19 / 23
第十九話 ギルドへ依頼
しおりを挟む
強盗団の黒幕がインガ国だと連邦国に知れ渡ると、すぐに強盗団に襲われた国々は共同してインガ国に兵士を送り込んだ。だが、それを迎えたインガ国の兵士の中には、人でない者も混じっていたのだ。
それは、カラス頭をもつ兵士たちだった。
カラス頭が尖ったくちばしからカラスの鳴き声のような声を出すと、目の前にいる兵士たちはバタバタと倒れて死んでいったのだ。それはカラス頭が出す声に死の呪いをかける力があったからだ。
インガ国との争いに大敗をきした国々の王たちは、フタ―ク国に集まった。そして、城の大広間にカント王を参加させた会議を開いたのだ。王たちは、カントにすべての連邦国が一緒になってインガ国と戦うことを要求していた。自国にも強盗団が出没されていたカントは話を聞かない訳にはいかなくなっていた。だが、話を聞けば聞くほど、相手が恐ろしい相手であることが分かる。人でない兵士は、魔神サタンが作り出した魔物であることに間違いはない。
そこで、カントは、魔物退治の話を優先させ、それをギルドの特別パーティに依頼することを決めて、集まった王たちの鎮静化をまずはかったのだ。だが、全面戦争からカントは逃げることができなかった。カントは、連邦国の総括としての役割を確認され、連邦国のどの国も準備が整った時点で開戦をすることを、各王たちの満場一致で決議されたのだった。
すぐに伝令の早馬がガンダ国に向かって走った。
そして、伝令を受けとったエルザはライタルを呼びつけた。
「相手が相手です。今度だけは、断った方がいいと思う。免れない死を選ぶ必要はない」
「エルザ様、インガ国のロズエルは、私にとって、どうしても倒さなければならない相手なのです。その申し出はうけてください」
エルザは目を細めて、じっとライダルをみつめた。
「わかりました。カント王にそう連絡をいたします。また連邦国が一斉にインガ国と戦う日を決めることになっています。その連絡が入りしだい、あなた方にお知らせをいたしますよ」
「承知いたしました」と言って、ライタルは頭をさげていた。
宮殿から別邸に戻ってきたライタルはすぐにパーティの仲間たちを集めた。
小さな円形のテーブルを囲んだみんなの顔を見廻した後、ライタルはエルザから聞いたインガ国のカラス頭の兵士のことと、その者たちを相手に戦うことを勝手に決めた話をして、頭をさげ謝っていた。
「何をおっしゃるのですか。無論、戦いは望むところ。やはり卑怯者のロズエルの考えそうなことですな」と、メリカが言っていた。
「王子が、強張った顔をされていたので、何事かと思いましたぞ。強盗団の正体が人ではないと知ったときから、私どもが相手にするのは只者ではない。いや、化け物だと分かっておりましたぞ」
ベラルは、笑ってみせた。
「そんな敵には遠くから矢を放つだけのこと。離れていれば、呪いなど、届きなどしませんぞ」と、弓使いのビックは大声をあげた。そんな仲間たちの顔をみつめていたシアロは「声を武器にした呪文など、わしにはきかんよ」と呟くように言っていた。
シアロの言葉に、みんなは声をあげて笑った。
ライタルが異形の者たち相手にすることを聞いたオバタはすぐに礼拝堂を作るようにアンナに言い出したのだ。
「礼拝堂は大きな物を作る必要はありません。みんなで祈りをささげることができる場所を作ればいいだけです。私たちができることはトロ神に祈ることだけです。神に祈ってライタルたちを守ってもらうようにお願いをするのですよ」
アンナは、さっそく前にぎっくり腰の治療をしてあげた大工のハルクに相談をしに行った。
「この街の人たちの多くがアンナさまに世話になっている。それにこの国はギルドの方々の稼ぎがあってこそ、やってこれたことを知っておりますぞ。そのギルドの方々のお役にたつなら、やってあげない訳にはいかないでしょう」とハルクは言って、左官屋、鍛冶屋など礼拝堂を作るために必要な人たちを集めてくれたのだった。
それに、商店街の代表は、使われなくなった家を壊し空き地に積んでいた廃材をわけてくれたのだった。
オバタは簡単な絵図を描き、それをもとにハルクたちは廃材を使って五日間で礼拝堂を作ってくれたのだ。礼拝堂の祭壇にアンナは持ってきたトロの神像をおいた。すると、神像は、かすかに光を帯びたように、アンナは覚えたのだった。
礼拝堂の完成式には、街の人たち、ライタルを始めギルドの人たち、さらにエルザも来てくれた。
オバタは、すぐに新しくできた礼拝堂にこもりトロ神に祈りをささげだしたのだ。アンナと三人の聖女は仕事の合間をぬって交代で祈りを行った。そして、孤児院の子供たちも礼拝堂にやってきて祈ってくれていた。
それは、カラス頭をもつ兵士たちだった。
カラス頭が尖ったくちばしからカラスの鳴き声のような声を出すと、目の前にいる兵士たちはバタバタと倒れて死んでいったのだ。それはカラス頭が出す声に死の呪いをかける力があったからだ。
インガ国との争いに大敗をきした国々の王たちは、フタ―ク国に集まった。そして、城の大広間にカント王を参加させた会議を開いたのだ。王たちは、カントにすべての連邦国が一緒になってインガ国と戦うことを要求していた。自国にも強盗団が出没されていたカントは話を聞かない訳にはいかなくなっていた。だが、話を聞けば聞くほど、相手が恐ろしい相手であることが分かる。人でない兵士は、魔神サタンが作り出した魔物であることに間違いはない。
そこで、カントは、魔物退治の話を優先させ、それをギルドの特別パーティに依頼することを決めて、集まった王たちの鎮静化をまずはかったのだ。だが、全面戦争からカントは逃げることができなかった。カントは、連邦国の総括としての役割を確認され、連邦国のどの国も準備が整った時点で開戦をすることを、各王たちの満場一致で決議されたのだった。
すぐに伝令の早馬がガンダ国に向かって走った。
そして、伝令を受けとったエルザはライタルを呼びつけた。
「相手が相手です。今度だけは、断った方がいいと思う。免れない死を選ぶ必要はない」
「エルザ様、インガ国のロズエルは、私にとって、どうしても倒さなければならない相手なのです。その申し出はうけてください」
エルザは目を細めて、じっとライダルをみつめた。
「わかりました。カント王にそう連絡をいたします。また連邦国が一斉にインガ国と戦う日を決めることになっています。その連絡が入りしだい、あなた方にお知らせをいたしますよ」
「承知いたしました」と言って、ライタルは頭をさげていた。
宮殿から別邸に戻ってきたライタルはすぐにパーティの仲間たちを集めた。
小さな円形のテーブルを囲んだみんなの顔を見廻した後、ライタルはエルザから聞いたインガ国のカラス頭の兵士のことと、その者たちを相手に戦うことを勝手に決めた話をして、頭をさげ謝っていた。
「何をおっしゃるのですか。無論、戦いは望むところ。やはり卑怯者のロズエルの考えそうなことですな」と、メリカが言っていた。
「王子が、強張った顔をされていたので、何事かと思いましたぞ。強盗団の正体が人ではないと知ったときから、私どもが相手にするのは只者ではない。いや、化け物だと分かっておりましたぞ」
ベラルは、笑ってみせた。
「そんな敵には遠くから矢を放つだけのこと。離れていれば、呪いなど、届きなどしませんぞ」と、弓使いのビックは大声をあげた。そんな仲間たちの顔をみつめていたシアロは「声を武器にした呪文など、わしにはきかんよ」と呟くように言っていた。
シアロの言葉に、みんなは声をあげて笑った。
ライタルが異形の者たち相手にすることを聞いたオバタはすぐに礼拝堂を作るようにアンナに言い出したのだ。
「礼拝堂は大きな物を作る必要はありません。みんなで祈りをささげることができる場所を作ればいいだけです。私たちができることはトロ神に祈ることだけです。神に祈ってライタルたちを守ってもらうようにお願いをするのですよ」
アンナは、さっそく前にぎっくり腰の治療をしてあげた大工のハルクに相談をしに行った。
「この街の人たちの多くがアンナさまに世話になっている。それにこの国はギルドの方々の稼ぎがあってこそ、やってこれたことを知っておりますぞ。そのギルドの方々のお役にたつなら、やってあげない訳にはいかないでしょう」とハルクは言って、左官屋、鍛冶屋など礼拝堂を作るために必要な人たちを集めてくれたのだった。
それに、商店街の代表は、使われなくなった家を壊し空き地に積んでいた廃材をわけてくれたのだった。
オバタは簡単な絵図を描き、それをもとにハルクたちは廃材を使って五日間で礼拝堂を作ってくれたのだ。礼拝堂の祭壇にアンナは持ってきたトロの神像をおいた。すると、神像は、かすかに光を帯びたように、アンナは覚えたのだった。
礼拝堂の完成式には、街の人たち、ライタルを始めギルドの人たち、さらにエルザも来てくれた。
オバタは、すぐに新しくできた礼拝堂にこもりトロ神に祈りをささげだしたのだ。アンナと三人の聖女は仕事の合間をぬって交代で祈りを行った。そして、孤児院の子供たちも礼拝堂にやってきて祈ってくれていた。
0
あなたにおすすめの小説
一年だけの夫婦でも私は幸せでした。
クロユキ
恋愛
騎士のブライドと結婚をしたフローズンは夫がまだ婚約者だった姉を今でも想っている事を知っていた。
フローズンとブライドは政略結婚で結婚式当日にブライドの婚約者だった姉が姿を消してしまった。
フローズンは姉が戻るまでの一年の夫婦の生活が始まった。
更新が不定期です。誤字脱字がありますが宜しくお願いします。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】能力が無くても聖女ですか?
天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。
十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に…
無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。
周囲は国王の命令だと我慢する日々。
だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に…
行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる…
「おぉー聖女様ぁ」
眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた…
タイトル変更しました
召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です
婚約破棄して泥を投げつけた元婚約者が「無能」と笑う中、光り輝く幼なじみの王子に掠め取られました。
ムラサメ
恋愛
「お前のような無能、我が家には不要だ。今すぐ消えろ!」
婚約者・エドワードのために身を粉にして尽くしてきたフィオナは、卒業パーティーの夜、雨の中に放り出される。
泥にまみれ、絶望に沈む彼女の前に現れたのは、かつての幼なじみであり、今や国中から愛される「黄金の王子」シリルだった。
「やっと見つけた。……ねえ、フィオナ。あんなゴミに君を傷つけさせるなんて、僕の落ち度だね」
汚れを厭わずフィオナを抱き上げたシリルは、彼女を自分の屋敷へと連れ帰る。
「自分には価値がない」と思い込むフィオナを、シリルは異常なまでの執着と甘い言葉で、とろけるように溺愛し始めて――。
一方で、フィオナを捨てたエドワードは気づいていなかった。
自分の手柄だと思っていた仕事も、領地の繁栄も、すべてはフィオナの才能によるものだったということに。
ボロボロになっていく元婚約者。美しく着飾られ、シリルの腕の中で幸せに微笑むフィオナ。
「僕の星を捨てた報い、たっぷりと受けてもらうよ?」
圧倒的な光を放つ幼なじみによる、最高に華やかな逆転劇がいま始まる!
『偽物』と追放された真の聖女ですが、辺境の冷徹公爵に拾われて溺愛されています。ちなみに私を捨てた国は禁術の呪いで滅びかけているようです。
ささい
恋愛
「君は偽物だ。今すぐこの国から失せろ!」
十年間、聖女として国に尽くしてきたエミリシアは、王太子ユーベルトから非情な婚約破棄と追放を言い渡される。 代わって現れたのは、禁術を操り偽りの奇跡を振りまく侯爵令嬢リディエッタだった。
着の身着のままで最果ての辺境・ミューレンベルク領へ辿り着いたエミリシア。 そこで彼女を待っていたのは、冷徹と名高い公爵レオフィリスによる、予想外の過保護なまでの溺愛だった。
※『追放された聖女ですが辺境領主と幸せになります。禁術で自滅した偽聖女と王太子の完治?無理ですね。』の改稿連載版ですm(_ _)m
全6話、完結まで予約投稿済です。
2/3の19:00に3話、以降は毎日7:00投稿予定。2/6に完結となります。
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる