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蛙巳
104.季節は消えて
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紅い紅い花が咲いている。
他の木が青々とした葉をつけている中、その家の木だけは紅い紅い花を咲かせていた。
「見てみて!ここだけ桜が咲いてるんだよ!」
黄色い帽子にランドセルを背負った子供が秘密基地を紹介するように指を指す。
「すっげぇ!中に入ってみようぜ!」
何も知らないとは怖いものである。
そこは近所の人達も近づかない場所。
静かであるのに灯りは付いている。
深夜にだけ人が入っていくのを見る。
そんな場所に誰が近づきたいだろうか。
しかし、子供がそんなことを知っている訳などないのである。
「小さいお客さんだぁ・・・」
声が聞こえた。
少し高いけれど、何か掴みどころのない声。
「お姉さん、なんで今この桜は咲いてるの?」
「ん~?それはねぇ?こっちに来たら分かるよぉ?あと、この花は桜じゃなくて梅って言うんだよぉ・・・」
それが家に子供達を招き入れる。
子供は無垢だ。疑いなんてほとんどしない。
だから入ってしまった。
「まぁ、僕はお姉さんでもお兄さんでもないんだけどねぇ・・・?」
子供達を家に入れた後、そっと外を見ながら呟いた。
それの家に咲いていた紅い花は梅。
普通なら季節が違うはずなのに、何故か咲いている梅。
綺麗に咲いているのに、どこか怪しい雰囲気だった。しかしその原因は誰にも分からなかった。
他の木が青々とした葉をつけている中、その家の木だけは紅い紅い花を咲かせていた。
「見てみて!ここだけ桜が咲いてるんだよ!」
黄色い帽子にランドセルを背負った子供が秘密基地を紹介するように指を指す。
「すっげぇ!中に入ってみようぜ!」
何も知らないとは怖いものである。
そこは近所の人達も近づかない場所。
静かであるのに灯りは付いている。
深夜にだけ人が入っていくのを見る。
そんな場所に誰が近づきたいだろうか。
しかし、子供がそんなことを知っている訳などないのである。
「小さいお客さんだぁ・・・」
声が聞こえた。
少し高いけれど、何か掴みどころのない声。
「お姉さん、なんで今この桜は咲いてるの?」
「ん~?それはねぇ?こっちに来たら分かるよぉ?あと、この花は桜じゃなくて梅って言うんだよぉ・・・」
それが家に子供達を招き入れる。
子供は無垢だ。疑いなんてほとんどしない。
だから入ってしまった。
「まぁ、僕はお姉さんでもお兄さんでもないんだけどねぇ・・・?」
子供達を家に入れた後、そっと外を見ながら呟いた。
それの家に咲いていた紅い花は梅。
普通なら季節が違うはずなのに、何故か咲いている梅。
綺麗に咲いているのに、どこか怪しい雰囲気だった。しかしその原因は誰にも分からなかった。
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