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化け物集団誕生の前触れ
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しおりを挟む「ワオーン!」
振り下ろさせる鎌にイサちゃんが飛び出て相手の鎌に体当たりを入れた。
鎌の狙いはズレて私の横ギリギリの地面に刺さった。
だが、相手の鎌は2本。呆然とした空間からすぐに我を取り戻して私はイサちゃんを回収して相手から距離を取る。
横薙ぎに振るわれる鎌をしゃがんで回避してイサちゃんに離れて貰う。
私が勝つにはあの核に高威力の技を与えないと行けない。
だが、妖術が効かなくなった。
どうして?いきなり無効になる事があるのだろうか?ここはゲームだ。何かしらの法則があると父のお手製ゲーム本に会った。
法則、何かしらの決まり事⋯⋯もしかして!
私は相手に向かって駆け出した。
本来は違うので使いにくいしAGIに少しペナルティがある方法だけど、やる。
私はインベントリを操作して巫者の大鎌を出した。
右手に鎌、左手にお祓い棒を構える。
二刀流可能な武器ならともかくこの2つは武器の種類も違うし鎌に関しては両手武器なので少し扱いにくさがある。
更にペナルティでAGIが下がるので機動力が落ちる。
それでも、確かめるにはこれしか無い。
お祓い棒では近接攻撃力が低いのだ。
相手に近づき振り下ろされる鎌を横にズレて回避、そのまま大きく跳躍して横薙ぎの鎌を回避する。
相手の近接攻撃の法則は右の鎌で先制攻撃、だけど縦の斬り方しかして来ない。
次に左の鎌だが、これは下半身を狙った横薙ぎの攻撃だ。鎌自体が大きく躱すのは大きく跳躍か、うつ伏せレベルのしゃがみが必要だ。
近づきながら躱したいのでジャンプを選んだ。
更に接近する。
今考えたらこの相手の攻撃はワンパターンだ。
だから躱すのは造作もない。
そして、核に近づけた。私は霊符の【風刀】を使って斬撃を飛ばす。
核にダメージエフェクトが現れる。
当たりだ。
魔モーの場合は妖術による攻撃が効かない。多分、本来は魔法だ。
近モーの場合は近接攻撃が効かないのだろう。
ソレも確実の物にする為に私は鎌を振るう。
核に鎌が弾かれて私の体は仰け反る。
自分の振り下ろした力がそのまま反動して返って来た感覚だ。
相手は私に向かって鎌を振り下ろす。私は霊符を数枚放出して【風足】で緊急回避と距離を取り残して置いた霊符を解放してダメージを与える。
相手は魔モーに切り変える。
『ジゴクノゴウカニヤカレロ【ヘルファイア】!』
大きな球体の炎が私の目の前に顕現して、そしてゆっくりと近づいてくる。
「わん!」
「ダメ!」
「わぅ」
ネマちゃんは隙を伺い、ハクちゃんはMP節約する為に状況を見てのバフ、マナちゃんは現在は休憩中及び仲間の位置把握や突然の自体に備えての警戒だ。
相手の魔法【ヘルファイア】は現在のMP量では防げないかもしれない。
【竜巻】は霊符化出来なかったのだ。
そしてさっきのレーザーよりかは威力は低そうに見えるがそれでも防ぐのは難しい。
【風壁】もその他の霊符も無駄遣いして言い訳が無いのだ。
どうやって躱す。それだけを考える。
相手の炎のスピードは遅い。十分に考えられるし、それで居て相手は他の魔法も使わないし近モーにも変えないし動かない。
動かない?
「ネマちゃん!」
私はチャンスだと判断してネマちゃんに攻撃して貰う為に叫ぶ。
この魔法、いや他の魔法の時も魔法を使う際は鎌は動かしても体は動かして居ないのだ。
つまり、魔法を使う時が1番の攻撃チャンスであると判断した。
これって召喚獣とか使役獣が居ない場合この隙を見て攻撃するのって難しいのかな?
ん~よく分かんないな。私の周りの人なら殆ど出来そうだし。
「ニャニャァ!」
ネマちゃんが核に接近して爪で連続攻撃を繰り出す。
相手は苦しみ出して核が光るのでネマちゃんは退避、魔法は消える。
ネマちゃんが離れてから数秒後、核がトゲトゲになる。
もしもそのまま攻撃していたと考えると恐ろしいね。
分かりやすい攻撃で良かったよ。
私は駆け出した。
相手は魔モーなので動きを制限されるのでお祓い棒をインベントリにしまい両手で鎌を構える。
相手に近づたら跳躍してトゲトゲから戻った球体の核に鎌を振り下ろす。
『ガガガガガガガガ』
不可思議な悲鳴を上げて自分に向かって炎の玉を連続して飛ばしてくる。
自分に魔法の攻撃が当たる訳もなく、私にか当たらないその魔法を私は【呪縛】を使って相手の骨と骨の隙を埋めて即席の壁として【風足】を使って加速して即座に退避した。
【呪縛】は悲しい事に1つの炎の玉で砕け散った。
「何とか、6割」
強く見えて攻略不可能だと思った相手のHPは残り4割なのだ。
攻撃のパターンが変わると不安だったがそんな事もなく近モーに変わった。
その後も淡々と作業のようにそんな単調な戦いが始まった。
慣れて来たのでハクちゃんのバフも貰って効率を上げてイサちゃんに迷惑も掛けて居ない。
変化が会ったのはあと一歩、相手のHP残り1割の時だった。
『ググググググガガガガガガガガダダダダダダダ』
相手の体から湯気が出て来て、その体を小さくして行く。
この時に攻撃すれば良いのだが、それが出来ない程に驚きに変わっていた。
相手の体が小さくなる度に骨が砕けて小さく、しかし再生して新たな骨となる。
黒色の骨は更に黒く、体は既に私と対策が無い程の身長となり鎌を2本構えていた。
ローブの色も黒色だ。
そして目を赤く叱らせてただ、一言。
『終わらせる』
機械的なそんな声から、普通の人が話しているかのようなリアリティのある声へと変わった。
相手の身長は私の現実とこのアバターは身長170なのでだいたい2メートルはある相手。
左の鎌を私に向けてそう呟いた。
「それは、アナタの台詞じゃない!私の台詞だ!」
私は足に力を込めて1歩を強く踏み込めて相手に向かって接近した。
相手も同じように足に力を込めて、地を蹴って一気に私に向かって接近して来た。
その速さは歴然。小さくなった分、機動力が格段に上昇しているのだ。
ただ、速度だけじゃなかった。
私は咄嗟に【風足】を妖術で展開して使用しバックステップで距離を取る。
私のいた場所に振り下ろされた鎌の先端を見ると地面に刺さり螺旋上に亀裂が広がっていた。
速く、重い一撃をただの普通の攻撃のように繰り出した相手に私は唖然とした。
これが相手の本気だと、改めて確認した瞬間だ。
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