17 / 179
物理系魔法少女、からかわれる
しおりを挟む
「魔法って凄いね!」
アオイさんは足から蒼い炎を噴射して、その勢いを利用して加速してくる。
まるでジェット機だ。
「ほら、早く魔法を使いなさい!」
そんなに魔法を使わせたいのか。
そもそも、魔法少女だから魔法が使えるって、超ど偏見だからな! あ、ブーメランが刺さった気がする。
まぁ良い。
「出口までは間に合わない気がする⋯⋯しゃーない。年下に攻撃するのは気が引けるけど⋯⋯正当防衛だ」
俺は百八十度回転して、跳躍する。
高速でアオイに接近して、拳を固める。
「正当防衛パンチ」
「⋯⋯ッ!」
目の前に炎の壁ができるが、関係ねぇ。
それ事砕いてぶん殴る。
「らっ!」
壁に穴が空き、その向こう側に居た⋯⋯って居ない!
「さすがにびっくりしたわ! 殺す気!?」
「その言葉丸々お返ししますよ!」
背中に炎が衝突する。地面に叩き落とされる。
焼けるような痛みが背中に走る。
痛い⋯⋯てか、この身体になってから初めて感じる強い痛みだ。
不思議だな。
「痛い。悶え苦しむくらいには痛いのに、耐えられる」
精神的な面も若々しくなっているのかね?
身体だけじゃなくて、精神的にも魔法少女に寄っていたら、少しだけ嫌だけど。
今はこの戦い以外の事で思考のリソースを使うのは良くないか。
「ふぅ。しかたない。そこまで魔法が見たいなら見せてやるよ」
「ようやくか。来い、アカツキ」
ステッキを右手に持ち帰る。
さっきまでステッキは使ってなかったけど、魔法を使うにはこれがないとできない。
「これが俺の魔法、物理魔法だ」
「物理⋯⋯? 音響、波動⋯⋯これは凄そうね」
誰も物理学の事は言ってないけど、勝手にそう思って頂こう。
たとえレベル差があろうとも、さっきのパンチで驚くなら、これは見えまい。
「ホワイトボール!」
綺麗なフォームでぶん投げる。
見事なストレートだ。
「自動防衛機能が!」
アオイの周囲に炎の渦が出現して、俺の魔法の軌道がずらされた。
だが、相手の頬を掠れて切れる程にはダメージを与えられた。
「自分じゃ認識できない程のスピードで魔法を発動したと言うの? 物理の魔法少女、素晴らしい。これなら使徒との戦いも⋯⋯」
どうやら、上手く納得してくれたようだ。
いや~なんとかなるもんだね。
しっかし、魔法少女はやはり数人も居るのか。俺にユニークスキルはないのかね?
いや、もしかしたら加護のスキルはユニークスキルなのかな?
特別な力が欲しい。
⋯⋯この後もう何かをする気力は出ないな。でも、早く帰っちゃうと紗奈ちゃん心配するよね。
しゃーない。適当に魔物を倒して帰るか。
「あ、そろそろ一分だ」
「そう言えばアカツキさん。ステッキは?」
地面に降りて来たアオイさんが柔らかな態度で接して来る。
俺の額から汗が流れる。
なんで近寄って来る。帰れ、どっか行け。
俺の嘘がバレてしまう。
に、逃げるか? それが最善策だろう。
だが、さっきの戦いで相手は全然俺に追いつけると証明されている。
単に逃げるだけでは意味が無い。
他に俺が打てる手は⋯⋯考えろ考えろ。後数秒だ。
って、見えて来た。
キャッチしないと自分にもダメージが(経験済み)。
「⋯⋯」
「なんか高速で手に来ましたけど⋯⋯野球ボール? ステッキが無い⋯⋯もしかして」
あ、アオイさんの目からハイライトが消えた。これはアレだ。
「やっちゃったぜ」
「やっちゃったぜ★じゃねぇよ! どれだけバカにしたら済むんですかぁ! もう許しません。許せません。蒼炎!」
「へへ。逃げるんだよーん」
巨大な炎が俺に襲いかかる。
つーか、あんなの受けた一溜りも無いだろ。
弁当などは置いて来ているから回収しに行かないとダメなのに。
⋯⋯クソ。
レベル差が無ければ。
「魔法を使わずに舐め腐った事、後悔しなさい!」
別に魔法を使わなかった訳じゃないんだ。使えないんだ。
魔法少女の状態では俺は、魔法が使えないんだよ。
あぁ、言い訳ばかり出る。
「次会う時はきちんと魔法を見せて貰います。今日はもう時間無いので、それでは」
それだけ残して、アオイは魔法を消さずにどこかに消えた。
あぁ、綺麗な蒼い太陽だ。
「⋯⋯太陽⋯⋯丸い⋯⋯これならどうにかなるのか」
俺はステッキを金属バットに変化させる。
「格闘ゲームのアレ並のフルスイング!」
魔法少女アオイ、次会った時は必ず泣かす。
魔法を粉砕して、俺は荷物を取りに向かった。
「自己再生がなきゃ火傷痕が残ったままだったぞ。なんだよ、本当に」
俺のリュックとゴブリン発見!
すぐに近づいた。
「紗奈ちゃん手作り弁当に汚ぇ手で触んな! 汚くなくても触るな!」
さっきの怒りも込めて蹴り飛ばしたら、首が綺麗に飛んだ。
他のゴブリンが怯える。
「⋯⋯」
さて、そこそこ倒したし魔石も手に入ったので帰るとするか。
リュックはしっかりと手で持って⋯⋯ゲートを通る。
視線が上がり、身体が重くなる。
「自己再生、腰の痛みには通用しない」
早く来る事により、紗奈ちゃんの受付はすぐに利用できた。
「今日は大量ですね」
「しっかりとリュックを用意したからね」
「⋯⋯私の作った弁当が沈んでるの、少し悲しい」
グッ、涙目はダイレクトダメージ。
「ご、ごめんね? だけどさ。ほら。傾けたら危ないしさ、それに魔石を後から取り出すのも⋯⋯」
「ふふふ。少しからかっただけよ。そんなに取り乱さないで」
「まじで勘弁してくれよ」
「ふふ」
少しだけ舌を出して「ごめーん」って表情なの、可愛い。可愛いが過ぎる。
推せるよ。尊い。
「なんか距離が遠くなった気がする」
「なんか寒い」
アオイさんは足から蒼い炎を噴射して、その勢いを利用して加速してくる。
まるでジェット機だ。
「ほら、早く魔法を使いなさい!」
そんなに魔法を使わせたいのか。
そもそも、魔法少女だから魔法が使えるって、超ど偏見だからな! あ、ブーメランが刺さった気がする。
まぁ良い。
「出口までは間に合わない気がする⋯⋯しゃーない。年下に攻撃するのは気が引けるけど⋯⋯正当防衛だ」
俺は百八十度回転して、跳躍する。
高速でアオイに接近して、拳を固める。
「正当防衛パンチ」
「⋯⋯ッ!」
目の前に炎の壁ができるが、関係ねぇ。
それ事砕いてぶん殴る。
「らっ!」
壁に穴が空き、その向こう側に居た⋯⋯って居ない!
「さすがにびっくりしたわ! 殺す気!?」
「その言葉丸々お返ししますよ!」
背中に炎が衝突する。地面に叩き落とされる。
焼けるような痛みが背中に走る。
痛い⋯⋯てか、この身体になってから初めて感じる強い痛みだ。
不思議だな。
「痛い。悶え苦しむくらいには痛いのに、耐えられる」
精神的な面も若々しくなっているのかね?
身体だけじゃなくて、精神的にも魔法少女に寄っていたら、少しだけ嫌だけど。
今はこの戦い以外の事で思考のリソースを使うのは良くないか。
「ふぅ。しかたない。そこまで魔法が見たいなら見せてやるよ」
「ようやくか。来い、アカツキ」
ステッキを右手に持ち帰る。
さっきまでステッキは使ってなかったけど、魔法を使うにはこれがないとできない。
「これが俺の魔法、物理魔法だ」
「物理⋯⋯? 音響、波動⋯⋯これは凄そうね」
誰も物理学の事は言ってないけど、勝手にそう思って頂こう。
たとえレベル差があろうとも、さっきのパンチで驚くなら、これは見えまい。
「ホワイトボール!」
綺麗なフォームでぶん投げる。
見事なストレートだ。
「自動防衛機能が!」
アオイの周囲に炎の渦が出現して、俺の魔法の軌道がずらされた。
だが、相手の頬を掠れて切れる程にはダメージを与えられた。
「自分じゃ認識できない程のスピードで魔法を発動したと言うの? 物理の魔法少女、素晴らしい。これなら使徒との戦いも⋯⋯」
どうやら、上手く納得してくれたようだ。
いや~なんとかなるもんだね。
しっかし、魔法少女はやはり数人も居るのか。俺にユニークスキルはないのかね?
いや、もしかしたら加護のスキルはユニークスキルなのかな?
特別な力が欲しい。
⋯⋯この後もう何かをする気力は出ないな。でも、早く帰っちゃうと紗奈ちゃん心配するよね。
しゃーない。適当に魔物を倒して帰るか。
「あ、そろそろ一分だ」
「そう言えばアカツキさん。ステッキは?」
地面に降りて来たアオイさんが柔らかな態度で接して来る。
俺の額から汗が流れる。
なんで近寄って来る。帰れ、どっか行け。
俺の嘘がバレてしまう。
に、逃げるか? それが最善策だろう。
だが、さっきの戦いで相手は全然俺に追いつけると証明されている。
単に逃げるだけでは意味が無い。
他に俺が打てる手は⋯⋯考えろ考えろ。後数秒だ。
って、見えて来た。
キャッチしないと自分にもダメージが(経験済み)。
「⋯⋯」
「なんか高速で手に来ましたけど⋯⋯野球ボール? ステッキが無い⋯⋯もしかして」
あ、アオイさんの目からハイライトが消えた。これはアレだ。
「やっちゃったぜ」
「やっちゃったぜ★じゃねぇよ! どれだけバカにしたら済むんですかぁ! もう許しません。許せません。蒼炎!」
「へへ。逃げるんだよーん」
巨大な炎が俺に襲いかかる。
つーか、あんなの受けた一溜りも無いだろ。
弁当などは置いて来ているから回収しに行かないとダメなのに。
⋯⋯クソ。
レベル差が無ければ。
「魔法を使わずに舐め腐った事、後悔しなさい!」
別に魔法を使わなかった訳じゃないんだ。使えないんだ。
魔法少女の状態では俺は、魔法が使えないんだよ。
あぁ、言い訳ばかり出る。
「次会う時はきちんと魔法を見せて貰います。今日はもう時間無いので、それでは」
それだけ残して、アオイは魔法を消さずにどこかに消えた。
あぁ、綺麗な蒼い太陽だ。
「⋯⋯太陽⋯⋯丸い⋯⋯これならどうにかなるのか」
俺はステッキを金属バットに変化させる。
「格闘ゲームのアレ並のフルスイング!」
魔法少女アオイ、次会った時は必ず泣かす。
魔法を粉砕して、俺は荷物を取りに向かった。
「自己再生がなきゃ火傷痕が残ったままだったぞ。なんだよ、本当に」
俺のリュックとゴブリン発見!
すぐに近づいた。
「紗奈ちゃん手作り弁当に汚ぇ手で触んな! 汚くなくても触るな!」
さっきの怒りも込めて蹴り飛ばしたら、首が綺麗に飛んだ。
他のゴブリンが怯える。
「⋯⋯」
さて、そこそこ倒したし魔石も手に入ったので帰るとするか。
リュックはしっかりと手で持って⋯⋯ゲートを通る。
視線が上がり、身体が重くなる。
「自己再生、腰の痛みには通用しない」
早く来る事により、紗奈ちゃんの受付はすぐに利用できた。
「今日は大量ですね」
「しっかりとリュックを用意したからね」
「⋯⋯私の作った弁当が沈んでるの、少し悲しい」
グッ、涙目はダイレクトダメージ。
「ご、ごめんね? だけどさ。ほら。傾けたら危ないしさ、それに魔石を後から取り出すのも⋯⋯」
「ふふふ。少しからかっただけよ。そんなに取り乱さないで」
「まじで勘弁してくれよ」
「ふふ」
少しだけ舌を出して「ごめーん」って表情なの、可愛い。可愛いが過ぎる。
推せるよ。尊い。
「なんか距離が遠くなった気がする」
「なんか寒い」
0
あなたにおすすめの小説
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。@田中子樹
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~
テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。
しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。
ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。
「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」
彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ――
目が覚めると未知の洞窟にいた。
貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。
その中から現れたモノは……
「えっ? 女の子???」
これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる