超ゲーム初心者の黒巫女召喚士〜動物嫌われ体質、VRにモフを求める〜

ネリムZ

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黒巫女召喚士と暴食の悪魔

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 パナギア。
 彼女は天使教の聖女である。
 クールビューティと言う言葉が似合う金髪碧眼のパナギアはゾウのような鼻を持っている上位悪魔《アークデーモン》と対峙していた。

『俺様の相手はこんな華奢な魔法士か?』
「魔法士?何を言っているのですか?私の戦闘《バトル》仕方《スタイル》は格闘ですよ?この杖も近接用です」
『何?』
「それでは行きますよ!」

 杖を掲げて右足を前に出す。
 上位悪魔《アークデーモン》は相手が強者だと何となく分かっている故に腕をクロスして防御スタイルをとる。

「【付与《エンチャント》魔法《マジック》:重複】」

【付与《エンチャント》魔法《マジック》:重複】
 対象に作用するバフやデバフを重複させる事が出来る。
 レベルによって時間が伸びる。
 パナギアは勿論レベルマックスで20秒持つ。
 杖に対して使用して重複可能にした。
 バフは重ねがけすると効果時間が伸びるだけだ。
 だが、重複可能にすると効果時間は変わらないが同じバフを何回も使えてその分だけステータスが上昇するようになる。

「スーー【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】【フル強化】」

 息が続く限り強化魔法を掛けて杖の能力を向上させる。

「散れ【ホーリーウォーターバレット】」

 聖なる金色の光を放つ液体、『魔法式聖水』の弾丸を複数生産して上位悪魔《アークデーモン》に放つ。
 魔法の数によって、ただ腕をクロスして防御体制を取っただけの防ぎでは到底意味が無い。
 ダダダダダダダダ、と打撃音を響かせながら上位悪魔の皮膚を削りダメージエフェクトを散らす。
 魔法が終わり上位悪魔はゆっくりと腕を下ろして片膝を付く。

『な、なんだ、これ、は?お前は武術家じゃないのか?』
「貴方は馬鹿ですか?悪魔の分際で良く人間の言う事を信じる事が出来ましたね?馬鹿を通り越した大馬鹿者ですね?馬鹿正直と言うべきですか?私は武術家?私は確かにバトルスタイルは格闘と言いました。ですが、それがただの口から出た出任せですよ?杖も魔法用ですしね。どうして命の駆け引きをしているのに馬鹿正直に敵の言っている事を信用したんですか?悪魔は長きを生きる程に強くなる。上位となればそこそこ長生きしていると思うのですが⋯⋯それでもこの程度の知能とは、これは悪魔の教育が悪いのでしょか?未来が怖いでね?あ、悪魔なんぞ天使様の足元にも及ばないゴミは無くても良いですね。貴方の様なゴミで馬鹿でカスはさっさと魔界に帰って下さい。それと、大量に出て来ている悪魔をどうにかして下さい。おバカさん」
『て、てめぇ』

 煽りを一通り終えてから上位悪魔に接近して杖を振り下ろす。
 魔法用だと思った、思ってしまっている上位悪魔は吹き飛ばされる。

『な、何故だ?あ、あれも嘘?』
「人間は嘘をつく生き物です。あぞとく、いやらしく、賢い人が偉いのです。私は思うのです。人は信用出来ないって。だって人は嘘をつける知能がある。世の中嘘の塊、嘘に嘘を重ねて新たな嘘となる。噂は独りでに動き新たな噂となり、結果として嘘となる。私は嘘が嫌いです。嘘をつく人が嫌いです。嘘は人を不幸にする。嘘は人を幸せにする。本音ばかりは人を嫌な気持ちにしてしまう」
『なんの話を⋯⋯』
「あ、すみません。私ってかなりお喋り何です。少し貴方の鼻を見ていると昔の事を思い出しましてね。あーあ、なんかすごくすごーくムカついて来た。そろそろ浄化と行きましょう。──私に力をお貸しください──ガブリエル様!」

 天使の羽を4枚生やして帽子を被っている存在が降り立って来た。
 歌を歌いパナギアに恵《バフ》を与える。
 その効果は魔法能力向上、魔法発動時間完全カット、聖属性魔法能力向上である。
 その上昇率は尋常では無い。

「あ、答え合わせです。この杖は悪魔に対してだけは近接も行けるんです」

 勿論嘘である。
 パナギアの持つ杖は『ツイン』と言う杖型の武器である。
 魔法能力向上モードと近接攻撃力向上モードと切り替えが可能になっている。
 なので普段は杖だが時々棒にも成れる。
 そして聖属性を強化してくれる効果があり、このツインの前では嘘がつけなく成る。正確には『思った事が口に出てしまう』を意図的に起こす事が可能なのだ。

「さぁ、ゴミ雑魚カス馬鹿自称上位悪魔さん。懺悔はありますか?」
『【ダークフレア】』
「成程、それが貴方の答えですね。それでは、始めますね【ヘブン・エンジェル・バレット】」

 聖属性の塊、金色で神々しい天使の光を放つ1つの弾丸。
 銃弾の様な形をしている光は高速で、光の速さで上位悪魔へと放たれた。
 魔法で作られた黒色の炎を貫通し霧散させて止まる事無く飛んで行く。
 上位悪魔は翼を生やして高く遠くに飛ぼうとするが、遅い。
 上位悪魔の3つある心臓の1つを貫き、貫通して向きを変えて再び上位悪魔へと放たれてもう1つ心臓を貫通し、同じ事を繰り返して最後の心臓も貫く。

「これで当分は復活出来ませんね。ま、そもそも浄化するので復活も何も無いですけどね。来世は悪魔に堕ちるような性格には成らない事を祈ります」

 これはパナギアの本心である。

「【アムレート】」
『グガアアアアアアアアアアア!』

 上位悪魔を包み込む温もりある光の柱が徐々に細くなり、消える。上位悪魔諸共。
 クルリと向きを変えて仲間の援護に入るパナギア。
 ただ、一言。

「転生出来ると良いですね」

 ガブリエルは役目を終えて天界へと帰る。


 ベルゼブブに接近して刀を横薙ぎに振るい、勢いに任せて回転して再び振るうがバックステップで躱さられる。
 ベルゼブブが地面から足を離した瞬間にマナちゃんがベルゼブブに突撃する。
 空中でバク転の容量で体を曲げるベルゼブブ、
 グルンと回転して地面に着地する。
 着地した瞬間にベルゼブブにイサちゃんが接近して爪を振るう。
 レーヴァテインで防いで居る時にネマちゃんが爪で攻撃する。

「巫女の舞、第一節、【四天竜の神楽】」

 回転を数回しながら接近して回転が基本の舞に合わさて刀を振るう。
 正しい舞を舞う度に刀が光る。
 タイミングを合わせてベルゼブブの膝に攻撃する。

『【シールド】』

 半透明の盾に防がれる。

 相変わらず硬すぎる。
【シールド】の展開には少しだけ間がある事は分かったけど、【巫女の舞】の関係上攻撃するには少し時間があるんだよな~。
 皆の攻撃では使わずに私の舞の時だけに使うからなかなか直撃させる事が出来ない。
 硬いし速いし強いし、これでも大分戦えているけどHP全然減らない。

「フーー」

 皆で距離を取り、私は深呼吸する。
 体を動かすのは私では無いけど精神統一は必要だ。
 精神2つある説があるけどね。
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