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井上不動産はこの都市の東西南北に賃貸マンションをもち、中央には店舗ビルも持っていた。そして、店舗ビルの最上階に井上不動産社長の井上五郎が住んでいた。そこが住居であり井上不動産会社の管理事務所でもあったのだ。
佐川たちはビルの中に入るとすぐにエレベーターにのった。だが、最上階のボタンを押してもつかないのだ。
「用心をしているな」
そこで、その下のボタンを押して佐川たちは降りた。その後、階段を登って、最上階に行き、管理事務所と書かれているドアを押してあけた。
突然の侵入に驚いている男に向かって佐川はたちは警察手帳を見せた。
「警察が、なにか御用ですか?」と言った男は、大きな木の机を前にすわっていた。
机の上には、なにか書類が置かれ、それを整理していたようだった。
「昨日の夜。あなたはムーンソナタで本間さんと一緒に飲んでいましたね。何時から何時までご一緒だったのですか?」
「確か八時頃から十一時まで、そこにいましたよ。でも、どうして、そんなことを聞くんですか?」
「実はですね。ブティック・オカダで社長の岡田沙織さんが遺体で発見された。そこで副社長をしている本間勇さんの行動も調べているのですが、昨日の夜、あなたとご一緒だったと言われておりますが」
「そんなことですか。確かに、本間は私と同じ時間、八時ころにムーンにやってきて、私より少し早く十時ころ、タクシーを呼んで帰っていきましたよ」
「そうですか。帰りの時間は間違いありませんか?」
「スナックがお客の頼みでいつも呼んでいるタクシー会社、大友タクシーだったと思います。そこの運転手にも確認されたらいい」
そうですか。有難うございました。後できがついたことができましたら、もう一度お話を聞きに来るかもしれませんが、その時はよろしく」
佐川たちは井上の住居をでると階段を使って一段だけ下の階に下りて行った。もちろん、その後エレベーターにのって一階までおりてビルの外に出た。
この後、別件の強盗事件の現場に二人は顔を出した。
夕食に屋台でそばを食べ、二人は午後七時に開いたばかりのスナック・ムーンのドアを開けた。
「いらっしゃい」と言って、佐川たちに向かって顔をあげた男は警戒の色をしめした。こんな早い時間に常連でない者がくることはなかったからだ。佐川たちは警察手帳を見せた。
「警察の方でしたか、なにか?」
「昨日の夜、本間勇さんがこちらにおいでになったと思うんですが」
「ええ、確かにきていましたよ。仕事の後にちょくちょく寄っていただいている」
「そうですか。昨日の夜は、何時から何時までこの店においでになっていましたか?」
「えっと、八時ころきて、そう井上不動産の社長が、同じころ店に入ってきていましたよ。二人でやたらに水割りを飲んでいましたが、本間さんは十時頃帰りたいと言い出したのでタクシーを呼んであげましたよ。それに乗って自宅に帰っていったはずです」
「本間さんは、一度も、この店を出なかったのですか。長い間、飲んでいれば、トイレに行きたくなるんじゃありませんか?」
「そう言えば、一度だけトイレに行っていました。九時頃かな。でも、五分ぐらいで戻ってきていましたよ。そう井上さんも一緒にトイレに行っていた。つれしょんという奴ですかね」
「そうですか」と言って、佐川は頭をさげ、近藤はメモをしていた手帳をしまい、二人は店をでた。
「アリバイは、完璧ですね。他の者たちを当たる必要がありますよ」と近藤が言うと、佐川は軽く首を左右にふっていた。
佐川たちはビルの中に入るとすぐにエレベーターにのった。だが、最上階のボタンを押してもつかないのだ。
「用心をしているな」
そこで、その下のボタンを押して佐川たちは降りた。その後、階段を登って、最上階に行き、管理事務所と書かれているドアを押してあけた。
突然の侵入に驚いている男に向かって佐川はたちは警察手帳を見せた。
「警察が、なにか御用ですか?」と言った男は、大きな木の机を前にすわっていた。
机の上には、なにか書類が置かれ、それを整理していたようだった。
「昨日の夜。あなたはムーンソナタで本間さんと一緒に飲んでいましたね。何時から何時までご一緒だったのですか?」
「確か八時頃から十一時まで、そこにいましたよ。でも、どうして、そんなことを聞くんですか?」
「実はですね。ブティック・オカダで社長の岡田沙織さんが遺体で発見された。そこで副社長をしている本間勇さんの行動も調べているのですが、昨日の夜、あなたとご一緒だったと言われておりますが」
「そんなことですか。確かに、本間は私と同じ時間、八時ころにムーンにやってきて、私より少し早く十時ころ、タクシーを呼んで帰っていきましたよ」
「そうですか。帰りの時間は間違いありませんか?」
「スナックがお客の頼みでいつも呼んでいるタクシー会社、大友タクシーだったと思います。そこの運転手にも確認されたらいい」
そうですか。有難うございました。後できがついたことができましたら、もう一度お話を聞きに来るかもしれませんが、その時はよろしく」
佐川たちは井上の住居をでると階段を使って一段だけ下の階に下りて行った。もちろん、その後エレベーターにのって一階までおりてビルの外に出た。
この後、別件の強盗事件の現場に二人は顔を出した。
夕食に屋台でそばを食べ、二人は午後七時に開いたばかりのスナック・ムーンのドアを開けた。
「いらっしゃい」と言って、佐川たちに向かって顔をあげた男は警戒の色をしめした。こんな早い時間に常連でない者がくることはなかったからだ。佐川たちは警察手帳を見せた。
「警察の方でしたか、なにか?」
「昨日の夜、本間勇さんがこちらにおいでになったと思うんですが」
「ええ、確かにきていましたよ。仕事の後にちょくちょく寄っていただいている」
「そうですか。昨日の夜は、何時から何時までこの店においでになっていましたか?」
「えっと、八時ころきて、そう井上不動産の社長が、同じころ店に入ってきていましたよ。二人でやたらに水割りを飲んでいましたが、本間さんは十時頃帰りたいと言い出したのでタクシーを呼んであげましたよ。それに乗って自宅に帰っていったはずです」
「本間さんは、一度も、この店を出なかったのですか。長い間、飲んでいれば、トイレに行きたくなるんじゃありませんか?」
「そう言えば、一度だけトイレに行っていました。九時頃かな。でも、五分ぐらいで戻ってきていましたよ。そう井上さんも一緒にトイレに行っていた。つれしょんという奴ですかね」
「そうですか」と言って、佐川は頭をさげ、近藤はメモをしていた手帳をしまい、二人は店をでた。
「アリバイは、完璧ですね。他の者たちを当たる必要がありますよ」と近藤が言うと、佐川は軽く首を左右にふっていた。
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