大人の絵本・おじさま

矢野 零時

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 私は中学生になっていました。
 その日。
 明るい日差しの街をおじさまは歩いていました。
 私はすぐにおじさまの側に駆けよろうとしたのです。でも、すぐに私は走るのをやめました。
 私よりも髪が長い女の人が歩いてきて、おじさまに近づいていたからです。おじさまは、その人の腕をとり、笑いながら体をよせていたのでした。

 私は、街路樹の陰にかくれて立ちつくし、二人をみつめていました。
         
                 
 

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