17 / 27
17襲撃
しおりを挟む
リチャード王は、まず自分の体にできている吹き出物を治したがっていた。自分がきれいな体になってから、私と結婚をして一緒に暮らしたいと言っていた。
王がそんな思いでいることを知ると、私は王の体から早く吹き出物が完全に消えるように治療に専念することにした。
大広間で行う晩餐に王も出席することができるようになっていた。
今日も、私は前から決められていた王の左前の席にすわっていた。ともかく王と一緒に食事ができるようになっただけでも、私は幸せだった。
食事を始めて、20分もたっただろうか。
鎖帷子をきた男が大広間に飛び込んできた。男は町の夜間警護をする見回り隊だった。
「王よ。われらの下町が襲われております」
下町はカルゾ国で商店がもっとも多い街であった。男は、事件の被害状況を知らせ、応援を出して欲しいと言っていた。
「敵は何人ぐらいいるんだ?」と、城を警護する隊長のスカイが聞いていた。
「はっきりとは分かりませんが、10人はいるかと思われます」
「城下のできごとじゃな。警備隊から人を出してはどうかな?」と、王は言っていた。
「王から、それを言われましたら、出て行かないわけにはいきませんな」
スカイは立ち上がると大笑いをして出ていた。
「今まで、国の外から攻められることはありましたが、盗賊がきて国の中から騒ぎを起こされたことはありませんでしたが」と言って、リカードが肩眉をあげた。
「どうも、国が裕福であることが知れ渡ってしまっているようですな」と、騎士隊長のロバートは笑っていた。
「おかしい。まさか言いふらしている者でもいるのだろうか?」と、リカードは腕を組んでいた。
リカードが感じた漠然とした不安は、すぐに姿を明確にしていった。次々と街を襲う盗賊が出没したのだ。それも、街の家に火をつけて、大火事を起こしたりする者まで出てきた。
その度に城の警備がメインであるはずの警備隊がいつも出向くようになっていた。
その日の夕刻。
城下の二ヶ所に盗賊が現れたのだ。先に警備隊は出て行って城に残っているのは騎士たちしかいなかった。見回り隊の報告では、盗賊が襲っているのは中町で盗賊の数は20人はいると言っていた。
「そこには金山でとれた金の延べ棒もあるな。それは国の財宝と言っていいものだ」と、王は立ちあがっていた。
「どうやら、私も行かなければ、ならんようだ」と言った王は騎士たちにも出動を命じたのだった。
私は自分の部屋に戻り、ベランダから王と騎士たちが一団となって馬で遠ざかっていくのを見ていた。
「たいへんなことになりましたね」とアンナは私に声をかけてきた。こんな場合、私は王である夫を信じて待つしかない。
王たちが城を飛び出してから、1時間もたってはいなかった。
私はベランダから見ていると、縄梯子をかけて、塀を登ろうとする者たちを私は見つけたのだ。すぐにアンナに言うと、アンナは下に行き、城に残っていた警護兵に知らせてくれた。そのお陰で、縄梯子をはずされ、見知らぬ者が入ることができなくなっていた。
だが、やがて暗闇から一人の男がゆっくりと近づいてきた。
その男は、塀をしばらく見つめてから、屈みこむと一気に塀を飛び越えて見せたのだ。
雲の間から月の光がもれて私は男の顔を見ることができた。忘れはしない。男はゾンド国の魔将軍ヤガラであったのだ。
城内に入ってきたヤガラと剣をまじわした警備兵が倒れる音が聞こえてきた。
私はリンダからもらった小刀を取り出し腰帯の間にさしていた。
やがて、ヤガラが私の部屋に入ってきた。
「やっぱり、ここにいたか。王妃様。早く始末をさせてもらうよ」
にやつくヤガラの手は四本に戻っていた。グリスに切られた手を復元をさせていたのだ。その四本の手に、それぞれ剣がにぎられていた。
倒れている警備兵を見たリカードがかけつけてくれた。左手に縦を右手には槍を持っていた。
「化け物め! ナターシャ様に手を出させはしないぞ」
「私を相手にできるのかな?」
ヤガラが、私たちを馬鹿にし侮っていることは間違いがなかった。
ヤガラは剣を私の上にふり下ろそうとすると、リカードは盾をかかげて、私の前に立って防いでくれた。もう一つの剣でヤガラがリガードを切りつけると、それは槍の先で受けていた。
だがヤガラは腕を四本持っている。他の剣を動かして、私を突き刺そうとしてきた。すぐに、私は短剣を持って、剣をはらうことができた。まさか、ここでリンダの教えが役立つとは思ってもいなかった。
リカードは若い頃は剣を持って戦場に出ていた。普通の人以上に戦う力を持っていたのだ。だが、彼にも欠点があった。もう若くないことだ。ヤガラを相手にして戦うことは、四倍の戦いが必要だ。やがて、疲れが彼の体を襲い出し、ヤガラの剣で腕や胸に切り傷ができ出していた。
リカードの額に脂汗が浮かびだした頃、軽快な足音が聞こえてきた。
私の部屋に入ってきたのは、リチャード王だった。
「やっぱり、本命はここが狙いだったのか」
「ちくしょう。どうして、戻ってきたんだ」とヤガラは叫んでいた。
「私が中町に行ったすぐに、あんたらの仲間は逃げ出した。それも金貨の入った袋をおいて行った。確かに、そんな物を持っていては、逃げづらい。しかし、物盗りに入ったのならば、おいては行かないはずだ。だから、本当は城に兵をいなくさせるための陽動作戦ではないかと思ったわけだよ。そこで、私だけ先に城に戻ってきたのさ」
「二度と立ち直れない呪いをかけてやるぞ!」とヤガラは呪文を唱えようとした。すぐにリチャード王はすばやく剣をヤガラの口に投げ入れていた。
「同じことを何度もされる愚か者ではないぞ。口を開けることができなければ、呪いを唱えることもできまい」
すぐにリカードは槍でヤガラの心臓をつらぬいていた。
ヤガラは丸太になったように音を立てて倒れて行った。
「リカードよ。この者は焼いてしまわなければならんぞ!」
「そうですな。そうしなければ、また蘇ってくるかもしれませんな」
城の庭園そばに薪がつまれ、その上にヤガラの遺体が載せられると、すぐに火をつけられていた。私は、リチャード王とともに焼かれていくヤガラを見つめ続け、火はすべての邪悪さを消し去るように、ヤガラを灰に変えていった。
王がそんな思いでいることを知ると、私は王の体から早く吹き出物が完全に消えるように治療に専念することにした。
大広間で行う晩餐に王も出席することができるようになっていた。
今日も、私は前から決められていた王の左前の席にすわっていた。ともかく王と一緒に食事ができるようになっただけでも、私は幸せだった。
食事を始めて、20分もたっただろうか。
鎖帷子をきた男が大広間に飛び込んできた。男は町の夜間警護をする見回り隊だった。
「王よ。われらの下町が襲われております」
下町はカルゾ国で商店がもっとも多い街であった。男は、事件の被害状況を知らせ、応援を出して欲しいと言っていた。
「敵は何人ぐらいいるんだ?」と、城を警護する隊長のスカイが聞いていた。
「はっきりとは分かりませんが、10人はいるかと思われます」
「城下のできごとじゃな。警備隊から人を出してはどうかな?」と、王は言っていた。
「王から、それを言われましたら、出て行かないわけにはいきませんな」
スカイは立ち上がると大笑いをして出ていた。
「今まで、国の外から攻められることはありましたが、盗賊がきて国の中から騒ぎを起こされたことはありませんでしたが」と言って、リカードが肩眉をあげた。
「どうも、国が裕福であることが知れ渡ってしまっているようですな」と、騎士隊長のロバートは笑っていた。
「おかしい。まさか言いふらしている者でもいるのだろうか?」と、リカードは腕を組んでいた。
リカードが感じた漠然とした不安は、すぐに姿を明確にしていった。次々と街を襲う盗賊が出没したのだ。それも、街の家に火をつけて、大火事を起こしたりする者まで出てきた。
その度に城の警備がメインであるはずの警備隊がいつも出向くようになっていた。
その日の夕刻。
城下の二ヶ所に盗賊が現れたのだ。先に警備隊は出て行って城に残っているのは騎士たちしかいなかった。見回り隊の報告では、盗賊が襲っているのは中町で盗賊の数は20人はいると言っていた。
「そこには金山でとれた金の延べ棒もあるな。それは国の財宝と言っていいものだ」と、王は立ちあがっていた。
「どうやら、私も行かなければ、ならんようだ」と言った王は騎士たちにも出動を命じたのだった。
私は自分の部屋に戻り、ベランダから王と騎士たちが一団となって馬で遠ざかっていくのを見ていた。
「たいへんなことになりましたね」とアンナは私に声をかけてきた。こんな場合、私は王である夫を信じて待つしかない。
王たちが城を飛び出してから、1時間もたってはいなかった。
私はベランダから見ていると、縄梯子をかけて、塀を登ろうとする者たちを私は見つけたのだ。すぐにアンナに言うと、アンナは下に行き、城に残っていた警護兵に知らせてくれた。そのお陰で、縄梯子をはずされ、見知らぬ者が入ることができなくなっていた。
だが、やがて暗闇から一人の男がゆっくりと近づいてきた。
その男は、塀をしばらく見つめてから、屈みこむと一気に塀を飛び越えて見せたのだ。
雲の間から月の光がもれて私は男の顔を見ることができた。忘れはしない。男はゾンド国の魔将軍ヤガラであったのだ。
城内に入ってきたヤガラと剣をまじわした警備兵が倒れる音が聞こえてきた。
私はリンダからもらった小刀を取り出し腰帯の間にさしていた。
やがて、ヤガラが私の部屋に入ってきた。
「やっぱり、ここにいたか。王妃様。早く始末をさせてもらうよ」
にやつくヤガラの手は四本に戻っていた。グリスに切られた手を復元をさせていたのだ。その四本の手に、それぞれ剣がにぎられていた。
倒れている警備兵を見たリカードがかけつけてくれた。左手に縦を右手には槍を持っていた。
「化け物め! ナターシャ様に手を出させはしないぞ」
「私を相手にできるのかな?」
ヤガラが、私たちを馬鹿にし侮っていることは間違いがなかった。
ヤガラは剣を私の上にふり下ろそうとすると、リカードは盾をかかげて、私の前に立って防いでくれた。もう一つの剣でヤガラがリガードを切りつけると、それは槍の先で受けていた。
だがヤガラは腕を四本持っている。他の剣を動かして、私を突き刺そうとしてきた。すぐに、私は短剣を持って、剣をはらうことができた。まさか、ここでリンダの教えが役立つとは思ってもいなかった。
リカードは若い頃は剣を持って戦場に出ていた。普通の人以上に戦う力を持っていたのだ。だが、彼にも欠点があった。もう若くないことだ。ヤガラを相手にして戦うことは、四倍の戦いが必要だ。やがて、疲れが彼の体を襲い出し、ヤガラの剣で腕や胸に切り傷ができ出していた。
リカードの額に脂汗が浮かびだした頃、軽快な足音が聞こえてきた。
私の部屋に入ってきたのは、リチャード王だった。
「やっぱり、本命はここが狙いだったのか」
「ちくしょう。どうして、戻ってきたんだ」とヤガラは叫んでいた。
「私が中町に行ったすぐに、あんたらの仲間は逃げ出した。それも金貨の入った袋をおいて行った。確かに、そんな物を持っていては、逃げづらい。しかし、物盗りに入ったのならば、おいては行かないはずだ。だから、本当は城に兵をいなくさせるための陽動作戦ではないかと思ったわけだよ。そこで、私だけ先に城に戻ってきたのさ」
「二度と立ち直れない呪いをかけてやるぞ!」とヤガラは呪文を唱えようとした。すぐにリチャード王はすばやく剣をヤガラの口に投げ入れていた。
「同じことを何度もされる愚か者ではないぞ。口を開けることができなければ、呪いを唱えることもできまい」
すぐにリカードは槍でヤガラの心臓をつらぬいていた。
ヤガラは丸太になったように音を立てて倒れて行った。
「リカードよ。この者は焼いてしまわなければならんぞ!」
「そうですな。そうしなければ、また蘇ってくるかもしれませんな」
城の庭園そばに薪がつまれ、その上にヤガラの遺体が載せられると、すぐに火をつけられていた。私は、リチャード王とともに焼かれていくヤガラを見つめ続け、火はすべての邪悪さを消し去るように、ヤガラを灰に変えていった。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる