長のアシスタントとして、ルイス氏が自ら直接指導にあたることを言い渡されたのだ。
――こんな特別な待遇を受ける理由がもし……わたしを……、ううん、よけいな心配をしてる場合じゃない。
ありがたいことにリサは、そんな思いを巡らせる暇もなく、上司の才能に圧倒される毎日を送っていた。
中でもとりわけ魅力を感じているのは、マンハッタンのオフィスだけで何十人といる社員らが、社長の手腕に敬意を表していることだ。しかもただの部下ではなくて、経験豊かなという形容詞のつくビジネスマンたちが、彼の仕事ぶりを崇めている。加えてルイス氏は、彼らに適確なコマンドを与え、組織を動かしているリーダーたるところにももちろん感銘を受けている。
おそらくハーバードの卒業生の中でも、そんなに早くここまで昇りつめた人は少ないはず……。
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2024.07.05
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