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竜人をさがして!
9襲撃
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突然、反乱軍が下水道のかくれ場所を見つけて入り込んできたのです。同じ病院にかくれていて、今まで見つからなかったことが不思議なくらいでしたから、仕方がないことかもしれません。
反乱軍たちは、怒りにみちているせいか、青龍刀を振って、だれかれ構わずに切りつけてきます。
反乱軍が力をもてば、私たちの世界に竜人たちが戦争をしかけてくるのでしょう。そんなことをさせてはいけない。そのためには、竜国に加勢して反乱軍をはやく抑えてもらわなければなりません。
カオルは、ここに来る前に、七坂神社の参道で拾った9つの玉石を足元におきました。そして、すぐに石に向かって念をかけたのです。石は次々と飛んでいき、反乱軍たちに当たっていました。
訓練をつんできたカオルの念は威力があります。ばたばたと反乱軍たちは倒れていきました。下に落ちた石は、カオルの念を受けてブーメランのようにカオルの足元にふたたび飛んで戻り、新たに敵に向かって飛び立っていきました。
でも突然、玉石がカオルの前に戻らなくなりました。目をこらすと、反乱軍の中に手をあげて、石に向かって、念を送っている者がいたのです。そのせいで、玉石は他の場所に弾き飛ばされていきました。
「まさか、黒魔女がいるのかしら!」
カオルはにらみ続けましたが、顔を真っ赤にぬっているので、何者なのかわかりません。でも、竜国に、最近、私たちの所から来る人が増えたと言っていました。普通の人たちがこのような国に来ることは考えられないことです。
すると、ここに来る人たちの多くは黒魔女であるのに違いありません。
動きをとめたカオルに近づいてきた反乱軍の兵士が振り回した青龍刀でカオルの腹は切り裂かれてしまったのです。さらに玲子の上にも兵士は青龍刀を振りかぶっていきましたが、カオルは必死にホウキを振って青龍刀を弾き飛ばしたのでした。でも、もう立ってはいられません。くずれるようにカオルは倒れてしまいました。
「カオルちゃん、カオルちゃん、しっかりして」
玲子の声を聴きながら、カオルは気が遠くなり意識をなくしていきました。
気を失うなんて、何てふがいないことなのだろう。カオルがそう思うのが精いっぱいでした。
どのくらい意識を失っていたのでしょうか。目を開けると、玲子とピノがカオルをのぞいていたのです。
「どうやら、気がついたようだね」とピノ。
「よかったわ」と玲子が声をあげました。
「どのくらい経っているのかな?」
「カオルちゃんが眠ってから、二日目よ」
カオルは、ベッドそばの棚の上にぬいぐるみのクマがいて、心配そうにこちらを見ていることにきがつきました。
「玲子ちゃんが、おいてくれたの?」
「いえ、私じゃないわよ」と言って、玲子も不思議そうな顔をして、ぬいぐるみのクマをみつめました。
カオルにはわかりました。
カオルの心の中の不安が、クマを動かしたのでしょう。いえ、クマは私を見守り力づけるために、棚の上にいてくれたのです。
「あなたは、やはり、私の守り神だわ」
カオルは体を起こし、クマを手に取って抱きしめていました。
「どうやら、きがついたようだね」
しわがれた声がした方を見ると、白衣をきたコンボがやってきてくれました。
「出血が多かったので、輸血をしておいたぞ」
「私に輸血なんかできたのですか?」
「きみが頑張ってくれている間に、国の正規軍が病院をとりもどしてくれたからね。今、きみが寝ているのは病室のベッドの上だよ。それに、君と竜人の血液を混ぜて確かめてみた。血は固まらずに大丈夫だった。どうやら、きみの血は竜の血と相性がいいらしい。きみの体の中で今も竜の血が混じって流れているかもしれないよ」
「ありがとうございます。玲子ちゃん、薬は持っているよね?」
「大丈夫よ。何かあっても、これは手放すわけにはいかないもの」
「よかったわ」
「カオルちゃんが頑張ってくれなかったら、私も青龍刀で切り裂かれていたのよ。それにピノが力を貸してくれたから、カオルちゃんを助けて逃げ出すことができたわ」
「きみらとピノが頑張ってくれたので、病院でどんな兵士たちの命も助けてやることができるようになった」と、コロンボはやわらいだ表情をしていました。
でも、ピノの顔だけは暗かったのです。
「ピノ、どうかしたの?」と、思わずカオルは聞いてしまいました。
「君が倒れた後のことなんだが、反乱軍はさらにたくさんの仲間を連れてきて、薬品庫を襲って大量の薬を奪っていったんだよ」
「どこかに持っていって売るつもりじゃないかしら?」とカオルが言いました。カオルの頭の中では、薬を買っている黒魔女たちの姿が浮かんでいたのです。
「それも考えられるね。だが、施錠をして簡単に開けることができない冷凍庫にしまこんでいた薬も持ち出されている。どうやら、それを狙っていたとしか思えない」
「なんの薬なのかしら?」
「上に聴くと、ともかく持ち出し禁止になっている薬だそうだ」
ピノが話を終えた時に、ピノの仲間が飛び込んできました。
「たいへんだぞ。乙姫様が住んでいる竜宮城を反乱軍がとり囲んでしまった」
「そんな馬鹿な。乙姫様の周りは屈強な警備兵たちが守っているはずだぞ」
「それが、みんなやられてしまったらしい」
「きっと黒魔女たちが陰で手を貸しているんだわ」と、カオルはモノローグのように言っていました。
反乱軍たちは、怒りにみちているせいか、青龍刀を振って、だれかれ構わずに切りつけてきます。
反乱軍が力をもてば、私たちの世界に竜人たちが戦争をしかけてくるのでしょう。そんなことをさせてはいけない。そのためには、竜国に加勢して反乱軍をはやく抑えてもらわなければなりません。
カオルは、ここに来る前に、七坂神社の参道で拾った9つの玉石を足元におきました。そして、すぐに石に向かって念をかけたのです。石は次々と飛んでいき、反乱軍たちに当たっていました。
訓練をつんできたカオルの念は威力があります。ばたばたと反乱軍たちは倒れていきました。下に落ちた石は、カオルの念を受けてブーメランのようにカオルの足元にふたたび飛んで戻り、新たに敵に向かって飛び立っていきました。
でも突然、玉石がカオルの前に戻らなくなりました。目をこらすと、反乱軍の中に手をあげて、石に向かって、念を送っている者がいたのです。そのせいで、玉石は他の場所に弾き飛ばされていきました。
「まさか、黒魔女がいるのかしら!」
カオルはにらみ続けましたが、顔を真っ赤にぬっているので、何者なのかわかりません。でも、竜国に、最近、私たちの所から来る人が増えたと言っていました。普通の人たちがこのような国に来ることは考えられないことです。
すると、ここに来る人たちの多くは黒魔女であるのに違いありません。
動きをとめたカオルに近づいてきた反乱軍の兵士が振り回した青龍刀でカオルの腹は切り裂かれてしまったのです。さらに玲子の上にも兵士は青龍刀を振りかぶっていきましたが、カオルは必死にホウキを振って青龍刀を弾き飛ばしたのでした。でも、もう立ってはいられません。くずれるようにカオルは倒れてしまいました。
「カオルちゃん、カオルちゃん、しっかりして」
玲子の声を聴きながら、カオルは気が遠くなり意識をなくしていきました。
気を失うなんて、何てふがいないことなのだろう。カオルがそう思うのが精いっぱいでした。
どのくらい意識を失っていたのでしょうか。目を開けると、玲子とピノがカオルをのぞいていたのです。
「どうやら、気がついたようだね」とピノ。
「よかったわ」と玲子が声をあげました。
「どのくらい経っているのかな?」
「カオルちゃんが眠ってから、二日目よ」
カオルは、ベッドそばの棚の上にぬいぐるみのクマがいて、心配そうにこちらを見ていることにきがつきました。
「玲子ちゃんが、おいてくれたの?」
「いえ、私じゃないわよ」と言って、玲子も不思議そうな顔をして、ぬいぐるみのクマをみつめました。
カオルにはわかりました。
カオルの心の中の不安が、クマを動かしたのでしょう。いえ、クマは私を見守り力づけるために、棚の上にいてくれたのです。
「あなたは、やはり、私の守り神だわ」
カオルは体を起こし、クマを手に取って抱きしめていました。
「どうやら、きがついたようだね」
しわがれた声がした方を見ると、白衣をきたコンボがやってきてくれました。
「出血が多かったので、輸血をしておいたぞ」
「私に輸血なんかできたのですか?」
「きみが頑張ってくれている間に、国の正規軍が病院をとりもどしてくれたからね。今、きみが寝ているのは病室のベッドの上だよ。それに、君と竜人の血液を混ぜて確かめてみた。血は固まらずに大丈夫だった。どうやら、きみの血は竜の血と相性がいいらしい。きみの体の中で今も竜の血が混じって流れているかもしれないよ」
「ありがとうございます。玲子ちゃん、薬は持っているよね?」
「大丈夫よ。何かあっても、これは手放すわけにはいかないもの」
「よかったわ」
「カオルちゃんが頑張ってくれなかったら、私も青龍刀で切り裂かれていたのよ。それにピノが力を貸してくれたから、カオルちゃんを助けて逃げ出すことができたわ」
「きみらとピノが頑張ってくれたので、病院でどんな兵士たちの命も助けてやることができるようになった」と、コロンボはやわらいだ表情をしていました。
でも、ピノの顔だけは暗かったのです。
「ピノ、どうかしたの?」と、思わずカオルは聞いてしまいました。
「君が倒れた後のことなんだが、反乱軍はさらにたくさんの仲間を連れてきて、薬品庫を襲って大量の薬を奪っていったんだよ」
「どこかに持っていって売るつもりじゃないかしら?」とカオルが言いました。カオルの頭の中では、薬を買っている黒魔女たちの姿が浮かんでいたのです。
「それも考えられるね。だが、施錠をして簡単に開けることができない冷凍庫にしまこんでいた薬も持ち出されている。どうやら、それを狙っていたとしか思えない」
「なんの薬なのかしら?」
「上に聴くと、ともかく持ち出し禁止になっている薬だそうだ」
ピノが話を終えた時に、ピノの仲間が飛び込んできました。
「たいへんだぞ。乙姫様が住んでいる竜宮城を反乱軍がとり囲んでしまった」
「そんな馬鹿な。乙姫様の周りは屈強な警備兵たちが守っているはずだぞ」
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