大人の絵本・おじさま

矢野 零時

文字の大きさ
上 下
1 / 6

しおりを挟む
 おじさまは、お父さまの末の弟でした。

 私が幼い頃。
 おじさまは、私を見ると笑顔で近づいてきて、抱き上げてくれたのです。そして、おじさまは、かならず私の頭をなぜてくれました。
 なぜてもらうと、私はやさしい気持ちになり、髪もサラサラになって吹く風にゆれるのでした。

 だから、おじさまを見かけると、私の方からいつも駆けよって行きました。また頭をなぜてもらうためです。


                             
 
             
しおりを挟む

処理中です...