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咲月
28.紅い月と桜
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夜。真っ暗では無い月明かりのある夜。
その日は紅い月であったがために淡い紅の月明かりが差し込んでいた。
今は春先であるので桜が咲いている。これを夜桜と言うのであろう。桜の花びらが夜の紅い月明かりに向かって翔ぶ。
「こんな夜更けにお散歩ですか?」
男性の声がした。少し丘になっている場所の上に座っていた。その丘には一際大きな枝垂れ桜が植わって居た。
私は一瞬『鬼』か何かと思った。少し大きな盃を持ち、オレンジ色の髪は月明かりと相まって紅い色に近かったからだ。数秒の後、彼が人であるということに気づいた。
「えぇ、紅い月とは珍しいと思ったもので」
私は何気なく彼に返事をする。
彼は噂になるほどの美形であり、この辺に住んでいる私も知らない顔だった。
風が吹く。桜の花びらが風で舞い、紅い月に向かって飛んでいく。私はそれを何気なく見ていたのだが、どうにもおかしい。紅い月に向かってしか花びらは飛んで行かないのだ。
別のところに行ってもいい筈なのに。
「気づかれましたか?ここがおかしい事に」
彼の声が響く。風は消え、音が消えた。彼の声しか聞こえない。枝が触れる音、葉が触る音、風の音、地面を踏みしめる音、何も聞こえない。
よく考えたら『月が紅いこともおかしい』
「気づかれましたか?貴女は。それは良かったですね。貴女はまだ生きていられるのだから。」
口角を吊り上げ彼が盃の酒の飲み干すと私の視界は暗転し、気がついたら自分のベットの上だった。
「夢・・・・?」
そう言った時、手に何かが触れた。
そこには紅く染まった桜の花びらがあった。
窓は閉まっているはずなのに。
その日は紅い月であったがために淡い紅の月明かりが差し込んでいた。
今は春先であるので桜が咲いている。これを夜桜と言うのであろう。桜の花びらが夜の紅い月明かりに向かって翔ぶ。
「こんな夜更けにお散歩ですか?」
男性の声がした。少し丘になっている場所の上に座っていた。その丘には一際大きな枝垂れ桜が植わって居た。
私は一瞬『鬼』か何かと思った。少し大きな盃を持ち、オレンジ色の髪は月明かりと相まって紅い色に近かったからだ。数秒の後、彼が人であるということに気づいた。
「えぇ、紅い月とは珍しいと思ったもので」
私は何気なく彼に返事をする。
彼は噂になるほどの美形であり、この辺に住んでいる私も知らない顔だった。
風が吹く。桜の花びらが風で舞い、紅い月に向かって飛んでいく。私はそれを何気なく見ていたのだが、どうにもおかしい。紅い月に向かってしか花びらは飛んで行かないのだ。
別のところに行ってもいい筈なのに。
「気づかれましたか?ここがおかしい事に」
彼の声が響く。風は消え、音が消えた。彼の声しか聞こえない。枝が触れる音、葉が触る音、風の音、地面を踏みしめる音、何も聞こえない。
よく考えたら『月が紅いこともおかしい』
「気づかれましたか?貴女は。それは良かったですね。貴女はまだ生きていられるのだから。」
口角を吊り上げ彼が盃の酒の飲み干すと私の視界は暗転し、気がついたら自分のベットの上だった。
「夢・・・・?」
そう言った時、手に何かが触れた。
そこには紅く染まった桜の花びらがあった。
窓は閉まっているはずなのに。
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